高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

マルバネキノカワガ(沖縄編35)

2009年01月13日 09時37分07秒 | Weblog
小型のマルバネキノカワガは木の皮に止まるとまずわからないだろうと思える保護色の地味な色模様をしている。

日本では石垣島と西表島に分布すると思っていたので、今回沖縄本島で見つかったのには驚いた。
それも本島北部では多くはないが各地で生息しているのだ。
後日帰宅して調べてみるとすでに沖縄本島でも見つかっていることがわかった。
国外では台湾、インド、オーストラリアまで広く分布している。

幼虫はアカギ、ビワ、ナシ、バンジロウ、ホルトノキ、アカメガシワなどを食べることが知られており、台湾ではスモモ、ビルマネム、サルスベリ、グアバなども食べることから相当多種の樹木を食べていることがうかがえる。
特に果樹を食べることから果樹園の害虫として今後注目していく必要がある。

キノカワガというと幼虫は木の皮を食べると思いそうだが葉を食べる。
木の皮は食べるかどうか飼育したことがないのでわからない。

大図鑑によると成虫は7~8月に見られるそうだが、私は石垣島や西表島に5月に2度行って2度共出会っているし、今回沖縄本島で11月末に複数見ているので、真冬はどうか知らないが春から秋遅くまで成虫がいるのではと思われる。

(撮影:沖縄県大宜味村 2008.11.28)