牡蠣のバター焼きには・・・・・新潟の〆張鶴。

今年は、秋の気配なしに冬を迎えようとしているが、晩秋の風物詩でもある広島産の「大粒の牡蠣」が出始めた。貝類や甲殻類は素直に、蒸す・焼くが一番で、お鍋にすると他の具材の出汁にはなるが、貝そのものの味が落ちる残念な結果となる。



いずれにしても、単純なお料理がもっとも当て嵌まる代表格の「牡蠣」を、塩コショウして軽くバター焼きにしていく。更にこれをポン酢で食うのがチョイ悪くまもんのお奨めらしいが、ここはレモン果汁をかけるだけで、充分過ぎる日本酒の肴となる。





本日合わす酒は、新潟県北部の村上市にある、創業文政二年（1819年）の「宮尾酒造」で製造されている「〆張鶴」。新潟屈指の酒処である村上で十代に渡って醸し続ける銘酒は、サラッとした中にも新潟らしいお米の風味が鼻先を横切る酒で、牡蠣の嫌な部分の臭みを消し去るばかりか、更に貝類旨味とのハルモニーさえも引き出してくれる。



別に「赤ワイン」をけなす訳ではないが、バター味が利いているだけに大丈夫だろうと飲み始めた。しかし、日本酒とは逆作用が働き、美味しいはずの牡蠣の風味がドブの味（飲んだこと無いけどね・・・・・）となってしまった。フランス人に生まれなくて良かったと思う一瞬である。

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小粒の部分は「牡蠣フライ」にしたが、こちらは大阪の「串カツ御用達のソース」を取り寄せた。このお味はサラサラで甘味が先行していて、カツと言う代物には打ってつけの濃度で、しかも料理の邪魔にはならないのが特徴だろうか？　何にせよ、荒く千切ったキャベツが欲しくなるような味であった。

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