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アイソレーション・レギュレター(CSE製RK-100)を聴く

2008年01月14日 | Audio
成田さんの所からCSE製のアイソレーション・レギュレターが届いた。クリーン電源というやつである。1ヶ月ばかりお貸しくださるというので、いろいろと遊んでみたいと思っている。今日は、CDPの電源のみをこのレギュレターを通して、どういう音になるかを一つ一つ詰めていこうと思う。
1)スルー・モード:すなわち、レギュレーションしない電源がスルーの状態で聞いてみる。ただし電源はこの機械を通っているという状態。
2)50Hzと60Hzの違いはどの様に聴こえるのか。ハッキリさせたい。
単純に言えばこの2つである。実際は、まったくレギュレーターを通さない今まで通りの音との比較である。
1)での違いはアイソレーションするか、しないかという違いしかないのだが、この機械を買うような人であえてアイソレーションしないでスルーにする設定で使っている人はいないだろう。
スルーとはいえ、この機器の中を電源が通っているので、出てくる音にやはり「覇気」がない。鮮度が落ちる音なのだ。しかし、これは、アイソレーションしたときの落差を示すためには好都合なのかもしれないからなのか、などといらぬ事を考えてしまうぐらいの違いである。つまりスルーするならこのアイソレーション・トランスを入れていない今までの通常の電源接続の音の方が、余程いい音なのである。つまり余計な夾雑物を通しているのが実によく分かる音で、音楽がまるで生気のない音と化す。当たり前といえば当たり前だが、スルーするなら使わない方がいいだろう。
2)は、アイソレーションしての使用なのだが、実際に50ヘルツと60ヘルツでのオペレーションの違いがどういう風に聴こえるかというのが眼目だろう。前述したようにアイソレーションするのとしないのはかなり音楽を聴くという観点からも、全く違う音楽に聴こえるくらいに違いは、ある。毎度で恐縮だがクインシー・ジョーンズの<ブラジリアン・ウエディング・ソング>でのコーラスの人数が、明確に見えるように鳴るのがアイソレーションを入れたときである。ハービー・ハンコックのエレピもコーラスのも格段に高いところに定位して聴こえるようになる。またジョージ・ベンソンの弾くピッキングのタッチが、以前のうちの環境では、軽く弾いていると思いこんでいた音なのだが、実はかなりストロークを強めにピッキングしているのが初めて分かった次第。そういう意味では、音楽的に鳴っているのは、明らかだ。
では、50Hzと60Hzの違いはいかに!と意気込んで聞いてみたが、正直小生の駄耳にはその違いがよく分からない。強いて針小棒大に言うならば、左右の音場が広いのが60Hzであるのは、間違いないが、各楽器の音色などが、大きく変化しているか?と問われると、その違いはほとんど感じられないと言わねばならない。ただしこの左右の音場の違いはしっかりあって、この60Hzの左右の音場感を聴いてしまえば、50Hzには戻せない体になってしまう。
もう一つ60Hzでは最低域での解像度が向上しているのが分かる。バスドラの皮の張り具合までがよく分かるのだ。この違いはクラシックのオーケストラのベースのピチカートなどを聴くととても違いがよく分かる。また出てくる音全体を包括して書けば、音のザラつきが減っているということに尽きる。音の粒状化現象ともいうべきか。正確にはパウダー現象ということかもしれないが、とても滑らかな質感を音楽にもたらす。つまりある意味、鮮度が上がっているように聴こえる。これがアイソレーションしている音なのであろう。しかし、逆に言うと音が丸くなったという人も出てくるのではないか。
というわけで、粗探しの様な聴き方になっているのだが、この機械は定価が89000円で、実売が7万円強ということだが、マンションや共同住宅というような電源回りが良くない場合には、相当有効な機械ではないか、と思う。しかし、うちの場合は分電盤から直接壁コンに引いてきているからか、「激変」という変わり方には達していない。この辺がコストパフォーマンス的にどうなのよ、という感じがするところだ。
ちなみに使いこなし的には、要点が3つあって、一つは110Vと117Vが変更出来る仕様になっているので、当然ながら117V使用の方が、音的にはビビッドであり、鮮度も向上する。機器的には無保証ながら、この聴き方がうちではベスト。またこのトランスへの電源供給ラインがプアだと、それなりの音になるので、注意が必要だ。うーーん、そうなるとまた電源ケーブルの代金がかかりそうで怖い。そして明らかに硬い物の上に置くこと。今回は大理石の上で試聴。これは全体の鮮度に影響があったことを書いておこう。そうそう、またしても大理石の花瓶が、このトランスの上に鎮座したことも付け加えておこう。


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3 コメント

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 (名無しさん)
2008-01-18 21:29:47
えー、元ウィンアコ使いな人です。去年は沸かせてスミマセンでした(どこで?)

ウチでも今年からSD05にRK100を試していますが、此は効果が何とも低いようです。周波数の違いもあまり感じません。
モグラ製を使ったときはひっくり返るほど、良い方向に変わったのですが。というかバランス変わりすぎなところがあって、購入には未だ至っていません。

今は貸し出ししていただいたアリオンを聞いています。
低域ブリブリでちょっとやりすぎな感じもありますが、バロックをバキバキに聞ける楽しさがいいですね。
情報量が凄まじいSD05とは傾向が違いすぎて面白いです。
低域がもう少し大人しい音であったなら、買い換えています。音的に失うものが多いですが、得られるものが個人的好みに合っています。
翻ってSD05は高域の表現力にギモンがあり、難しいところです。ユーザーは、我が儘言いたい放題!
バキバキながらも何故か落ち着いて聞けるアリオン、いいアンプです。
確かに (Sugar)
2008-01-19 11:03:36
お久しぶりです。(^^ゞ
RK-100はさておいて、アリオンは、お書きになっている通りですね。私はジャズ聴きなので、100V仕様の低域ブリブリが気持ちよかったりします。重要なのは200V仕様のアリオンなんです。間違いなくクラシックのプレイバックに驚異的な音を聴かせてくれます。
とはいえ、試聴機は100Vだけなんですが。当たり前ですね、これは。
たぶんこの時点でも200V仕様を入れている方は、片手にも満たないかと。いずれにしても40万以下のアンプとしては、ベストでないかと。
同感です (FK)
2008-01-19 16:37:54
 割って入るようで恐縮ですが、その200V機の恩恵に浴している手前申し上げさせていただくと、導入から1ヵ月強、次にオーディオ電源の分立とアース工事を終えて20日間、低域は「バリバリ」と「パリパリ」の中間付近で、そこに「モリモリ」を貼り合わせた感じで、今、それらしい擬声語を思案中ですが、なかなか出てきません。そのうえで、これぞとにかくフラット、SPの素性を良くも悪くもあばき切るようです。その代わりソースの中味を耳垢レベルまで絞り出す。ジャズ系を聴いてこの調子なら、何でも来いなんじゃないでしょうか。あれこれ多くの使い手ではありませんが、こんなびっくりはオーディオで初めて。失礼致しました。

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