Sugarのちょっとお寄りなさいよ

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BMI電源ケーブルの揃い踏み試聴

2009年05月24日 | Audio

SD05仲間であるハンコックさんと「オーディオ目玉親父」というブログを書かれているmessaさんとが先日拙宅に遊びに来ていただいた。このところ聴いているクラシックを中心に、古いジャズまでを聴いていただいたが、お二人に来ていただいた時のセッティングは、どちらかと言えばジャズ的によく鳴るようにしていたので、50年代のモノラル盤の音も、どうにか及第点をいただけたようだ。
実はこのmessaさんは、k1xv1xさんともお知り合いということであったし、あのBMIの電源ケーブルを“3本も”お持ちという猛者ということで、かなりビビリながらお会いしたわけなのだが、女性ボーカルが“命”という、これが実に好青年でございました。その的確なコメントに、当方は頷くばかり。
さて、今回は、そんなmessaさんからBMI電源ケーブルを3本お借りしたのでそのインプレッション・メモを纏めておこう。なおk1xv1xさんが拙宅に来られた時にBMIのケーブルを持参していただいたが、このケーブル(ORCA)がmessaさんのところへ行っているとのことでした。お借りしたのは以下の3本。     
青:BMI HAMMERHEAD MkⅢ GOLD/SILVER
黒:BMI WHALE SUPREME MK Ⅱ
白:BMI ORCA Limited Mk Ⅱ
因みに新品を購入すると黒のWHALEが2000ドル、白のORCAが3000ドル、そして青のHAMMERHEADは4500ドルとのこと。ビックリである。完全なまでのハイエンドのケーブル群なわけだ。それにしても面白いのが各ケーブルのネーミングで、WHALE(鯨)、ORCA(シャチ)、HAMMERHEAD(シュモクザメ)など実にユニークではある。
■試聴
BMI WHALE SUPREME MK Ⅱ
上述の様にORCAはすでに聴いたことがあるケーブルだったので、今回は値段順で聴いていくことにした。で、最初は「鯨」なのだが、BMIの電源の中では“一番お安い”ケーブル(大爆!)。しかしこれがいい。どうも一番エージングが進んでいるケーブルだったようで、活眼するまでの時間が今回の3本の中では一番短かった。約3時間である。
情報量があり、音源の中にマスキングされている音が自然に出てくる。BMIの電源に共通するのは、左右の音場感や奥行きというところは、あまり広くは感じられないこと(ステルスなどと比べてなのだが)。それよりも左右のスピーカーの音場の中に、ギッシリと音が詰まっていて、その音の一つ一つの音の粒がブリリアントな輝きに満ちて、出てくる音全てにリアルな実体感があることだろう。
このWHALEは特に分離(セパレーション)の良さが際立っていた。ピアノを中心に聴いていったのだが、オーディオ的なエッジの付き加減が「ドッキリ」するほどリアルである。またクラシックでの弦の艶はこの3本の中で一番だった。私的には大満足の1本。ただしちょっとやり過ぎという感じの音だが、オフ会にはベスト。
BMI ORCA Limited Mk Ⅱ
以前にも聴かせてもらったORCAだが、このところ聴いていなかった(使われていなかった)所為なのか、起きるまでに時間がかかった。実際のエージングには6時間かけたが、もう少し時間があれば「変身」する予感がする1本だ。今回は左右の音場でも奥行き感でもWHALEよりも狭く感じる部分が出ていたので。
本質的には、WHALEと似た質感を持っている。センター定位の良さ、音の粒立ちの良さは、申し分なく素晴らしい。特にピアノのスケール感、力感の表現は流石にBMIである。木管、金管楽器は言うに及ばず弦楽器でもブリリアントな音色と粒立ちのいい音は魅力的ですらある。ややハイファイ的な部分を誇張するようなところもあるが、これは好み次第。しかし左右の音場感はWHALEよりやや狭かったが、音は前に前にと出てくる。この辺が好き嫌いの分かれ目となりそうだ。いずれにしても、時間との戦いという感じで、もう少しエージングで良くなるような余白は、聴いていても十分に感じられた。
HAMMERHEAD MkⅢ GOLD/SILVER
ORCAもWHALEも実にオーディオ的快感がタップリと感じられる電源ケーブルなのだが、このHAMMERHEADは、一聴した瞬間は「???」となった。そうなのだ。刺激的な音が全くしないのである。オーディオ的=刺激的という図式が全く当てはまらない。このケーブルは、実際に6時間のエージング後でも、まだその本領(正体)を発揮してくれている感じではなかった。
音場は他の2本よりも左右、奥行きともに明らかに広い。特に上下の音場は一番出ている。この辺がゴールド&シルバーを使っている電源であることに起因しているのかもしれない。他の2本と比べて実体感(リアリティ)が減衰しているように聴こえるのだが、よく聴くと帯域はこの3本の中で一番広い。いわゆる誇張感がないので「普通」に聴こえてしまうということなのだろう。しかしだからと言って「眠たい音」というのとは、明らかに一線を画する音で、どの楽器(楽器群)も実にナチュラルに響く。ちなみに愚妻によれば「一番生のピアノの音に近いのは、このケーブルね」とのこと。なるほどである。ちなみにクラシックでの収録された「ホールの音」を一番ハッキリ聴かせて(認識させて)くれたのは、このケーブルであったことも付け加えておきたい。もう少しエージングを終えて聴きたいと思わせるケーブルだった。
というわけで、ゴージャス3本揃い踏みというなかなか得難いチャンスをいただいたわけである。messaさん、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。


PRIMARY SP400という電源ケーブル!?の導入顛末

2009年05月18日 | Audio
昨年12月に購入したBELDENダブルツイスト電源ケーブルは、鮮烈な音の出る「新作盤」にはピッタリのケーブルなのですが、いかんせんクッキリしゃっきりしすぎるわけです。で、ヤフオクで購入したのがこのAETのPRIMARY SP400というスピーカー・ケーブルを使った電源ケーブルでした。
昨年末に購入し、ずっと聴いていたわけなのですが・・・。
そうなんです。このケーブルが全く起きないのですよ。本当に寝起きの悪い(新品だからエージングが進まない?)ケーブルで、本当に真価を発揮し始めたのは、最近3ヶ月ぐらいのこと。いままでのエージング最長記録を更新してしまいました。普通のオーディオ好きの方ならとっくに諦めているはずです。某所のケーブルだけに慎重にエージングを重ねていったわけなのですが。

このケーブルは4芯のスピーカー・ケーブルを2本縒って製作されたもので、HUBBELEの非メッキとFURUTECH型の非メッキプラグという組み合わせ。全長1.8m。作りは非常に良くて、なかなか手の込んだ仕様のケーブルでもある。
当初は、まるで低域が出なかった。線材はまったくの新品だったそうで、とにかく高域は「ケバイ」し、ささくれ立っているにもかかわらず、なんとなく「ペタ」っとした質感も示して音像も平板(大爆)。あれれ?である。それでも我慢して2ヶ月ぐらいエージングしてやっと高域もレンジ感が出て音もスムーズにヌケてくるようになった。また低域のハイスピードで、解像度のあるレスポンスが徐々にではあるが出てきた。ところが初期エージング4か月経った後でも、このケーブルはどんどん良くなっていったのだ。これには驚いたが、それにしてもエージングの進行がここまで遅いケーブルは初めてである。そんな時期にハンコックさんに一度、そしてハンコックさんとmessaさんにも拙宅に来ていただいて聴いていただいた。最新のジャズとクラシック、そして旧録のジャズにクラシックとを聴いていただいた(試聴記はここここを参照願います)。
現在は、この電源が我が家のSD05用のメインとなっている。CDP側の電源はチクマのTRC-15HPが定位置を獲得している。このチクマはCDPには最高だと思う。なにせどんな他の電源ケーブルを持ってきても、音場感と定位の良さで、他のケーブルをすべて退けてきた。
というわけで、ほぼメインの電源が落ち着いてきたところだ。
ところがである。前述のmessaさんが、ハイエンド電源ケーブルを試聴させてくださると仰るではないですか。この顛末は改めて。

セッティングの魔術師、我が家に降臨!

2009年05月16日 | Audio
ゴールデンウィークの終盤5日に、拙宅に初めてGRFさんが来てくださった。実に嬉しい。なんといっても「セッティングの魔術師」であるGRFさんの来宅である。是非お伺いしたいことは山のようにあった。
そしてほとんど一曲“一聴”にして、GRFさんからの指示が出ました。『SD05は右へ5ミリ、右のスピーカーは1cm下げて』。
これだけで今まで不満に思っていた右スピーカー側への音像の膨らみがたちどころに消えていった。ぽかーーーん、である。
まさにマジックである。その場にいる小生は、狐につままれたような心持ちで、ただただ驚いているばかり。GRFさんによれば『どうも皆さん、考え方が逆なのではないでしょうか』とのこと。思い当たることは山のようにある。まさに「練達の士」による「妙技」と言わねばならないだろう。


これに刺激を受けて、4本並んでいるスピーカーを一気にオパスだけをメインにして、なにも置かない更地の状態から、教えていただいたセッティング法を導入して、セッティングの再チャレンジを繰り返した。以前にも増した音場感。流石にSD05である。解像度を保った状態での音場優先セッティングが出来上がった。愚妻も『まるで違うじゃないの!』とのこと。なるほどなぁ、である。
GRFさんからモノラル・セッティングのコツを伝授していただいたが、これは本当にステレオ再生に効果満点だ。更地状態から3度ほどセッティングをトライしてみたが、ほぼ同一の音場感を得るセッティングが可能となった。いやはや音楽を聴くのが楽しい。ちなみに古いジャズも実によく鳴るのである。そして最新盤のジャズもクラシックも聴き入ってしまうほど良い感じだ。
『モノラル盤の音が一点から聞こえてくるのは、まだまだ駄目。丸いボール型の音像(音場=奥行き)がそこに無いとステレオ盤を聴いたときに違和感が出ますよ』。この一言が私にとっての金言になりました。
GRFさん、本当にありがとうございました。