Sugarのちょっとお寄りなさいよ

ジャズ、クラシック、オーディオ、そしてコーヒーの話題をお届け

CDコンサート後の一大変革

2006年12月31日 | Audio
どうにかCDコンサートも終わり、ホット一息。そして2006年も暮れていく。
ところが、家でCDを聴いていても「どうもおかしいなぁ~」と感じ始めた。まぁ、あの音を聴いちゃったのだからしようがないか!と思っていたのだが、どうも違うように思えてきた。実は丸々2ヶ月くらいこの調子(音のレンジが狭い感じ)がずっと続いていたのだ。一言で言えば、「ヌケの悪い音」なのである。では、決定的に悪い音かというとそうでもない。まさに「音に鮮度がない」という感じなのだ。
CDコンサートでいい音をたっぷり味わった後なので、自分のところの音がおかしいのではないかと気がついたわけだ。こんな面からもCDコンサートというのはとてもありがたいと思った。
というのも今回のCDコンサートで石田さんには、幾つも技術解説をしていただいたが、その中で「CDの天板の上にモノを乗せないで欲しい」旨のことを仰っていた。この一フレーズが僕の頭に引っかかっていたのだ。というのも制震という観点からは、天板をダンプして共振を下げてやれば、少なくとも悪い方向へは行かないのではないかという考えが以前から僕の頭にはあったから。そしてそれはある種の常識のように気にもとめず日常的に行っていた・・・。
家に帰って、石田さんが仰っていたことを反芻しながらCDを聴いていたら、ピピンと来たのである。そう、アンプやCDプレイヤー上に乗せてあった重しをスッパリ外してしまったのだ。そうしたらどうだろう、このすっきり、しゃっきりとしたヌケの良さは。これには参った。ここ2ヶ月ぐらいウジウジと悩んでいたことが一気に晴れて、聴く盤聴く盤がどれも楽しいのだ。土曜、日曜と立て続けに聴いて、耳を戻すために1日置いてまた聴いてというのをこの1週間続けていた。
結果的には、「まったく乗せない」というのではなく、軽めでも鳴きの少ない素材のモノを分散して乗せるというのがベストであるのが分かった。要するにノビノビとした音の柔らかさ、各々の楽器のディテールのシャープさが戻ってきたわけである。実に嬉しい。ほんの些細なセッティングにも反応するようになったのだ。
調子に乗って今日は『SF JAZZコレクティブ』(オーネット・コールマン集?)とヨアヒム・キューンの『アブストラクツ』を聴いている。
  
前者はライブで、スタジオライクな音録りで僕好みの演奏&録音。ドラムのブライアン・ブレイドのダイナミズムがとても心地良い。それにしてもニコラス・ペイトンってこういうトランペットだったんだなぁ、ここのところ聴いていなかったから、昔のイメージが強すぎたのでとても新鮮だ。鈍くさいフレーズの連続がなくてフレッシュで新主流派的なここでのプレイは、本当に素晴らしい(新主流派的な臭さ=クリシェも感じるけれど・・・)。ベテランのハッチャーソンのプレイも本当に渋い。この盤は気に入りました。演奏時間がとても長いのも気に入った(!)。それにしても本ちゃん盤は3枚組というのも凄すぎる。高くて買えないのでダイジェスト版を聴いているのだ。
一方、キューン盤は「アブストラクツ」と称しているくらいで、いわゆるピアノ・ソロによるフリー・インプロビゼーション集。好き嫌いが分かれる演奏なのだが、Label Bleuの輸入盤は音がいい。デジタル録音がマトモに出来るようになった時期の録音だけにそのピアノの音には痺れるほどの快感がある。しかしだ。この盤は、1曲目から7曲目まで一気に聴くのはしんどい。フリー・ジャズ大好き、現代音楽大好きっていう人にしかお勧めできないです。でも、1曲だけを聴くのは、一服の清涼剤って感じで凄く刺激的だと思う。ベヒシュタイン(ドイツ:ベルリン製)のピアノも特徴的なペダル音とともにしっかりと収録されており、ピアノ・ファンには堪らない一枚だと思う。
さて、2006年も最後の日となった。
今年は本当に素晴らしい人達との出会いがあった。そしてその一人一人の方々に御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。そして来年もよろしくお願いいたします。

ワン・ナイト・ウイズ 五辻~CDコンサート

2006年12月23日 | Jazz
いやー、とにかく疲れました。正確には「快い疲労」ではありますけれど。とはいえ金曜日の夜は、自宅に帰ってバッタリでございました。
さて、団子坂のギャラリーで行われたクラシックとジャズのレコード・コンサートは、無事終了いたしました。来ていただけた方に感謝、感謝で胸がいっぱいでございます。本当にありがとうございました。
  
それにしてもサウンドデザインのアンプ「SD05」とプレミアムサウンドデザインのスピーカー「T2」の再生能力の奥深さには痺れました。一言で言えば出てくる音に妥協がないのです。つまり良い録音は良く、悪い録音は悪いというジャッジが瞬時に聴いて分かってしまうという部分で、聴いていて怖くなりました。そう言う観点から僕は100ワットのアンプをチョイスいたします(購入宣言!?)。この会場にいらした方には理解していただける話だとは思います。
なにしろ22日に僕がかけた盤の中にも瞬時に「コリャ駄目だ」と思った盤が何枚もありました。こうなると本人(私)、けっこう赤面の至りで、顔から火が出そうなくらい恥ずかしかったのであります。もう一つは、なんたっていわゆるジャズ名盤なんて1,2枚の紹介でしたし、もう少しストレートな選曲にしておけば・・・と悔やむことしきり。来てくださった皆様に申し訳ない思いでいっぱいであります。こちらの勝手な選曲に4,5時間もお付き合いしていただいた(来場してくださった)方々に心より御礼申し上げます。
そういうわけですから、アンプ(石田さん)、スピーカー(大山さん)にもご迷惑をかけてしまったのではないかと今思っております。この素晴らしい機器の持てる力を十二分に出してあげられなかったことも反省材料となりました。石田さん、大山さん本当にごめんなさい。
 
というわけで、僕にとっての「One Night With Itsutsuji」は、素晴らしい方々にお会いできたということが一番の収穫でありました。特に五辻さんのお話しの一つ一つに深い感銘を受けました。そして素晴らしいスペースをお貸しいただいたことにも感謝しております。本当にありがとうございました。

モダン・アートを見ながらCDコンサート!(ジャズ編)

2006年12月13日 | Music

杉並公会堂の小ホール使って開催されたレコード・コンサートの第2弾として、今月の21日(木)、22日(金)の2日間、午後2時頃から夜9時まで、文京区の千駄木ある画廊『ギャラリー五辻』のスペースをお借りしてレコード・コンサート(CDコンサート)を開催することになりました。
 
12月21日(木)は、クラシックコンサート 選曲/解説:五辻通泰氏 他
12月22日(金)は、JAZZ/POPSコンサート 選曲/解説:私、Sugar担当 他
全5部制で私の大好きな盤、ちょっと気になる名演、名曲、名録音を中心に、ジャズやミュージシャンの裏話などを交えて、素晴らしいシステムで素晴らしいジャズを聴いていただこうという趣向です。(私は、3~4部を担当させていただきます)
 第1部:Jazz入門編 午後2時頃から
 第2部:Pops/Countryの流れ  午後3時半頃から
 第3部:好きな演奏家・好きなレコード  午後5時頃から
 第4部:JAZZの醍醐味 午後7時頃から
 第5部:大人の音楽を楽しもう 午後8時過ぎ
  終演は9時過ぎを予定しています。
  テーマは即興で変わることもあります。(爆)
なお、入場は無料ですが、人数に制限がありますので、事前に参加登録をお願いいたします。ここで登録をお願いいたします。ご参加される日時、お名前、ご住所、連絡先をご記入ください。
*両日ともレコードコンサートの合間に、サウンドデザインの石田さんからデジタルアンプ・CDの仕組み等の技術解説がございます。またPSDの大山さんから最新情報とネットワークとマルチアンプの技術解説がございます。
 
会場は
ギャラリー五辻←クリックで地図が出ます。
文京区千駄木1-22-30 ヒルハウス201
03-5685-4786
地下鉄東京メトロ千代田線千駄木駅(団子坂口)三菱銀行角を団子坂上がる
地下鉄東京メトロ南北線本駒込駅三井住友銀行左折
主催:Sound Design Fan Club
後援:有限会社 サウンドデザイン
   株式会社 ピー・エス・ディー
協力:Gallery Itsutsuji


悦楽の法則~ハンコック邸訪問

2006年12月09日 | Audio

久々の書き込みアップです。何をしていたかというと何のことはないCDを100枚ぐらいを聴きまくっていました。それについては別稿で書きます。さて今回はウィルソンのSPを鳴らしておられるハンコックさんの自宅を訪問させていただきました。嬉しいことにあのAcousticTaoさんとご一緒できました。ありがとうございました。
 
サウンドデザイン社の旗艦であるSD05というアンプを、ご自宅で実際に鳴らしておられる方のところで、その音をじっくり聴かせていただいたのはこれでお2人目ということになります。
お一人はGRFの部屋さんのお宅であり、そして今回のハンコックさんのお宅というわけです。タンノイにウィルソンですから、濃いです。ハッキリ言って。そしてやはり掛け値無しにこのSD05というアンプは「凄い」です。参りました!!
何が凄いって「音が凄い」というのは、もう当たり前に感じられるような感覚になってしまっていますが、やはり出てくる音を実際にタップリとそしてじっくりと聴かせていただくと心底凄い音のするアンプであることを改めて認識させて貰いました。ましてや御両者とも、それまで築き上げ、そして親しんできたハイエンド機器の数々とはきっぱりと決別してしまっているということに、言葉で言えないほどの凄みを感じさせます。このアンプ、外見で言えば何の変哲もないアンプであるだけに、余計にそう感じさせるのかもしれません。「百聞は一聴にしかず」が、まさにこのアンプにいえることだと思います。
さて、今回は持参したCDを中心にして聴かせていただきました。
やはりニヤニヤしてしまうのですねぇ。いい音を聴くと起こる現象が1曲目からなんの問題もなく出ちゃいました。今日持ち込んだのは、すべてベースの音の出方が違う盤を持参しています。ハンコックさんは気づいてくれたかなぁ。
『セルフ・ポートレイト/カーメン・ランディ』
『HUM/ユメール~ウルトラジェ~ミシェロ』
『iSE伊勢/古野光昭』
『ザ・キングダム/マッズ・ビンディング』
『デュアリティ/テリエ・ゲウェルト』
である。 
どの盤でもベーシストのプレイが素晴らしいのだけれど、スピーカー(機器)によってはベースがブーミーに響いたり、逆にパッセージが聴こえなかったりするという再生に苦労する盤で構成してみた。ランディ盤はジョン・クレイトンのベースがオフ気味に鳴るシステムと逆に出過ぎとなるシステムがあるのですが、ハンコックさんのウィルソンでは、ちょっと控えめでした。ミシェロは過不足が無くてまさに適正。古野とビンディングはちょっと過剰でややブーミー気味に響く(家中が共振というのも久しぶりの経験で痛快でした。ご近所の方スイマセン)。ゲウェルトはベスト・フィットで実に決まっており、細かいパッセージも余すところなく再現されて心地が良い。今回はこんな感じのレスポンス(プレイバックぶり)でありました。
ということで、一口に低域といってもシステムにとって得手不得手の帯域が歴然とあることがよく分かる。とくにこのウィルソンの再生能力の高さからすると、200から500Hzにやや帯域の乱れが感じられました。ちなみに本日ご一緒させていただいたAccorsticTaoさんが持参されたクラシックのCDにおいては、暗騒音(超低域)が見事なまでに出ていたので、いわゆる再生レンジ(周波数帯域)は本当に下の方まで伸びているのがよく分かるSPです(例のサンサーンスを聴いてみたいです)。
ではなにが起こっていたのでしょうか。そう部屋の特性なのですね。上記の周波数帯にピーク&ディップがあるからだと思います。そんな観点からもリスニング・ポジションはあと20cm後ろがいいのではないかとも思いました。奥で立って聴かせていただいたポジションでは、超気持ち良くてベストでしたから(Taoさんのクラシックでははまさにホールで聴いているような柔らかいアンビエンスが・・・。これが聴けるならジャズ・ファン辞めてクラシック・ファンになろうかと思っちゃいました)。そしてやっぱり5度ぐらいでもいいから内振りにしてみたいという誘惑にも駆られました。
またこのスピーカーの高域特性も恐ろしいです。あのツィーターはとんでも無い代物ですよ。折紙付です、ハイ。4枚のシンバルが(ハイハットを入れると5つ)がちゃんと点音源で聴けたのは初めての経験。愕然といたしました。いや、それ以上です。正直言うと腰が抜けそうになりましたから。初経験。 
というわけで、恐ろしいほどに精緻で、そしてピントの合った音っていうのはこういう音をいうのですね。凄いです。ウィルソンというスピーカーはやはり只者じゃないのですね。本当に驚きました。そしてこのスピーカーのリミットまでを鳴らし込むSD05というアンプもやはり驚異的であることを再認識させていただきました。
それにしてもこのアンプでしっかりと音楽が楽しめるというのは、素晴らしいことです。こりゃ、やっぱり買うしかないのかなぁ。それにしても問題はCDPですね。どうやって手に入れようかなぁ。
■ハンコックさん、いいチャンスを頂きまして、本当にありがとうございました。