Sugarのちょっとお寄りなさいよ

ジャズ、クラシック、オーディオ、そしてコーヒーの話題をお届け

ビッグ・バンド・ジャズの醍醐味をワンポイント収録で聴く

2007年12月29日 | Audio
いやはや、この2週間は、忙しかった。なんといっても忘年会シーズンだったし。会社全体の忘年会に部の忘年会、そして友人関連の忘年会など、週に2回以上の忘年会が連続するというのは、けっこう辛い。ご存じのようにお酒は得意ではないのだ。まぁ、みんなで盛り上がるっていうのは大好きなのだけれども。
というわけで、この2週間の備忘録を兼ねてちゃんと書いておかなくてはならないことを纏めて書いて置こう。
16日の成田宅での驚異のアンプ、アリオンの試聴会の後、18日は、待ちに待ったKunizoさんのビッグ・バンドのコンサート&レコーディングが杉並公会堂の小ホールで行われた。
 

これを書いている時点では冷静でいられているが、当日はなかなかタイトな時間進行で、午後1時からリハーサル兼マイク・セッティング。タッド・ガーフィンクルがセッティングしたマイクを囲むようにして陣取りを行い、リハの音も完全収録。ほぼ予定通りの7時30分からコンサートが開幕。これが結構笑ってしまうような仕切りとなった。というのも1曲終わる事にすぐに拍手をしてはいけないというものなのだ。そう、ライブ録音なんだけど、出すCDはスタジオ仕様という形でリリースする予定だからである。ゆえに3秒ルールが適用となって、3秒後にやっと大拍手。うーん、ちょっとなぁ。ちょっと考えさせられるものがある仕様だな。やっぱり聴く側の感動を拍手で伝えたいというのが、正直なところだ。もう少し言えば、お金を払って聴いているお客様のリアクションを制限するというのは、ちょっと再考を要することかなのかもしれないと思った次第。
さて、実際のリハから聴いていたので、本番では、やはりミュージシャンは、やや「ハイ」になっているのがよく分かる。ただ今回は、このハイになっているというのがとてもいい方向へ向かって、字義通り「熱演」に繋がった。ただ気になったのは、ピアニシモからフォルテへというダイナミズムが、リハに比べてライブではやや平坦になったこと。これはメンバーのボルテージが上がっている証左でもあるのだけれど、ライブで聴いている限りにこの強弱感というのが若干ではるが物足りないように思えた。
それにしても、ニューハードやシャープス・アンド・フラッツなどでビッグ・バンド・ジャズというものに馴染んだ世代の私にとって、Kunizoさんのビック・バンドを聴くと、超パワフルなバンドと感じる。各メンバーの音がヌケているからなのだが、音にキレもあって鋭利な刃物のような凄みを音に感じた。ましてやハーモニーがしっかり聴こえるというセクション毎のアンサンブルも脱帽ものだ。腕利きのメンバー揃いというのが、なんとも凄いのだが、このバンドの演奏水準は、間違いなく世界レベルと言って良いと思う。それにしてもリハーサル・ビッグ・バンドとしてこのバンドのレベルは相当なものだ。本当に世界に出してもおかしくないバンドであることを再認識させてくれる演奏の数々であった。
22日は、御茶ノ水のオーディオユニオン主催の試聴会。かなりの改良を施されたPSD社のスピーカーT3の試聴会だった。今回の目玉は2つあって一つは、アキュフェーズのCDP、プリ、パワーという構成でこの聴き慣れたT3がしっかり聴けるという滅多にない企画であったこと。もう一つは、前述のビッグ・バンドのCD-R焼きの音源の試聴が出来るというものであった。
まずは、アキュフェーズでのT3のプレイバックなのだが、1曲目はアンプ群が暖まっていないのだろうと思われる音が出て、ビックリ。音場感が欠落したような音で「ガックリ」となったが、2曲、3曲と進むに連れて「フムフム」という音になっていった。かなり寝起きが悪いという印象を受けた。しかし、昔々に知っていたあのアキュフェーズの音ではあるものの、やはり売値150万というのはダテではない。意外と音に芯があって、意外やガッツがある音で出て、僕好みの音で音楽が聴けたというのはちょっと嬉しい誤算だった。ただしその後SD05でドライブしたT3の音を聴くまではである。やはり広大な音場が部屋に出現した。T3のリファレンス・アンプなのだろう。相性は抜群のものがある。とはいえ、CDPがSCD-XA1200ES改(以前より大分鳴るようになったが)であっても、やっぱり音が薄い。
 さて、凄かったのはKunizoさんのビッグ・バンドのR焼きの音源だ。クリスチャン・ホールの試聴室で、杉並公会堂の生の音がまさに原寸大で再現されてしまったこと。こんな凄いビッグ・バンドの音は、少なくとも聴いたことがない。恐るべしタッド。ここでは詳しく書かないがまさにとてつもない音のする盤である。特に杉並公会堂へ足を運んだ方は、自宅でどのように聴こえるかが、楽しみとなる盤に仕上がっていおりました。ましていまだオーサリングしていない段階なので、ラフな状態でである。通常レコーディングされたマスターの音を10とするとCDになると良くて8、悪くなると6というレベルにしかならないのだ。つまり2割から4割音質が落ちるのである。正式盤では、果たしてどうなるか、乞うご期待というところだろうか。
先ほど入ってきたニュースでは、マスターを米国へ持ち込みマスタリングするという。果たして誰がマスタリングするのだろうか。楽しみ倍増ではある。1月末ぐらいには、聴けるとのこと。

ALLIONはありよ~ん:オーディオ界、価格破壊のアンプが登場

2007年12月16日 | Audio
12月15日(土)は、駒込にあるソフィアザールでレコード・コンサートに参加。お題は「この1枚この1曲」。というわけで、私はスパイス・オブ・ライフのまたもや『エンブレイサブル/リーサ』をかけました。皆さんの食いつきをしっかり実感。また呼んでください。
さて、本日16日(日)は、定点観測をさせていただいているジャズ評論家の成田さんのご自宅にお邪魔してきました。
今日の目的は、インレットの改修を行ったサンスイのアンプAU-α907XRの試聴と電源ケーブルのエージング進行の再確認という課題が定点観測的にあったわけですが、実はそれ以上の目的がありました。
  
それは、出水電器の新作アンプの「アリオンAllion」の試聴なのです。そうなんですよ。成田さんは、このアンプをご購入なさるんですねぇ。それも200V仕様の物を。この200V仕様の顛末については後で書きますが、この日は、午前中に到着しましてアリオン導入前の音をしっかり把握するという目的がありました。で、まずはビフォアである今までのセットの音なのですが、インレット改修の効果(電源ケーブルも変わっていますが)がしっかりと出ていまして、過去比から言えば、鮮度が断トツに良くなっていて、旧譜から新譜・新録に至るCD及びSACDの音になんの不満もなく、あのスピーカーから(バックナンバー参照)こんな音が出るというのが、もう不思議なくらいのサウンド・ステージがそこに出現しておりました。取り敢えずの難を無理矢理に言えば、スーパー・ウーハーとKEFとのクロスオーバー付近の音がやや薄いということぐらいで、不満が出るという類の物ではありません。
で、そうこうしているうちに、出水電器社長の島元さんと、オーディオ・ライターの田中伊佐資さんが到着いたしました。
そうなんです。この新作アンプが100V仕様の物と200V仕様の物が聴き比べ可能な状態になったのです。この2台は外見からは、全く区別が付きません。バックにある型番シールのところでその違いが分かるだけ。まぁ、当然かもしれませんけれど。
 
スペックは以下の通り。
ALLION Ultimate T-100
定格出力 100W×2(8Ω)
周波数特性 20Hz〜120kHz(+0,-3dB)
全高調波歪み率 0.1%以下(1kHz 10W出力時)
信号雑音比 85dB
(1V入力 10W出力時 UN-WTD)
寸法 442×370×110
重量 約13kg
至って普通であります。
というわけで、まずは田中さんがしっかりエージングを済ませてくれていた100V仕様から試聴を開始いたしました。
えーーーー。これヤバイです。
もうこのアンプ凄すぎです。半端なアンプでは、ありません。正直申し上げて、私の視線が彷徨いましたから。「目が虚ろ」になるというやつです。目から鱗が落ちるなんていう半端さはないです。その衝撃の凄さに、私は間違いなくポカーンとしていたに違いありません。成田さん、田中さん、私、3人とも絶句・・・。島元さんニヤニヤです。
単純に言えばCDに入っている音をしっかりスピーカーに全部出し切っているという音でしたから。「アンプでマスキングされている感じが全く皆無」ということです。今回はCDダイレクトモードのポジションでの試聴ですが、音のフォーカスがしっかりしていて各楽器が実体のある音になっています。しゃっきりと背筋がしっかり伸びた音なんですね。単純に書くなら、このKEFのスピーカーが大型のスピーカーに一大変身してしまったという感じでしょうか。
『サマータイム/ウィル・ブールウェア』(Eighty-Eight's)のリチャード・ボナのエレベが字義通り「地を這う」という感覚が理解出来る方には、すぐに納得していただけると思いますが、いかんせんあのKEF君(スーパー・ウーハーが付いていても)から出てくる音では絶対にありません。もう一つ驚いたのは、ピアノの音。サンスイのアンプでは、ブールウェアのピアノのスケール感が出ていないことと、高域のメロディー・ラインが滲んで聴こえていたのが、いきなりフルコンサートグランドのピアノが眼前に出現するというこの快感。タッチの明確さ(強靱な)、ピアノのサイズまでもが別物に変身しちゃいました。うーーん、こんなの「無し」です。音の粒立ちなども想像を遙かに超えたところにありましたし、楽器の前後感など音場の再現性は、高級ハイエンド・アンプが可哀想なくらいの仕上がりです。
『ウイ・ゲット・リクエスト/オスカー・ピーターソン』に至っては、エド・シグペンのバスドラムの踏み込みの強弱が手に取るように分かるというのも、新鮮な驚き。ちなみにこの盤を持っている方は、もう一度聴いてください。シグペン先生のバスドラが「トントン」ではなく「ドスドス」と鳴っているかどうかですけれど。ましてやシグペン先生がスティックワークに注力しているので、足を忘れて強弱のシンコペートが弱強になったりシンコペートしたりするなんて思いもよらない聴こえ方です。
そうそう、田中さんが持参されたポール・モチアンの『Garden Of Eden』(ECM)のシンバルの音は、驚異、驚異、驚異。こんな音が出るのか、こんな音に聴こえるのかと呪文のように頭の中で呟いておりました。ミンガス、モンク、パーカー曲のオンパレード。とても楽しめる盤です。明日買いに走ります。ハイ。
この100V仕様のアンプでビックリ(激変ですから)している場合でないのは、分電盤からのラインを200V仕様に島元社長がしてくださり、遂に200V仕様のアリオンの試聴を開始した時に訪れました。これが成田さんの新しいアンプとなるものなのですが、この時点でジェラシーを感じましたねぇ。流石に電器屋さんでございまして、ものの20分もかからずに分電盤直に出ている2本の電源ケーブルの内1本を200V仕様に変更です。そして200Vアンプのアリオンの試聴開始。
とはいえエージングも完璧ではなく、ましてや全く暖まっていないアンプを急に比較するというのも問題ありなので、取り敢えず通電10分(ゴメンね、アンプ君)。その間島元社長からこのアンプのコンセプト、製作裏話などいろいろな情報を頂きました。これだけは書いておきます。「半端な代物ではない」と。もう少し書けば、このアンプに社運をかけていると仰っていました。それは100V仕様を聴いたばかりでさえ、十二分に実感していたので、我々はただ頷くのみ。
さて、200V仕様のアリオンですが、えー、100V仕様というのはいったいなんだったの?という感じでしょうか。100V仕様が直球勝負の若手ピッチャーなら、こちらは酸いも甘いも知ったベテランピッチャーの趣。音自体の発声は明確なのですが、音が非常に柔らかくなって、弾力のある肌触りを持った音に変身しています。音がとても暖かい。そう、それも鮮度はしっかり保ったままにですから、再び口がアングリしちゃったわけです。ましてやこの200Vアンプはエージングが済んでいないアンプなのですから。エージング後が末恐ろしい。これをやられては、その音に降参するしかありません。私の心拍数は明らかに急上昇してしまいました。
その後、島元社長は、分電盤にもう一工夫を加えました。そうなんです。ビス関連を非磁性体のものに取り替えて、克つ分電盤内部の配線を撚るという作業を実施しておられました。出てきた音は、「しなやかに歌って~♪」というもの。私のボキャブラリー不足でありますね。いやはや、恐ろしい世界です。これらのことは段階的に行い試聴する、というのをしてくださったわけです。で、その違いが克明に耳元に届くというのですから、驚きを通して驚愕の顔つきになっていたのは想像に難くありません。
島元社長の音楽的趣味(チューニング)は、バロック音楽がメインだと仰っていましたが、私の印象ではジャズを聴く人にこそベストマッチではないかと思っています。スピーカー・フロントに浮き出して欲しい音像はしっかり眼前に。そして後方に定位して欲しいバック・ミュージシャンはしっかり後方に定位するという、一見なんでもないように思えることが出来ないアンプの多いことを考えるとこの立体的な音像・音場のあり方は、音楽ファンの琴線を揺さぶること必定のアンプであると断言出来そうです。
というわけで興奮醒めやらぬなかで書いていますので、誤字脱字は失礼いたします。
ちなみにこのアンプ、346,000円です。すでに試聴した方々(ブログなど)は、「反則」であると断言しておられますが、正にその通りで、私は「オーディオ界の価格破壊や~」と書いておきます。
いずれにしても、音楽好きには、堪りませんよ。このアンプ。余り知られたくないなぁというのが本心ではありますが、久々の感動体験となりました。成田さん、島元社長、田中さん、今日はありがとうございました。超充実した6時間でした。なんせ3時間ぐらいにしか感じなかったというのが驚き。SD05を聴いたときの驚き、感動が再び味わえたのが最高にして最大驚き。至福の時間でございました。こりゃ、もしかすると禁じ手を聴いてしまったのかもしれません。取り敢えず「アリオンは有りよ~ん!」ということで。

18日杉並公会堂でビッグ・バンド・ライブ録音:Kunizo Big Band

2007年12月06日 | Jazz
MA Recordingsで何が一番好きな盤なの? と問われたら、僕は間違いなく『Contrasts+Parallels/Kalman Olah Trio』と答えることにしている。僕はこの盤をジャズだと思って聴いていたのだが、ところがジャズ・ファンにはあまり評判がよろしくないようだ。まぁ「似而非ジャズ」というように聴こえるのだろう。しかしこの盤で聴けるピアノの音は、いいチューニングのピアノを生で聴く感覚に非常に近いものなのだ。この部分を聴くだけでもこの盤の価値は充分にあると思っている。まぁ確かに曲素材がゴールドベルクだからなぁ・・・。
さて、そんなMA Recordingsタッドがなんとビッグ・バンドの音を録るというではないですか。タッド自身も「無謀なのだ!」と言っておりましたが、それはある種の謙遜が入った言葉と僕は受け取りました。ましてや木幡Kunizo光邦さんのビッグ・バンドによる演奏ということで間違いなく面白い音が録れるはず。そんなコンサート・ライブが18日(火)、東京・杉並公会堂小ホールで行われる予定です。
  
このコンサートの詳細はここを見ていただくとして、どういうバンド配置で、どういうマイク・セッティングをして、どう仕上げて録るのか。とても興味深いレコーディングではある。彼の使っているマイクはワン・ポイント、ましてや無指向性の物を使用しているので、マイクを中心にして同心円状にメンバーを配置しての録音だって考えられる。まぁ、ライブなので、無茶なセッティングをすることは出来ないだろうけれど、こんなことまで夢想させてくれるレコーディングなんていうのも、そう多くはないだろう。そしてさらにこのレコーディングは一般公開され、そのプロダクトも手に入れることが出来る。そう前回ピアニストのクリスチャン・ジェイコブのTUCでのライブと同じ趣向だ。生の体験をした後に、ライブ盤で当夜の音の確認が出来るという、一粒で二度美味しい、まさにグリコのアーモンド・キャラメル状態(キャー、古い)になれるわけです。
当日は午後からリハがあります。これも見たいなぁと言う方、メールまたはこの記事にレスをください。手配いたしますので。
なお、22日には、オーディオユニオン御茶ノ水店でPSDのT3スピーカーの試聴会があるようです。もしかしたら、この時の演奏のR焼きの音が聴けたりして。どうなのかなぁ。期待しております。

またまた連続試聴会:ハンコック邸、k1xv1x邸

2007年12月02日 | Audio
昨日の1日(土曜)は、まずはハンコック邸にまたまたお邪魔しまして、その「音の成熟」ぶりを堪能させていただきました。
なにやら2台あったトラポ(CDP)を2台とも売り払ってしまっていたのには驚かされましたが、後釜に座ったCDPがOnkyoのユニバーサル・プレイヤーという選択にも正直ビックリいたしました。でもハンコックさんが狙っている音が出るプレイヤーとのことですし、Onkyoとは言えども、内部パーツは海外製品なので、昔の名前で出ていますみたいなプレイヤーでございました。オークション市場から無くならない前に購入するのが吉のプレイヤーなのかと。意味不明。
さて、この日は初対面のKさん、そしてk1xv1xさんに同行していただきました。Kさんはお若いのに各種機器を相当聞き込んでいるのが判るそのお話しぶりに感服いたしました。またk1xv1xさんは、もうこの世界では有名人でありますね。
で、ハンコック邸で繰り広げられたのは、電源回りの使いこなし(というか、電源ケーブル及びアイソレーション・トランスの取っ替え引っ替え大会)でした。コロコロと音が変わるのは、私なんぞは目を白黒してしまうほどの変化量。オーディオ的にもとても高い次元での変化なので、面白い実験でございました。え? 内容を書けって言われてもケーブルの名前も正確に把握しておりませんのでご容赦を。ただしやっぱりBMIの太い赤ケーブル(超高値)は、凄まじいまでの音の浸透力があります。音楽好きには堪らないケーブルの一つでしょう。もう一つ名前を失念いたしましたが、この電源ケーブルもとてもいいテイストで音楽を奏でてくれていました。いずれにしてもアイソレーションを使っての聞き比べでしたが、2台のトランスをアンプ側、CDP側と別のものを使うというのは、デジ分離の白眉であり、各々の「電源を別にする」ことのメリットが明確に示され、それがしっかりと体感出来たというのが、とても印象的ではありました。
オーディオネタをこうでもない、ああでもないと言いながら同好の士とともに昼食を楽しんで、次はk1xv1xさんのご自宅を訪問いたしました。
前回はオーディオ話に終始したのですが、今回の眼目はもちろんジャズ。この方がどの位ジャズ的にも凄いかといえば、なんと今月5日に来日クラブ・ギグのあるダイアン・ハブカのCDの中からすでに3枚をお持ちになっていたこと。そしてこの3枚ともが日本未発売盤ですから、そのジャズ博識の広さが分かろうというものです。
機器構成は、私に説明できるわけもないのですが、「写真を見て分かる人は分かる」ということで逃げます。すいません。もちろんお名前の由来でもあるエアーのプリとメインがその音空間の芯になっているのは間違いありませんが、それ以上に各機器のセッティングの完璧さは、見ていてもまさに芸術の域に達しておられる凄さ。この完璧なセッティングから紡ぎ出される音のタペストリーは、まさに私にとっては天上の音楽でございました。
  
一言でいえば、ハイエンダーを極めた音のテイストに音楽好きのテイストがコーティングされた、オーディオ好きにも音楽好きにも堪らない音に仕上がっておりまして、まさに極上の空間でありました。というのもあまりに凄い機器を集めた人があまりに面白くない音を出しているという経験が多々ありますので、k1xv1xさんの音というのは、本当に別格な趣があります。それにしてもCDPの電源ケーブルが100万というのが・・・。そうそう、青江三奈には正直言って脱帽です。
ちなみに今回ハンコックさんもk1xv1xさんも、しっかりとリーサのCDをご購入していただいており、リファレンスとして聴いていただいているのは、嬉しい限り。このスパイス・オブ・ライフという会社の盤の音のナチュラリティーをご理解してくださる方がいるのは、とても嬉しいことです。ぜひともオーディオ会社の方にもこの辺をしっかり理解していただきたい部分ではありますね。