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怒濤の3日間 定期演奏会、吉田苑、A&Vフェスタ

2009年02月22日 | Audio
18日から20日までナノテック展が開催されているなか、20日には東京シティフィルの第226回定期演奏会へ行ってきました。
今回はハイドン没後200年ということで、『“Die Schöpfung”Oratorio, Hob.XXI-2(オラトリオ「天地創造」)』を聴いて参りました。於:東京オペラシティ
指揮は常任指揮者の飯守泰次郎。ソプラノ:市原 愛、テノール:望月哲也、バス:成田 眞と言う布陣。いやはやソプラノの市原さんには「Love」ですねぇ。素晴らしいソプラノに大感激です。そして美しい。そう言う意味では、望月さんも成田さんもめちゃくちゃ巧い人たちでした。この3人を聴くだけでも価値がありましたから。
なにしろ初めてのナマ「天地創造」だけに想像も付かないほどに聴き応えがありました。それにしても歌手陣がフロント配置かと思いきや、コーラス陣の前というのは驚き。そして歌手の声が客席に通らないのではという杞憂は胡散霧消。各歌手陣の細かいフレーズ作りなど手に取るように聴こえましたし、もちろん客席にまでズバッと通る声が響き渡りました。この3人にまずは大拍手です。自宅で聴いているマリナー指揮の盤(2度目の方です)の歌手陣に引けを取るどころか、それ以上の出来の部分もありました。やっぱりナマはいいです。
オケの方は残念ながらちょっと粗いかなぁ。もっと書いちゃえばたぶんですが飯盛さんの指揮(指示)とは違う方向へ走ってしまう演奏者がいたりしてという感じですかね。各パートが散けていたような演奏ではありました。ちなみにコントラバスの蓮池 仁さんは素晴らしい演奏をされていました。特記しておきます。
さて、21日は大阪の友人とともに「吉田苑」の東京試聴会に参加してきました。新作無しで残念。ディナのフォーカス360もなんとなくエージング不足のような音。注目のNmodeは、思っていた以上でしたが、Focus360をドライブするのが限界かと。それでも凄いことに変わりはないのですが。Consensus Audio Engineeringのコンセンサスを鳴らすには、やはり無理があったような感じでした。それでもこのスピーカーの持つ得も言われぬ魅力的な音の一端は感じられたのは立派です。それにしてもこのコンセンサスは美しい仕上がりです。とはいえ240万は、どうなんでしょうか。
鈴木さんのところのSOULNOTEは予定調和の素晴らしさ。なんせ100万(購入価格)であの音が手に入るというのは脱帽です。因みにどうしてもあのss1.0というスピーカーだけは勘弁して欲しいです。何度聴いても紙臭くてついて行けません(爆)。今回鈴木さんのプレゼンはオール・ソウルノート体制だったので、Focus360に換えて聴いてみたかったというのが本音でした。
さて、今回の目的はワディアのiTransport。注目の吉田苑スペシャル・チューンというわけですが、実は本日のA&Vフェスタで某ブースで某お店がチューンしたiTransportを聴いてしまった為に、音的には次点ですね。某店とは町田にある「カンタービレ」と言うお店。けして「のだめ」ではありません。(爆)
関東の吉田苑とも言うべき、凄腕(コンセプト)の伏黒さんのお店のチューンものです。お得意のカーボン・チューンでしたが、音の違いはどうも電源ユニットにあるんじゃないかなぁと思います。聴いた感じは吉田苑のは、広帯域&センシティブという音、一方カンタービレのは、ジャズ最高みたいなガッツのある音ながら弱音の響きを失わないというジャズファンには、とてーーも嬉しい音がしていました。因みにそのブースでEMMラボのトラポで鳴らしていた音に遜色ない音が出ていたことをご報告します。うーん、iTransportとチューンに電源部で、一体幾らになるのでしょうか。悩ましい音を聴いてしまいました。一つ眼スピーカーのエヴァヌイは、小口径のシングルユニットながら、あんな音がするのは反則かも。正直家には置けないほどグロテスクかも。夜怖くてオーディオルームに入れません。(爆)
えー、我がサウンドデザインは、今年も会場内で唯一「マトモ」な音をしっかりと出してくれてました。いつもの事ですがこれがああゆうフェスでは希有なことですから。他のブースは「ケバイ」だけの音で、かつ音量を上げていけばいいってもんでもありません。SD05はいきなり音場が出る鳴り方ですからねぇ。この音場感はオーナー連にとっては当たり前になっていますが、聴き馴染んでおられない方にはどうも衝撃だったようです。ただ以前ユニオン試聴会で聴いた時よりも低域が出ていない感じがしたのは、私だけ? T4のチューニングが違うのか、部屋がへたれなのか。まぁ、後者でしょうけれど。
なお、出水電器のアリオンとSD05の試聴が出来るのではと思いつつ会場に参りましたが、出水電器の出店ブースは、ほとんど音が出せないブースで残念ながら、試聴出来ずでした。

東京シティ・フィルの定期演奏会 第225回

2009年02月08日 | Music
去る1月21日に、東京シティ・フィルハーモニックの定期演奏会へ行ってきました。今回はティアラ江東ではなく、新宿の東京オペラシティが会場。前回のティアラも大ホールという名称ですが、実際は中ホール仕様。今回のオペラシティは正に大ホールそのもので響きが全く違います。大袈裟に言えばティアラは響きが少なくデッド気味なのですが、オペラシティはアンビエンスがタップリという仕様でした。それにしてもこのホールは、バブリーな作りではあるのはご存じの通りですね。今回のオーケストラ配置ですが、ティアラで聴いた時の様な古典的な弦楽5部配置ではなく(いわゆる左右にバイオリン。左中央にベースがあるような配置)、今回のオペラシティでは、いわゆる一般的な弦楽5部配置で、視覚的にも音的にもヴィオラの音がしっかり聴けるのがいい感じです。その分、バイオリン群が左右に分かれていないので、第一バイオリンと第二バイオリンの差分けが楽しめないのが難点なのかもしれません。
さて、3部構成のコンサート。いずれも近代の作曲家にフォーカスを当てているとのことですが、正直2曲目の作曲者についてはまるで知りません。第1曲目は、ウィリアム・ウォルトンのバレエ組曲「賢い乙女たち」。バッハ作品のアレンジメンツという仕様の曲です。しかしどうなんでしょう? 僕にはバッハのオリジナルの方がよっぽど楽しめると思うのですが。それにしてもこのアレンジでバレエを踊るというのもなかなかですね。まぁ、こればかりは実際のバレエを見てみるまで分からないでしょうけれど。また2曲目のカール・ヘルマン・ピルナイの「ドイツ流行歌の愉快な遊び」という曲は、いわゆるイントロ・曲当てクイズみたいな趣向です。つまりバッハ風だったり、シューベルト風だったりというように有名どころの作曲家たちのメロディー&アレンジのパクリ(!?)を楽しむという趣向。ピルナイは作曲家というより、アレンジャーということなのでしょうけれど、11ある変奏のどれもが誰風なのか良く分かりませんでした(爆)。ジャズで言えば「カウント・ベイシーがエリントン曲集を演奏している盤を聴いている」見たいな感じで、「巧いけど、なんか変」というところでしょうか。物凄く違和感がありました。
ここまでの2曲は、前座。真打ちは終曲のセルゲイ・プロコフィエフの「交響曲第7番 青春」でした。弦楽も管も1曲目2曲目でウォーミングアップが終わったのでしょう。素晴らしい音が出ていました。アンサンブル良し、演奏良しの大名演。こりゃワールド・クラスです。今回の指揮者である児玉宏も熱演でした。それにしてもなかなかの名曲ですね、これは。素晴らしいメロディーラインの宝庫です。時々スニークインしてくる不協和音はご愛敬でしょう。

この第7番を聴いて、ゲルギエフのプロコフィエフの交響曲全集を先日購入。うーん、プロコフィエフってのは実にメロディストなんですね。素晴らしいメロディーのてんこ盛り。この盤はLSO Liveのスタッフが製作しているので、音の感じはいいのですが、どうもフィリップスによる製盤(最終マスタリングですね)がイマイチのような感じです。まぁ、もちろん中の上クラスの音質ですから、安心して聴くことが出来ますけれど。お勧めの1枚です。