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またもやチクマの電源ケーブル

2008年07月13日 | Audio

実はチクマの電源をオークションで落とした。チクマの初期モデルの一つである「AC Life II」という電源ケーブルだ。チクマ2本目である。
なにせ単線である。そして2mである。無茶な期待はしていなかったが、これが思いの外いい。一言で言えば、ハッキリ、クッキリの音だ。なかなかクールである。しかし、見た目は細いのにとても硬いのは、いかにも単線ケーブルの性でありますね。
内部接続端子を含めて、部品をバラバラに全部外して、大掃除を敢行。ブレードの傷は若干あったものの、思った以上に綺麗だった。シースの解れもなく、しっかり甦ってくれたようだ。全パーツともに消磁を行っている(掃除じゃないよ 爆)。
TRC-15HP/2.0との比較で言えば、情報量の差は明らかに違っている。TRC-15HP/2.0は、やはりしっかりと進化していることが確認できる。この辺は一昔前と今とじゃコンセプトが変わっているからかもしれません。
音場空間の中に音の粒子を満たしていくようなTRC-15HP/2.0に比べると、音像の中に空白部分(隙間)があることが良く分かるような鳴り方だ。このAC Life IIのこの部分をどう聴くかで好みが分かれそうな音の出方をしている。これまた賛否両論になりそうな気配のあるケーブルである。
ちなみに本日、古いスタンリー・タレンタインのインパルス盤『レット・イット・ゴー』を聴いたが、タレンタインのテナーの音にハッキリとした芯がある鳴り方をしたのは、AC Life IIであると書いておこう。それにしてもこの盤のロン・カーターのベースは、「参加していなくてもいいんじゃね?」と言いたいね。シャーリーがベースラインを積極的に踏まない人(わざとそうしている?)だけれど、それにしてもロンはこの盤に参加する必要性が全く感じられない。そうそう、左テナー定位で、エコーが右へ行って、また帰ってくる音が聴こえますか?というのが、今日のお題。果てさて皆様はいかに? イングルウッド・クリフのゲルダー・スタジオは、広いのか狭いのか、もう一つ読み切れない盤でした。(閑話休題)
スタンリー・タレンタイン レット・イット・ゴー - goo 音楽
スタンリー・タレンタイン レット・イット・ゴー


目論見が大当たり!チクマの電源ケーブルTRC-15HP2.0を導入

2008年07月05日 | Audio
これまた中古で購入(爆)。昨年発売のケーブルなので、もうエージングは済んでいるだろうと思って購入したのだが、店員の方の話では「ほとんど使われていなかったケーブルだと思う」とのこと。確かに使い始めて約2ヶ月強が経過しているが、このところ当初とは別物という趣を見せ始めている。
このTRC-15HPというケーブルは、アンプ側に入れた直後から音楽を顕微鏡で覗いたような微細な音を聴かせてくれるケーブルだった。また音場情報の出し方には出色なものがあり、その奥行き表現、左右の音の広がりは、今まで聴いてきたケーブルの中でも突出していた。まさにこの音はこのケーブルの購入動機とも極めて一致していた。しかし、聴いた瞬間にサウンドデザインのアンプSD05側で使用するのは諦めた。そうなのである。元気溌剌みたいな音の出方ではなく、あまりに音楽が楽しく鳴らなかったからである。そう言う意味ではかの有名なスティルスを聴いたときの感じがとても似ている。ハイエンドオーディオ的にはこの微細音というのは、必要不可欠なものだろうが、音に覇気や生気が出ないのは、どうしても我慢が出来ないのだ。まぁ値段は月と鼈なわけなのだが。
情報量の多さ、音の粒の微細さが私にはどうも上品すぎて、どう聴いてもジャズの熱気みたいなものが遠のいてしまうという感じが大きかった。ただこのTRC-15HPが持っているポテンシャルみたいな物は、アンプ側で聴いた瞬間から感じ取れるものだったので、この電源ケーブルは、躊躇無くCDP側で使用することに決定したというわけである。
さてアンプのSD05側で現在使っているのは、このアンプにはベスト・フィットとしか言いようのないカルダスのゴールデンパワーというケーブル。楽器から発せられたエネルギーみたいな物を見事に再生してくれるケーブルだと思う。楽器の音自体が実にリアルで、音に重みと厚みがある。ただし、このケーブルが持つ相反する弱みとして、音場情報の表現にやや欠けるところがあり、もう少し細かい音を聴かせて欲しいというところなどは苦手なケーブルではないかと思っている。この弱みを今回のCDP側へTRC-15HPを使うことで補ってやろうというのが目論見だった。
これが、見事に嵌った。スピーカーのオパスの配置は、左右約2.0mで、この左右のスピーカーの外側にまでしっかり音場が広がるようになった。また奥行き、高さといった定位感も言うこと無しの素晴らしさだ。音の密度を失わずに、まさに両ケーブルの良いところ取りになったと思う。カルダスの持っている音のメリットが損なわれずに、自分の思っていた音が出てくれているので、このところCDを聴くのが楽しくて仕方がない。特に気に入っているのは、スタジオの空気感の表現だ。例えばシンバルの鳴り方なのだが、スティックの打音、シンバル自身が発する響き、そして音が部屋の中へ散っていく有り様がまさに目に見えるなリアリティで出現する。同様にピアノのスケール(特にピアノ自体の唸り、言い換えるならその大きさ、重さ)みたいなものがしっかり眼前に広がる。楽器自体のエッジもシャープで、明確に聴き取れる。例えばベースの胴鳴りも捌弦の音とはしっかり分離して聴こえる。これはちょっと凄いことだ。低域関係で言えば、ベースの沈み込みとバスドラのズシンとくるアタック感は、筆舌に尽くしがたいものがある。
このところ調子に乗ってクラシックを聴いているのだが、コントラバスのピチカートの音の滞在時間の長さが過去一番。また各パートの分離、弦の質感など、オーケストラ自体の音色の差(録音の違い?)など、聴く盤聴く盤でお楽しみが満載なのが嬉しい。
ついつい音量を上げて聴き入ってしまうので家人に怒られるのも数え切れない。とは言いつつ、ボリュームを絞った状態でも、この良さが失われないという新たな発見(体験)もあって、電源回りは、取り敢えずこれで一段落なのかもしれない。