Sugarのちょっとお寄りなさいよ

ジャズ、クラシック、オーディオ、そしてコーヒーの話題をお届け

SD05~音の浸透力 Part1

2007年01月26日 | Audio

というわけで導入2日目で、音の方もどうにか「ウハ、ウハ」になってきました。そして最も安心したのが、このアンプへのアナログ入力。駄目駄目な音がするかと思いきや、想像していた以上にいい音が出始めています。素直に嬉しい。そう言えばハンコックさんのご自宅で、アナログ接続で聴いたSCD-1(ソニー)の音を思い出しました。あの柔らかい響きはなんとも僕の好みなんです。
今回50年代のモノラルのジャズをアナログ接続にして聴くと、とてもいい雰囲気が部屋に満たされます。これなら本当のアナログ・プレイヤーをイコライザー経由で接続して「死蔵になっているLP達」を鳴らすという楽しみもありかもしれません。
近年、自宅で音楽を聴くのがこれほど楽しかったことはありません。聴く盤どれもが音楽的に鳴ってくれています。逆に言えばオーディオ的にも「いい音」で鳴っているのでしょうけれど、それ以上に音楽に集中していなくてもその存在感がハッキリ感じられるような音がしています。逆説めきますが、今までは音楽を聴きながら本を読んでいたりすると、音質が気になってセッティングを触りたくなってしまい、読むのを中断してしまうなんてことはしょっちゅうありました。しかし今回それが全くないんです。安心して音楽に浸れるわけです。こうなると時間の進みがとても早くて、CD1枚はアッという間。「おい、おい、もうこんな時間なの?」というわけです。
さて、もう一つは以前と同じ音量で聴いているつもりだったのですが、買い物から帰って来たかみさんが「あなた、近所迷惑になるくらいの音がしてたわよ!」と怒鳴り込んできたこと。間違いなくボリュームは上げていないんですよ、その時は(爆)。これはこのSD05にしてからどうも「音の浸透力」が強まったとしか言いようのない事実があります。私も自宅(1階にステレオ)で2階に上がるときは音量を絞って行く(以前と全く同じ音量している。これは間違いない!)のですが、今までは2階ではまるで聴こえてこなかったんです。ところが音楽の核になる部分の音がしっかり聴こえるではないですか。まぁ、そういう経験を今回はしているので、そういうこともあるのかということで。ちょっとカルトチックではありますがご報告いたします。
というわけで、音量を下げてもこのアンプでは音が痩せないというのが判りました。音量を絞っても気持ちの良い音がして楽しいのです。この辺は「適正なボリューム位置がある」(石田さん曰く)このアンプの使いこなしとしてはまずいのかもしれませんが、いい音で聴こえちゃうのですから仕方がありません。ただし、ボリュームの位置が10時~11時というのは、やはり圧倒的な超美音に鳴りますけれど。
サウンドデザインのSD05と言うアンプは、本当に音楽的に鳴りますね。音楽好きには堪らないアンプかと思います。“さてCD何を聴こうかなぁ・・・”
ということでセンター定位を「キッチリ」と取る為に、プレスティッジの『ホエン・ファーマー・メット・グライス』を久々に聴きました。この盤は54年、55年録音でバン・ゲルダーによるモノラル。5曲目以降のトラック(アナログ盤だとB面)のアディソン・ファーマーのベースにちょっと感動です。こんなにいい演奏をしているとは。ファーマー(tp)もグライス(as)もフレディ・レッド(p)も「これって西海岸の演奏なの?」という軽さ。それをアディソンのベースがまさに屋台骨を支えるといった感じで弾いていて、このコントラストがとても堪らない演奏です。これも浸透力のあるベースが聴こえるようになったからでしょうか。


Feeling of Being~SD05その存在感の証明

2007年01月24日 | Audio
待望のサウンドデザイン社の旗艦アンプSD05が遂に我が家に到着いたしました。いやー、待った甲斐があったというものです。
逸る気持ちを押さえつつ試聴大会を挙行いたしました。 
一昨日の到着日は各種機器のセッティングも取り敢えずということで、まずはアナログ接続で聴きました。「あれれ??」という感じです。ちょっと付帯音が載ったような音で、ピントもぼけているではありませんか。こんな筈ではないのだ・・・。一方デジタル側での試聴は75Ωのデジタル・ケーブルを持っていなかったので、持っていたRCA同軸で接続し聴きました。アナログ接続より音のキレはあるものの(音圧も高いですね)、やっぱりイマイチでした。
どうして? どうしてなの? おせーーて」という感じでしょうか。しかし実際にデジタル接続でもアナログ接続でも、低域、高音域ともに間違いなく拡大しているのです。いわゆる帯域の伸張は明々白々なのです。今まで聴こえなかった音が聴こえてきます。この時点でさえもマランツ君の比でないことが確認できています。
では、この現象はいったい! どうしてなのか。
そうなんです。スピーカーのKEF君が今まで使ったことのない筋肉を使わされてビックリしている音なんですよ。ある種悲鳴を上げているという感じでしょうか。敢えてもう一つ言ってしまえば、私自身の耳も使わない筋肉を使わされているからなのではないでしょうかねぇ。スピーカー・ケーブルもまさに同様でしょう。これが本当のエージングなのです(僕自身は“アンチエージング”したいのですが:大爆)。
もちろんこんな筈じゃない!!ということで、試聴を続行して行きました。CDを取っ替え引っ替えにかけて行きます。そうするとどうでしょう、見る見るうちにピントが合って、付帯音(音の滲み)が消えていくではあーりませんか。調子に乗ってクラシックを聴いてみたら、今まで幾度となくSD05で聴いてきたお馴染みの音がするではありませんか。これなら明日には(実際には本日)もっと良くなるとの確信を得ました。一安心。一安心。
で、本日は秋葉原にすっ飛びましてデジタル・ケーブルを購入して参りました。2本購入したのですが、1本目はオヤイデのデジタル・ケーブルFTVS-510を使った「DR-510」という銀線で作られたもの。もう一本はアポジー社製のケーブルをラインに使った「WIDE EYE AD 75Ω TIPE」。こちらはとてもお安いケーブル。実はどちらも捨てがたいことが試聴によって明らかになりました。
  
まだまだエージングが必要ですが、銀線の方は、思っていたよりエッジの立つ音で、銀らしい音がします。必要以上にHi-Fi感を誇張するような音ですが、たぶん「オフ会の時には必需品になりそうなケーブル」と聴きました。基本的にはこのケーブルでステレオ全体のチューニングを行う予定です。このケーブル、使っていくうちに音が枯れていかないことを祈るのみです。
一方の安いデジタル・ケーブルは、アナログ接続よりも明らかに定位のピントが合いつつ、柔らかくしなやかな音がしています。この音は結構好きです。ジャズを聴くには合うのではないかなぁと。ただし最低域の雰囲気、例えばピアノのペダルを踏む音などというのは、銀線の低域の出方に明らかに負けています。同じようにシンバルのヌケも繊細ではありません。しかし、いかにもアナログ的な響きを感じさせるもので、私自身には好感触。実は、このケーブルの使いこなしに秘策が。これはまた改めて。

Seven Steps to Heaven:マイケル・ブレッカー死去

2007年01月14日 | Jazz

テナー・サックス奏者で数多くのグラミー賞受賞でも知られるマイケル・ブレッカーが2007年1月13日ニューヨークの病院にて白血病の為逝去した。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/01/13/AR2007011301092.html

僕らの世代のサックス・アイドルと言えば、そう、マイケル、君なんだよ。
白血病でダウンした時から、とても危惧していたとはいえ、風聞では、かなり良くなって、すでに退院しているということも聞いていたから、この急報にはビックリしてしまったんだ。
まだ57歳じゃないか。そんなに死に急ぐ話しじゃないだろうに。
まだやりたいことだってあったんじゃないかい。
僕は、今日、Impulseの『マイケル・ブレッカー』をじっくり聴くよ。
さようなら、そして天国で、ジャズ・グレートに会ってジャム・セッションに加わって、皆を驚かせてやってくれ。

マネージャーのダリル・ピットによれば、遺作となるアルバム(タイトル未定)には、パット・メセニー、ハービー・ハンコック、ジャック・デジョネット、ブラッド・メルドーといったアーチストが、マイケル激励の為に参加しているという。「僅か3週間前(2週間に訂正)に完成したばかり」であった。

 


人の振り見て我が振り直せ~セッティング

2007年01月11日 | Audio
先日は、CDプレイヤー上の重しを外したことで音の「ヌケ」がよくなったのに味を占めて、遂にアンプ、CDプレイヤーなどを移動した。今まではスピーカーセンターの後ろにラックを置き、これらの機器をこのラックに入れて聴いていたのです。うーん、普通ですね。
今日からはオーディオ評論家諸氏や熱心なオーディオ・フリークの方が取り入れているリスニングポイント前にアンプなどの機器を置くというセッティングに変更しました。部屋の掃除と機器の掃除も兼ねて「よっこらしょ!」状態で移動を開始。しかし、一つ動かすと別の所が気になって掃除を始めるということの繰り返しなので、なかなか初期の目的である定位置にアンプ君らが移動できない。まぁ、これこそ、オーディオの別の意味での楽しみともいえるかも知れません。結構片づかないのはご愛敬です。
まぁ、そんなことをしていると、RCAのケーブル(なんとアキュフェーズ製や日立ケーブルのOFC線などが見つかり、これが結構いい音するのでビックリ)を何本も見つけるは、デマグネタイザー(2種類:一つは、テープデッキ用、もう一つはMCカートリッジ用)が出てくるは、大量のインシュレーターが出てくるなど、昔取った杵柄的にごろごろと出現した。天は我を見放さなかった(タップリ遊べそうなので嬉しい?!)。
すでにこのリスニング・ポイント前セッティングは、GRFさんや、サウンドデザインの石田さんあたりからも口が酸っぱくなるほどに「これが一番良いんですから」とは言われていたもの。しかしなかなか踏ん切りが付かないのだ。なんせ移動するということは、全部動かすに等しい。しかし、やってみて今まで聴いていたステレオの音は、音のノビがなく、いかに実体感に乏しい音であったことが、よく分かる。まさに閉塞感のある音なのだ。単に鳴っていた、鳴っているというだけの音。猛反省しきり。
音楽が伸びやかに鳴るというのは、こういうことを言うのだと誰にでも一聴にして理解出来る音になった。サウンドデザインの試聴会やホールでのコンサート、そして自分も参加して行ったレコードコンサートなど、何度も足を運んで聴いていた音である筈なのに。自宅で、今まで聴いていた音の情けなさに涙、涙。奥さんが一言「うるさくなくなったわねぇ」。す、す、鋭い。今までのボリューム位置よりかなりあげていてもなのである。
それにしてもちょっと怖いのである。このセッティングは、音場がやたらに深い。
因みにアンプ君がいるところは、シャギーカーペットの上に、例のキャンドル立て(ガラス製重量あり)4つを敷き、その上に13kgあるRASKのインシュレーターボードを置いて2段重ねにしただけなのだ。まだコリアンインシュレーターなども入れていない状態だし、スピーカーを含めてちゃんとしたセッティングをしていない状態でもこうなのだ。この奥行き表現には、思わず「これってありなの?」と呻いてしまった。楽器とマイクから距離がしっかり見えるような音像を結ぶ。す、す、凄いぞ。
というわけで、RCAケーブル、電源ケーブル、スピーカー・ケーブルの取っ替え引っ替えが超楽になった。明日からは、詰めの作業に入ろう。楽しみ、楽しみ。
今日の試聴盤は、チック・コリアの『ランデブー・イン・ニューヨーク』。チックの生誕60周年と芸歴40周年を記念して、2001年にNYの『ブルーノート』で行なわれたライブのハイライトを収録したもの。書きたいことは山ほどある作品だが、三つだけ。一つは、アビシャイ・コーエンを初めて聴いた盤。凄いなぁ、大したことをやっていないようのに聴こえるけれど、彼のベースには説得力がある。好きなパティトゥッチでさえ、論外であるとこの盤では聴こえる。「速く弾けば良いってモンじゃない」のを実感した。もう一つはロイ・ヘインズのドラミング。このCDを聴き終えてまた戻って彼の演奏を聴いたが、「これぞ、ジャズ・ドラミング」だと心底思った。心憎いタイミング。綺麗な譜割りで叩いていないけれど、これぞ、ジャズ。ダテに第一線で生き抜いてきていないことを僕らに示してくれる。これは凄い。バスドラも凄い。
もう一つ、オーディオ的に。この盤はハイブリットで、CDもSACDも聴けるわけだが(5.1chも聴けるが家では無理)、録音はクラブのエンジニアがやっていると書いてある。これはいいのだが、バーニー・カーシュがミックスをしている。これでまたもや巨大ピアノを聴かされる羽目に。これがけっこう辛い。そんなに左右にピアノを振ってどうするの?というのが本当に残念。それにしても手元にあるのは、輸入盤でチャカ・カーンが聴けないのが悔しい。でもたぶん日本盤は音が駄目なのだろうなぁ。ライブで、こういう音のピアノが聴けるのは、素晴らしい。加工臭はやはりあるけれど、ヤマハが米国だといい音がするという典型的見本のような音。なお、大好きなクリスチャンやエディのベースについて触れないのは、ご想像にお任せする。
PS
そう言えばこのライブは映像もあるはず。見たいなぁ。DVDで何枚になるの?