菅井の東工大ブログ

東工大工学部に長岡高専から編入した菅井直人のブログ。そして博士3年に。

ちょっとご報告

2012-07-26 20:57:29 | 東工大生活
イリノイ大学でお手伝いした仕事の論文が公開されました。
力を加えることで、高分子から酸を放出させるという、
最近注目を集めているメカノケミストリーの最新の研究成果です。
菅井は3rd authorとして名前を載せて頂きました。本当に有難いことです。
論文情報と公開ページは以下の通りです。
Proton-Coupled Mechanochemical Transduction: A Mechanogenerated Acid
Charles E. Diesendruck, Brian D. Steinberg, Naoto Sugai, Meredith N. Silberstein,
Nancy R. Sottos, Scott R. White, Paul V. Braun, and Jeffrey S. Moore*
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja305645x

先日、Macro Lettersに掲載された論文以上に、この論文を「見たよ!」と
お声掛け頂きました。うーむ。これがMooreパワーなのか。

東工大とは違う材料開発の研究に携わり、さらに多研究室間のコラボという
いつもと異なる研究が一つの研究が論文になっていく様子を間近に見ることができ、
ものすごく良い経験となりました。

この論文に掲載されていない実験もいろいろと試行錯誤しており、
中には「この実験がうまくいったらNatureに投稿だ!」なんて言いながらやった実験もありました。
(うまくいかなかったのですが…)
新しい現象をどう証明するか、どう応用するか、論文としていかにアピールするか、
一つ一つが勉強となりました。

また、あっという間に原稿が完成してしまい、やっぱり英語がすらすら書けるのは
実に羨ましいことだなあと改めて痛感した次第です。
手前味噌?かもしれませんが、面白い論文です。

誕生日ブラックサンダー

2012-07-16 15:44:38 | 東工大生活
手塚研で誕生日が来ると、大量の何かをプレゼントします。
(菅井が首謀者となって毎回いたずら半分にプレゼントしているのですが)
過去の例ではスナック菓子を大量にプレゼントしています(こちら)。

先日、手塚研K村氏が誕生日だったため
チョコ菓子ブラックサンダーを2箱買ってきて
彼が席を離れた隙に机の上にばらまきました。
iPhoneケースの隙間にもしっかり。
その様子が冒頭の写真です。

偶然、研究室見学に来ていた学部1年生に
ハッピーバースデーの歌を一緒に歌って貰い、
K村氏はめちゃめちゃ恥ずかしがっておりました。

「健康に配慮して1日1個のペースで食べる」だそうです。

1週間に2報

2012-07-08 00:18:10 | 東工大生活
菅井の新しい論文が、受理&公開されました。
高分子に環状構造を導入することで、「高分子主鎖の方向を制御する」という論文です。
この概念を元に、何か新しい・面白い現象を創出したいと考えています。
論文情報と公開ページは以下の通りです。
Synthesis of Orientationally Isomeric Cyclic Stereoblock Polylactides with
Head-to-Head and Head-to-Tail Linkages of the Enantiomeric Segments
Naoto Sugai, Takuya Yamamoto*, and Yasuyuki Tezuka*
http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/mz300086v

実験自体はイリノイ大学に行く前に終わらせていたのですが、
アメリカにいる菅井と日本の先生方との間で文章・データをやり取りをしていたので
なかなか作業が進まず、顔を突き合わせての作業の効率の良さを痛感しました。

さらに投稿後に、査読を行ったレフェリーから追加実験を要望するコメントがありました。
追加実験&論文改訂に与えられた時間は2カ月でしたが、
実際に実験に取り掛かれたのはアメリカから帰国した後からなので、
約1か月で実験と論文改訂を行いました。
締め切りまで間に合うかちょっとドキドキしていたのですが、
無事改訂投稿までに追加実験を完了させることができました。

菅井がアメリカにいた関係上、先生方には大変なご迷惑・ご不便をおかけしましたが
無事に受理されて何より、といったところです。


朗報は続きます。
イリノイ大学では、自分に与えられたテーマの他に
ポスドクの研究をお手伝いしていたのですが、
その研究がJACSに無事受理されたとの連絡が届きました。

菅井はthird authorとして名前を載せて頂きました。
訪問研究員という立場でしたが、貢献を認めて頂いて
こうして豪華メンバーの論文に名を連ねることができ、本当に感謝・光栄です。
Mooreグループで一緒に研究していた、ということが形として残ることも嬉しいです。

一緒に研究していたポスドク(彼がこの論文のfirst author)から、
「1週間に2報も論文が出たじゃないか。この調子で研究を続ければ、
 ノーベル賞はお前のものだ」
というメールが届きました。
うーん。この欧米ジョークセンスが欲しい。