すこし話が遅くなってしまいましたが、
事業仕分けの話です。
カタイ話の上に、長くなってしまったのですが、
気が向いた方だけでもぜひ。
仕分けの背景にはお金の問題だけでなく
政治的駆け引きなど様々な要因があるそうなので、
判定の可否を評価することは差し控えたいと思います。
その中でも感じたことを少し。
スパコンの問題が大きく取り上げられましたが、
他にも若手研究者養成システム・spring-8・
G-COE関連予算などが縮減と判定されていました。
ブログやTwitterといったネットの科学コミュニティでも
かなりの
反響を呼んでいました。
仕分け人や財務省への批判だけでなく、
これまで科学者が社会へ研究内容やその魅力を伝えることを
怠っていたのではないか…。様々な意見を見かけました。
しかしながら、学内では仕分け問題に興味を持つ
学生が少なかったように感じました。
教員でも何が仕分けられたか知らない方がいました。
有機・高分子物質専攻だけの影響を考えてみても、
若手研究者・G-COE予算の減額に留まらず、
実際にspring-8で測定を行っている研究室もあるほどで、
他人事ではないのに関わらずです。
一方で、ネット上の様々なコメントを見てみると
「スパコンで何ができるんだよ」とか
「費用対効果はあるのか」という意見を見かけました。
どちらも、ネットでちょっと検索すれば手に入る情報です。
でも、知ろうとしない。
科学技術業界と一般の社会との間に
溝が生じているように感じました。
この事を機に、科学者の在り方、
特に一般の方へ 研究内容を伝える
重要性を改めて痛感しました。
科学技術、特にに最先端の研究になると、
同じような分野の人でも理解しにくいほど高度な
研究になってしまうことがあります。
それでも、これからの科学者には
一般の方の理解・関心を深めるためにも
研究をわかりやすく伝えることが
重要になるのでは、と思います。
それが結果的に科学の発展に繋がるのでは、と。
また、科学業界に身を置く学生自身も
社会の動向を知らないでは済まされません。
まあ、当たり前の話ではあるのですが、
就職活動のために世の中の動きを知る
ってのも寂しい話なわけで。
そして、ノーベル賞受賞者らによる緊急アピールは
スポーツ新聞でさえも大きく取り上げていましたし、
「科学技術立国」という言葉を新聞上でも
ネット上でもよく見掛け、科学への期待が
潰えたわけではないということも感じました。
とにかく、科学業界と一般社会の間で
一層の相互理解を進めねばならないのでは
ないでしょうか。
個人的には、まだまだ手探りですが、
高分子研究に携わる者として
その面白さを一般の方、そして科学業界の方に
基礎から応用まで伝えていきたいと考えています。