犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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春は苦み

2021年03月06日 | たべもののみもの
系統だったものは6割くらいの人に効能する。
という法則が、何につけ使える。
それこそ、6割くらいは。

6割の6割なので、3割6分である。
何かの法則が自分に当てはまるのは、3分の1くらいの確率なのか。

そんな計算上のことよりも、
しっかり観察して実態に則した考察と判断をしたほうが良いではないか。
いやいや、それは手間だし、観察も考察も判断も個人の能力差が有る、
だから法則を作ってそこに当てはめるのだ。

まとめ。
観察できる人はまず観察すること。
法則を知ることもまあまあ使えるけれど、
先入観になってしまわないように注意して運用する必要が有る。



雑に「東洋医学」などと呼ばれる、
鍼灸の技術は、中国古典医学と一緒に発展してきた。
その古典医学は、中国の古典思想とまた切っても切れない。

陰陽二元論と、五行説が組み合わされ、
さらに6という数字も取り入れられて、整然と構成されている。

整然としちゃおしまいだ。
と、思う。
人間という複雑な系を解き明かしたい。
その一心で系統立てたのだろうけれど、
数ありきで整理しちゃまずいだろう。

しかしまあ、既定の数字に押し込めてしまう前には
観察が有ったわけで、納得いく部分も多い。

多い。と言って、6割くらい。ってことか。



なんでも五行にあてはめる。
木火土金水、という基本的な要素に、
様々な現象を整理して当てはめる。

五臓六腑から始まって、人の精神状態、音階、色、
虫、動物、家畜、穀物、果物、金属などなど。

木は肝、火は心、土は脾、金は肺、水は腎。
解剖学的な肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓とそれぞれ機能は異なる。
ずーっと後の世になって解剖をした時に、五臓の名前を転用しちゃったのだ。

木は青、火は赤、土は黄、金は白、水は黒。

季節は四季だろうと思うと、「土用」という中間の存在をねじ込んで辻褄を合わせてくる。
木は春、火は夏、土は土用、金は秋、水は冬。

青春、とは五行の色と季節の組み合わせによる言葉だ。
北原白秋、なんてな具合に名乗りにしている人もいますな。
詩人はこういう表現が好きなんでしょうか。
ジャン・コクトーも「黒冬」の音読みからの名乗りだそうな。
嘘です。
朱夏、玄冬と言う。



味も五つに分ける。
木は酸、火は苦、土は甘、金は辛、水は塩。

ふーん?

この組み合わせになっているのには、
古代からの観察による積み重ねが有るのだろう。
木火土金水には、お互いに助けたり制したりという関係性が想定されている。
他の要素との関わりも考え抜かれている。
複雑な根拠が有るのだろう。

とは言え
春は苦みだよ。
苦いよ苦いよ。

庭にふきのとうがニョキニョキ出てきている。
開くか開かないかのうちに、採る。
ジャンジャン採る。

揚げれば苦みは飛ぶけれど、
揚げずに蕗味噌なんかにすると、独特の苦みと香りが有る。

近所の幼なじみMが、菜の花をくれた。
これも苦い。
うまい。

地元深大寺が、今年はだるま市を開催した。
例年ほどではないが、人出が有った。
草餅を買った。
これもけっこう苦みが有った。

冬の間にこらえてこらえて、苦みがたまるのだろうか。



有名なフランス料理のシェフが、you tubeチャンネルをやっている。
毎回、簡単レシピを紹介している。

トマトを使った料理の時に、五味の説明をしていた。
甘味、塩味、酸味、苦味、旨味が
料理における五味である。

どうもこの頃「甘味」「苦味」「旨味」などと表記するようだが、
これはどうもおかしい。
という話は逸れるので、明日以降にあらためて。

「鶏肉を焼くとバズるんです。」
と言って、骨付き肉の皮をカリカリに焼いている。
たしかにこの映像は食欲をそそる。

ちょうど私も鶏肉を焼いた。
スキレットを買うのをやめ、家になぜか二枚あるすき焼き鍋を使う。
そしてすき焼き鍋を掴む専用の道具が有ったはずなのに見当たらないので、
ペンチで掴んでいる。
重い。

せっかくバズるはずのものを焼いたのに、
皮面を下にして写真を撮ってしまった。アホ

左は菜の花と卵。
花の咲いてないものだったけれど、卵がまるで花のように黄色い。

春だ。
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