犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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飯田隆指揮フィルハーモニア・エテルナ夏季演奏会2015

2015年06月07日 | なりもの
以前世話になった人が、オーケストラの指揮をすると言うので、飛んで行った。

中学高校が一貫教育で、その間はオーケストラでトロンボーンを吹くのが
学校生活の中心だった。
学校なんて大嫌いだったが、オケがあるから行っていた。
卒業式の翌日から、練習に顔を出した。
そのまま居着いて、数年後からはコーチとして参加した。

先生を中心に、卒業生である私がいて、その他に、ある卒業生の伝手で
若い演奏家たちがトレーナーとして通って来てくれていた。
その中の筆頭だったのが飯田君だ。

バイオリンのコーチとして来てくれた。
その頃はもう音大生だったのかな。
私の記憶などあやふやなので、プログラムに掲載されているプロフィールを
確認してみる。
商学部を卒業してから桐朋のカレッジ・ディプロマコースに進学。
それがどういうコースだか知らんけれど、
その頃から指揮を勉強し、バイオリン科を出た後にビオラに転向している。
ほお。おっさんは紆余曲折を経た人を、好きだよ。

さて、古馴染みの飯田君が付き合いの長いオケの指揮をすると言う。
楽しみにしていた割に私は1本電車を逃して、数分遅刻した。

オーケストラのコンサートと言うと、プログラムの構成には型がある。
前プロ・中プロ・メインなんて呼んで、
数分の小品と20分くらいの作品をやって休憩を挟んで交響曲をやる、
というのがパターンだ。
前プロが終わったところで扉を開いて、遅刻者を会場の中に入れる意味も
あるのだ、と以前聞いたことがある。

今回のチラシによれば、シベリウスの「レンミンカイネンの帰郷」と「エン・サガ」、
それにベートーベンの交響曲第7番ということだから、
ちょっと楽しみにしていた「レンミンカイネン…」を見そびれたかな、と
思って会場に着いた。

扉の係のニイちゃんが他の遅刻者に案内しているのが聞こえた。
「一楽章が終わったらお入りいただけます」
はあ?なんか間違ってないか?
と思ったが、ロビーにあるスピーカーからは、ほがらかに
ほがらかなベートーベンが聴こえてくる。

プログラムを開いた。
ベートーベン(約40分)
―休憩―
「エン・サガ」(約20分)
「レンミンカイネンの帰郷」(約6分)
とある。

洒落たことをしやがる。フン。

一楽章が終わって、3階席のすみっこにとりあえず座った。
ベートーベンの7番は楽しい。
いろんな思い出も同時に脳裏をめぐりめぐる。

休憩中に、2階席の下手側のバルコニー席の一番前に移動した。
指揮者の顔と左手の表情が見たかったからだ。

飯田君あいかわらず痩せているな、煙草は今も吸ってるのかな、
もっと呼吸をすると良いだろうにな、何食っても太らないんだろうな、
などと余計なことを考えながら、鑑賞。

指揮者のブレスがはっきり聞こえる。
力強い場面も良いが、痩躯は力むと折れてしまいそうな気さえする。
かわりに、おさえておさえてpianoで演奏する場面の中での、
抑制されたアクセントの表現などが良かった。
やわらかな場面では指先は滑らかに動く。
さすがいろんな恋愛してきただけのことはあるね、と
知りもしないのにオヤジくさい感想を抱いたりしつつ。

演奏表現は、そんな緻密な指揮のおかげで、良かった。
アンコールはシベリウスの「フィンランディア」(10数分かな)だった。

飯田君は今、大阪に住んで活動している。
また都内に来ることがあったら、冷やかし…じゃない、演奏を楽しみたい。

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