犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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プログラム

2015年06月08日 | 日々
[あらすじ] オケでお世話になった飯田君の指揮を見てきた。

オーケストラのサウンドは大好きだが、
何を聴いていても、以前自分が生活を賭けてやっていたオケのことが
思い出されてしまう。
演奏会は音楽として楽しいのだけれど、一方、内心では
約1時間半も走馬灯が回り続けるのがしんどいな。

指揮者の先生にとっても、私にとっても、オケは生き甲斐だった。
が、一年契約でのんびり勤めていた先生が6年前に雇い止めとなり、
その後、私も突然解雇されるような形でコーチをやめた。
「5月いっぱいということにしてくれないか」と言われたのが
5月30日だった。ちょうどこんな季節のことだ。

私はその1年前に、なにやら人生の転機をむかえて、
鍼灸学校に入っていた。
だから、オケ中心の生活ではなくなっていたので、
精神的な打撃は先生よりは小さくて済んだと思う。

その時にも、特によく来てくれていたトレーナー数人が
壮行会を催してくれた。
みんなで飯田君の車に乗って店に向かった。
車内で、クラシックを替え歌で歌う、上海太郎公司Bの『Bravissimo I』を聴いた。
ここで2つめの動機が入るのも原曲どおり、なんて飯田君の解説入りで
みんな感心しつつ大笑いしたものだ。

今回のプログラムの曲は、全曲、私も演奏したことのあるものだった。
ベートーベンの7番はたぶん、先生が指揮していた小さな市民オケでのことだ。
当時はトロンボーンだったが、曲にトロンボーンなど無いので、
ティンパニを担当した。
小さなオケのこと、楽器など無いから打楽器メンバーもいない。
ティンパニは、同じ市のブラスバンドから借りていた。

「エン・サガ」の時はチューバを吹いたような気がする。
いや、生徒が吹いていた頃だろうか。記憶がさだかでない。
「レンミンカイネンの帰郷」は、トロンボーンの2番で参加した。
聴いていて思い出したが、たぶん、その何年か後にアンコールか何かで
とりあげ、その時はチューバを吹いた気がする。
とにかく記憶がおぼろだが、聴いていると吹き心地を思い出す。
ただ、あまりにも記憶が曖昧なので、ほんとうに吹いたのか、
指導する中で胸に刻まれたのか、わからない。

そんな具合に、演奏経験のある曲ばかりだったことも作用して、
代々の後輩の顔が脳裏を去来する。
飯田君の左手に集中しようとしても、
ピッコロの音で当時の生徒の顔が浮かんだり、
ファゴットの二人が浮かんだり、
ビオラの生徒たちの後頭部が浮かんだり、
打楽器の子が浮かんだり、
金管の後輩たちの様々な表情が浮かんだり、
消えたり、浮かんだり、消えたり。

音楽というのは、ただでも感情に直接訴える不思議な芸術である。
音楽によって高揚したり、感涙したり。
他の芸術と違って、理屈抜きに胸を揺さぶる。
その上、内心でこんなに思い出が巡るのでは、
たまったもんじゃない。

どうも純粋にオーケストラを楽しむには、もう少し時間が必要そうだ。

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