犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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ぱちんぱちん

2022年11月20日 | うつろい
ほぼ毎日、東側のお隣から
「ぱちん、ぱちん、」と
植木鋏を使う音が聞こえてくる。

切った木から枝を外しているのだろう。

そうして、細い枝はゴミに出し、
普通のゴミとしては回収してもらえないような太いものは、
ウチにくれる。
我が家は薪ストーブを使うので、大歓迎である。

とにかく毎日、鋏の音が聞こえてくる。
70歳くらいの女性である。
毎日あんなに切って、手は痛くならないのか。



玄関先で、伐った庭木をチェーンソーで薪に作っていたら、
「こんにちは」と声が掛かった。
北側のお隣の奥さんだ。
最近、ご夫君が年取って、家から自由に出歩けなくなった様子だ。
寒くなってきて、お互いに窓を閉めるようになったので、
この頃はあまり声は聞こえてこない。

「柿を貰ってくれない?」
あー。今年はどこも柿はよく生ったようですね。
ウチもたくさん穫れて。
でもせっかくだから少しいただこうかな?

実際、今年もデカい柿がたくさん穫れて、
せっせと食べてやっと残り3個まで減らしたところだった。
しかし、とっしょりがわざわざ来たものを無碍に帰すでもない。

付いて行ってみると、物置の中にゴロゴロと置いてあった。
「少し」と言ったが、ポリ袋の中に十何個か入れてくれた。
「ウチも食べる人がいないから。」と言う。
そんなこと言ったら、ウチのほうが食べる人なんか私一人なのだが。

いただきます。

ウチの柿より甘い。



南隣の敷地に張り出している桃の木を伐っていたら、
「こんにちは」と声がした。
東隣の’おばあちゃん’であった。
手にいくつも、橙色の実を持っている。
「やっと食べられるくらい甘くなってきたから。」

ひょええ。また柿だろうか。
そう思って近付いてみると、みかんだった。
「私すっぱいの全然ダメなの。」と言う。
私は酸っぱいのが大好きだ。

いただきます。



ついでに、今度、三脚脚立を貸してください、とお願いしてみた。
「どうぞ、いつでも。」
この木を伐ろうと思うんです。
「ウチの側に立てたほうがいいわね。」
ありがとうございます。そうさせてもらいます。

そこから、お隣さんの敷地の木の話になった。
生産緑地なので、果樹を残して、花ばかりの木は切っているというわけなのだ。
「あの木はクルミなんだけど、植木屋さんに切ってもらったら、
それ以来、実を付けなくなっちゃって。」
ええっ、実の生らないクルミなんて、ただの木ですね。
「葉の柄が長くて強くて。ゴミ袋に入れると穴があいちゃうのよ。」
ほほーう。

毎日ぱちぱちと鋏の音が聞こえて。
「最初はたいへんだったけど、
慣れてくるともう腱鞘炎なんかならないのよ。」
へええ。そういうもんですか。そりゃ心強い。

私はまだ、根を詰めて作業すると手が痛くなる。
腱鞘炎にはならなくなった。
これも、腰痛同様、サーノ理論のおかげである。

お隣さんが腱鞘炎にならなくなったのは、
「慣れ」のおかげなのだろうか。
中年という責任世代の頃は、やはり腰痛だの腱鞘炎だのが起こりやすく、
高齢になるにつれ、気持ちが隠居して、痛まなくなってきた、
ということも有るかもしれない。

とにかく、たくさん作業することで、
水膨れや豆ができたり、疲れたり筋肉痛になったりすることは有るけれど、
腱鞘炎になることは無い。そんなふうに病む必要は無い。



三脚脚立を借りて、やたらに高く育っているチャンチンをこの冬のうちに伐れば、
懸念している木の作業が一通り終わる。
もうひと頑張りだ。
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