ほぼ毎日、東側のお隣から
「ぱちん、ぱちん、」と
植木鋏を使う音が聞こえてくる。
切った木から枝を外しているのだろう。
そうして、細い枝はゴミに出し、
普通のゴミとしては回収してもらえないような太いものは、
ウチにくれる。
我が家は薪ストーブを使うので、大歓迎である。
とにかく毎日、鋏の音が聞こえてくる。
70歳くらいの女性である。
毎日あんなに切って、手は痛くならないのか。
※
玄関先で、伐った庭木をチェーンソーで薪に作っていたら、
「こんにちは」と声が掛かった。
北側のお隣の奥さんだ。
最近、ご夫君が年取って、家から自由に出歩けなくなった様子だ。
寒くなってきて、お互いに窓を閉めるようになったので、
この頃はあまり声は聞こえてこない。
「柿を貰ってくれない?」
あー。今年はどこも柿はよく生ったようですね。
ウチもたくさん穫れて。
でもせっかくだから少しいただこうかな?
実際、今年もデカい柿がたくさん穫れて、
せっせと食べてやっと残り3個まで減らしたところだった。
しかし、とっしょりがわざわざ来たものを無碍に帰すでもない。
付いて行ってみると、物置の中にゴロゴロと置いてあった。
「少し」と言ったが、ポリ袋の中に十何個か入れてくれた。
「ウチも食べる人がいないから。」と言う。
そんなこと言ったら、ウチのほうが食べる人なんか私一人なのだが。
いただきます。
ウチの柿より甘い。
※
南隣の敷地に張り出している桃の木を伐っていたら、
「こんにちは」と声がした。
東隣の’おばあちゃん’であった。
手にいくつも、橙色の実を持っている。
「やっと食べられるくらい甘くなってきたから。」
ひょええ。また柿だろうか。
そう思って近付いてみると、みかんだった。
「私すっぱいの全然ダメなの。」と言う。
私は酸っぱいのが大好きだ。
いただきます。
※
ついでに、今度、三脚脚立を貸してください、とお願いしてみた。
「どうぞ、いつでも。」
この木を伐ろうと思うんです。
「ウチの側に立てたほうがいいわね。」
ありがとうございます。そうさせてもらいます。
そこから、お隣さんの敷地の木の話になった。
生産緑地なので、果樹を残して、花ばかりの木は切っているというわけなのだ。
「あの木はクルミなんだけど、植木屋さんに切ってもらったら、
それ以来、実を付けなくなっちゃって。」
ええっ、実の生らないクルミなんて、ただの木ですね。
「葉の柄が長くて強くて。ゴミ袋に入れると穴があいちゃうのよ。」
ほほーう。
毎日ぱちぱちと鋏の音が聞こえて。
「最初はたいへんだったけど、
慣れてくるともう腱鞘炎なんかならないのよ。」
へええ。そういうもんですか。そりゃ心強い。
私はまだ、根を詰めて作業すると手が痛くなる。
腱鞘炎にはならなくなった。
これも、腰痛同様、サーノ理論のおかげである。
お隣さんが腱鞘炎にならなくなったのは、
「慣れ」のおかげなのだろうか。
中年という責任世代の頃は、やはり腰痛だの腱鞘炎だのが起こりやすく、
高齢になるにつれ、気持ちが隠居して、痛まなくなってきた、
ということも有るかもしれない。
とにかく、たくさん作業することで、
水膨れや豆ができたり、疲れたり筋肉痛になったりすることは有るけれど、
腱鞘炎になることは無い。そんなふうに病む必要は無い。
※
三脚脚立を借りて、やたらに高く育っているチャンチンをこの冬のうちに伐れば、
懸念している木の作業が一通り終わる。
もうひと頑張りだ。
「ぱちん、ぱちん、」と
植木鋏を使う音が聞こえてくる。
切った木から枝を外しているのだろう。
そうして、細い枝はゴミに出し、
普通のゴミとしては回収してもらえないような太いものは、
ウチにくれる。
我が家は薪ストーブを使うので、大歓迎である。
とにかく毎日、鋏の音が聞こえてくる。
70歳くらいの女性である。
毎日あんなに切って、手は痛くならないのか。
※
玄関先で、伐った庭木をチェーンソーで薪に作っていたら、
「こんにちは」と声が掛かった。
北側のお隣の奥さんだ。
最近、ご夫君が年取って、家から自由に出歩けなくなった様子だ。
寒くなってきて、お互いに窓を閉めるようになったので、
この頃はあまり声は聞こえてこない。
「柿を貰ってくれない?」
あー。今年はどこも柿はよく生ったようですね。
ウチもたくさん穫れて。
でもせっかくだから少しいただこうかな?
実際、今年もデカい柿がたくさん穫れて、
せっせと食べてやっと残り3個まで減らしたところだった。
しかし、とっしょりがわざわざ来たものを無碍に帰すでもない。
付いて行ってみると、物置の中にゴロゴロと置いてあった。
「少し」と言ったが、ポリ袋の中に十何個か入れてくれた。
「ウチも食べる人がいないから。」と言う。
そんなこと言ったら、ウチのほうが食べる人なんか私一人なのだが。
いただきます。
ウチの柿より甘い。
※
南隣の敷地に張り出している桃の木を伐っていたら、
「こんにちは」と声がした。
東隣の’おばあちゃん’であった。
手にいくつも、橙色の実を持っている。
「やっと食べられるくらい甘くなってきたから。」
ひょええ。また柿だろうか。
そう思って近付いてみると、みかんだった。
「私すっぱいの全然ダメなの。」と言う。
私は酸っぱいのが大好きだ。
いただきます。
※
ついでに、今度、三脚脚立を貸してください、とお願いしてみた。
「どうぞ、いつでも。」
この木を伐ろうと思うんです。
「ウチの側に立てたほうがいいわね。」
ありがとうございます。そうさせてもらいます。
そこから、お隣さんの敷地の木の話になった。
生産緑地なので、果樹を残して、花ばかりの木は切っているというわけなのだ。
「あの木はクルミなんだけど、植木屋さんに切ってもらったら、
それ以来、実を付けなくなっちゃって。」
ええっ、実の生らないクルミなんて、ただの木ですね。
「葉の柄が長くて強くて。ゴミ袋に入れると穴があいちゃうのよ。」
ほほーう。
毎日ぱちぱちと鋏の音が聞こえて。
「最初はたいへんだったけど、
慣れてくるともう腱鞘炎なんかならないのよ。」
へええ。そういうもんですか。そりゃ心強い。
私はまだ、根を詰めて作業すると手が痛くなる。
腱鞘炎にはならなくなった。
これも、腰痛同様、サーノ理論のおかげである。
お隣さんが腱鞘炎にならなくなったのは、
「慣れ」のおかげなのだろうか。
中年という責任世代の頃は、やはり腰痛だの腱鞘炎だのが起こりやすく、
高齢になるにつれ、気持ちが隠居して、痛まなくなってきた、
ということも有るかもしれない。
とにかく、たくさん作業することで、
水膨れや豆ができたり、疲れたり筋肉痛になったりすることは有るけれど、
腱鞘炎になることは無い。そんなふうに病む必要は無い。
※
三脚脚立を借りて、やたらに高く育っているチャンチンをこの冬のうちに伐れば、
懸念している木の作業が一通り終わる。
もうひと頑張りだ。
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