バテリー

実に、マキタのハンディクリーナーを愛用している。

ハンディであるから、小柄だ。
軽く持てる、ということを大事にしているので、容量は小さい。
細かい塵と犬の毛でも、集まればすぐに一杯になる。
毎日の普通の掃除なら、２、３日分は貯められるかもしれない。
それくらいでいいのだ。
クズを貯め込んで良いことなど、特に無い。

３時間くらいで充電できる。
その分、もってせいぜい20分くらいだ。
それくらいで良い。
家中に掃除機をかけて、20分以上かかるような豪邸でもない。

ただ、どこかを徹底的に掃除する日は、一日に二度は充電している。
集まったクズを３回捨てる日も有る。

私の使っているのは、ニッカド電池を使った旧型の物である。
最近の機種はリチウムイオン電池を使っていて、容量も大きくなっている。
それに、充電サイン灯も付いて、便利だ。いいなー。

※

充電がもたない。
稼働20分、充電３時間。

機械の話ではなくて、自分自身の話だ。
いや、ちと大袈裟か。

とは言え、
一人で根を詰めて作業すると、１時間で休憩したくなる。
いちいち休憩というのでもないので、１時間づつ別の作業をする。
そうやって、もたせている。

※

煙草を吸っていた頃は、煙草で休憩していた。
吸わなくなって20年は経つが、喫煙者と話していると、思い出す。
煙草をやめた頃、どうやって休憩して良いか、分からなくなった。

道端に腰を下ろして、煙草を吸っていれば、「煙草を吸っている人」に見えるが、
ただ道端に座っていると、なんだかちょっとおかしな人にも見えかねない。
それに、ひと休みするだけの時間、じっと座っているのも手持ち無沙汰だ。
どれくらい休んだら「さて」と腰を上げるのか、そのタイミングも計れない。

その一本を取り出して、火をつけて、ふかして、
煙の行方なんか眺めたりして、ふーっと吐息をついて、
吸い終わったら「やれやれ」と立ち上がる。
そういう一連の行動がパッケージになっているのが煙草だ。
きりよくほどよく休憩しやすい。

※

稼働１時間、充電15分。
日中はこれくらいかな。