犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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モノアラガイとサカマキガイ

2020年07月21日 | イキモノタチ
[あらすじ] 多摩丘陵のどこぞの谷戸や田でドジョウやオタマジャクシを掬ってきたよ。

水槽の中には、よく見ると他の生き物もいる。
泥の中にいたのだろう。

エビがいる。
一匹だけ、小さいのがいる。

何かものすごいスピードで泳ぐものがいる。
泡の粒が付いていて、光る。
水生昆虫の何かだろう。

何日か経つと、貝がやたらと増えてきた。
適当な時に駆除しないと、雌雄同体で一気に繁殖する。



本当はもっと、流れの端っこの草などを掬って取って来たら
色々な生き物が採れたはずだ。
草の下にタモ網を入れてガサガサとやって生き物を採ることを、「ガサガサ」と言う。
文字通りだ。
適当に見えるが、何かを狙って捕まえようとするよりもずっとうまく採ることができる。



昨日もちらりと書いたが、
対象を知らないことは、「怖い」「気持ち悪い」などの嫌悪の感情のもとになる。
差別が生まれる構造の一つである。
これが、生物についても言える。
ただなんとなく「すごく足が多い」「ヌメヌメしている」「夜行性」といったことで
関わらないでいると知らないままになり、嫌悪感が生まれる。
異種差別とでも呼ぼうか。

家の中に、ナメクジがいることがある。
老母の食べこぼしや洗ったけれど洗えていない食器が置いてあった頃は、
多かった。
母はナメクジを嫌っていたが、私に言わせれば、母の生活習慣がナメクジを招き入れていた。

とは言え、老人の生活習慣は変わらない。
あんまりうるさいので、あるとき、ナメクジについての本を一冊、読み聞かせした。
盛口満著『ゲッチョ先生のナメクジ探検記』である。
著者のゲッチョ先生の文章は軽妙で読みやすい。
生き物については自身の観察に基いた事柄を正確に記している。
何より、ご自身の生き物に対する大きな大きな好奇心が、
読んでいて気持ち良い。ウキウキしてくるのだ。

そのゲッチョ先生が、燃え盛る好奇心を持って、ナメクジを観察する。
対象がナメクジだとしても、読んでいて引き込まれる。

本を手にして最初は、ナメクジの図像が並ぶページはなんとなく開きたくなかった。
しかし、読み終わる頃にはナメクジに対するかすかな愛情すら湧いていた。

母も、毎日の読み聞かせを楽しみにして、遂には
「ちょっと好きになった。少なくとも、見てすぐにギャーッと叫ぶようなことは無くなった。」
と言う。

知らないままにしておいてはお互いに不幸なだけなのである。



水槽の中で、貝が育つ。

ヒラマキミズマイマイは、小さいけれど爆発的に殖えるので、
爆発の起こる前に駆除したほうが良さそうだ。

小さい巻貝がいくつもいる。
モノアラガイだろうか、サカマキガイだろうか。
黒っぽいのはサカマキガイだろう。
白っぽいのはモノアラガイか。

よく似ているが、名前のとおり、巻きの向きが違う。
サカマキガイは左巻きなのだ。
ヨーロッパ原産の外来種だという。
雌雄同体で殖えるので、駆除するか。

モノアラガイは日本に棲むもので、
地域によっては絶滅危惧種になっているようだ。
サカマキガイは割りに汚れた水でも棲めるが、
モノアラガイは水のきれいさの指標にもなり得る、と書いてあったりする。
じゃあ飼うか。

よく調べると、モノアラガイにも色々な種類がいる。
我が水槽に棲息しておるのは、どうやらハブタエモノアラガイのようだ。
北米原産らしい。
名前が日本的だからと言って、騙されちゃいかんな。



写真の右端がヒラマキミズマイマイ(らしきもの)。

そして、黒っぽくて触覚の細いのがサカマキガイ。
そのサカマキガイに絡んでいるのが、触覚は白く平たい三角形の、モノアラガイ(の何か)。

どうやら、大きさがほぼ同じサカマキガイを同種と勘違いして、
交尾しようと迫っている様子である。
軟体に軟体を絡ませてくるのを軟体で拒絶して
悶々ともみ合っている。
ずっとやってる。
なんかちょっとイヤだよ。

こんなんでもしっかり観察していたら
嫌悪感が無くなるだろうか…。
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