犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

カラスノエンドウ戦争

2021年04月23日 | うつろい

[口上] ご安心ください。
私が「戦争」と書いたら、それは雑草との戦いのことを意味するのです。
毎年この時期になると繰り広げられるのです。

今年はすでに、芹と蕗に食ってかかり、
青浮草を掬っては投げ、
スノードロップの球根を掘り起こしてはゴミに出し、
ハナニラの小さな球根も見落とすことなく拾い集め、
カタバミとの戦いは後に十年戦争と呼ばれることであろう。いや三十年かも

植物の繁殖の方法は色々有る。
なんとかして領土を拡大しようと画策していやがる。

中でも球根は丈夫で憎たらしい。
抜いてもすぐには乾燥しないので、放置しているとそこに根付いてしまう。

球根てなんなのじゃ、ということを調べると、
これがなかなかに難しいことになってくる。
wikipediaを見ると、球根には6種類あるという。
・鱗茎・球茎・塊茎・根茎・塊根・担根体
そして、狭義の球根は鱗茎のことだという。
なるほど、私が球根と言っているのは、鱗茎のことだった。
では今まで球根と思っていた物を呼ぶ時は、これからは鱗茎と呼ぶことにするか。

また、「塊根と担根体以外の4種は植物学的には地下茎である。」と書いてある。
今まで地下茎と呼んでいた物は、・鱗茎・球茎・塊茎・根茎の総称だったのか。
ということは今まで球根と呼んでいた物は地下茎の一種の鱗茎であって
あっ待てよ、球茎のことも球根と呼んでいたな、

などと、混乱して、ついには私の要領を超えて
まあ、なんでもいいや。という気持ちになっている。



球根も強敵だが、つる性のものも憎たらしい。
やたらと伸びて、他の物に絡み付く。
蔓だけを引こうとしても、絡まれた物も引っ張られる。

蔓の強さも様々である。
どこでも切れやすいものは、根から抜くことができないので困る。
まるで切れない丈夫なものは、根まで辿っていかないと抜くことができない。

名前の判明していないものなのだが、それは
蔓の途中の要所要所で根を下ろして、そこから枝分かれして上に伸びる。
これの蔓はたいへん堅い。
軽く引っ張ったくらいでは切れない。
強く引っ張ってもそうそう切れない。
鎌を引っかけてもなかなか切れない。

じゃあまるで切れないかというと、これが、
無理矢理引っ張っていると、根を下ろした節のところで切れるのである。
その根を抜かないと駆除にならないのだが、
よくしたもんで、そこで切れてしまう。
だから、適当な強さで引っ張って、節を突き止める。
根も堅いものがしっかりと張っているので、かなり強く掴んで引き抜く。

名前が知りたい。



ここのところ殖えて困っているのが、カラスノエンドウだ。
豆が生る。
幅5㎜程度、長さ4-5㎝の鞘の豆だ。
小さい豌豆のようだということでカラスノエンドウ。

何年か前に、友人に紹介されて有川浩の小説『植物図鑑』を読んだ。
結局のところ若者の恋物語なんだが、野草を実に旨そうに調理して食べる。
章ごとに一つの草を食う。
主人公は「料理する」の意味で「料る」という言葉を使う。

調べたら、どうやら江戸前期から使われた当時の現代語なのだそうだ。
漢語の名詞である「料理」を動詞の連用形「料り」と見立てて
逆行的に「料る」という動詞を作り出したわけだ。

この小説の中でも、カラスノエンドウの豆を料理して食う。
ああやっぱり食べられるのね。
でも
なんせ小さい。
食いでが無いんである。

豆でも芋でも菜っ葉でも根菜でも、
食べられる部分が大きいものが品種改良で作られてきたのだろうと
つくづく思う。

食えないので、抜く。



カラスノエンドウの蔓を引っ張ると、
根元で切れて根が残る。
これではまた生えてくる。

ヒョロヒョロと長く伸びているので、他の草より高く出たところで目に付く。
根元を辿るのは案外難しい。

根を抜いてみる。
細く白い根っこのあちこちに、小さい粒が有る。
イモ?ではない。
根粒である。
中に根粒菌がお住まいで、窒素同化に一役買っているんだそうな。



何もかも根っこから抜かなくても良さそうな気がする。
ヤブカラシのような地下茎が本体のヤツや、
ドクダミの根っこなどは残さず取らないと生えてくる。
しかし、地下部分が本体じゃないものは、掘り出さなくても良いのではないか。

草を全部無くして固い地面にしたいわけではない。
地下茎で殖える、取り除きにくいヤツだけを始末したいのだ。

と思ってあれこれ調べていたら、辿り着いたのがココ↓
「雑草は根から抜いちゃダメ!? 草刈りの新常識」
https://agri.mynavi.jp/2018_06_28_30278/#toc-2
雑草を刈るポイントを示し、
やわらかい土壌のためには根が必要であることを説き、
そうすれば地下茎のものは減る、と言っている。

これだ。
ここんとこをよく理解すれば、
毎年の戦争もいくらか内容が変わってくるのではないか。

希望の光が差し込んできたのである。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ハナニラ戦争 | トップ | オニドコロ戦争 »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ヘクソカズラ (す~さん)
2021-04-23 08:49:53
文中で名前を知りたがった蔓性の草は、ヘクソカズラのようです。
花が咲く前に地上部分を取っていたので気付かなかったな。
返信する

コメントを投稿

うつろい」カテゴリの最新記事