犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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初心忘れたよ 腱鞘炎の頃

2017年02月10日 | からだ
私が鍼灸師になろうと思い立ったのは、10年ちょいと前のことだ。

鍼灸学校に行くと決めたのが暮れで、1月に学校見学に行ったように記憶している。
新宿区にできてまだ3年目の専門学校は、新卒よりも社会人を的にしていた。
試験は無く、教員の面接と校長の面接が2回あるだけだった。
新しい学校だからか、定員割れしているようで、
1月に出願してもまだ余裕で入学できそうだった。

この学校に入るまでも、入った後も、出た後も、
良い出会いがいくつも有った。
必要とした時に必要なものが用意された。
人間、しっかり願えば叶うもんだ。
と思う。



その5年くらい前に、腱鞘炎になった。
手首が痛くなるのだが、そんな簡単なものではなかった。
かすかに触れただけでも激痛が走る。
箸を使うのも痛い。
箸に重みのかかる麺類はことにつらい。
歯ブラシを扱うのが痛い。
パンツを引き上げるのが痛い。

まず整形外科に行った。
痛み止めの注射を打ってくれたが、
効力はほんの一日というところだった。
湿布は効いた気がしなかった。

「使い過ぎたから」と言われれば、
数ヶ月前にオールナイトでボーリングしたことや、
三味線に急に熱中したことが思い浮かぶ。
「中年女性に多い」と言われれば、当てはまる。
「風邪を引いたでしょ」とも言われた。
ウイルスが回って炎症を起こしているということだ。
「寝起きになっていることが多い」というのも当てはまった。

しかし、
「とにかく休めなさい」ということは効き目が無かった。
一体、どうして利き手を使わずにいられるのか。

次に、鍼が良い、一発で治った人を知っている、と聞いて
最寄の鍼灸院に行ってみた。
初めての鍼だった。
患部に垂直に鍼を立て、抜き差しするように上下させた。
ひどく痛む。
治療後は熱を持つ。
演歌の好きな先生で、内臓系疾患を灸で治すのが得意だ、と力こぶを作ってみせた。
別の件でかかれば良かったのかもしれない。

次に、ペインシフト療法という、手の甲のポイントを刺激する手法の
接骨院に行った。
半白の総髪に口髭のかっこいい先生だった。
「俺が治してやる」と言う気概を持っていた。
手の甲に触れることで、全身の状態を診て、あれこれ勝手に治してくれた。
歩き方を直してもらった。
これは別に書こうと思う。
手の甲の刺激は、大の男が「先生やめてーー」と叫ぶほどの痛みだったが、
治療後は確実に患部の状態は良くなった。
半年くらいは通ったっけか。
少しずつ良くはなったが、あるところであまり変化を感じなくなってしまった。

知人が「気」の治療をするI子さんを紹介してくれた。
その頃には、腰の痛みや左膝の痛みも出ていた。
I子さんはなぜか私を気に入ってくれた。
一発で治すわよと、この人の自負も高かった。
ひと月かふた月後にもう一度行き、治った。
「自分でこうやってマッサージするのよ。するのよ?絶対よ?」
自分で自分の体の手入れをして治すことを教えてくれたことも重要だった。

治せなかった先生も、それぞれ自身の治療法で最善を尽くしてくれたと感じる。

その頃、オーケストラの仲間に、続々と腱鞘炎の人が現れた。
ビオラの人、オーボエの人、クラリネットの人が和太鼓をやって、などなど。
その人たちに、どうやって治したのか、と聞かれる。
私は自分の体験を伝えるしか無かった。
歯痒かった。

I子さんは、気の治療は「あなたにもできるのよ」なんて言う。
ペインシフトに通う中で、私は自分が治療する立場になりたいと思った。
何度か言おうとしては言い出せず、ついにある時、
「医術を教えてください」と言ったんだったっけ。うろおぼえ。
「解剖学くらいやってなきゃ話にならねえ。まず学校に行きな。」とかなんとか
かっこよく言われて、決心がついたんだったっけ。うろおぼえ。



来週?につづく
次回、この学校の1月の学校見学に行った理由。
そん次、その頃に志していた事。

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