十代の頃、「多摩川にサケを」というフレーズをよく耳にした。
今、多摩川に鮭はのぼらない。
鮭は一定より水温のあたたかい川では産卵しない。
多摩川も古くは鮭の遡上があったようだが、
今は水温が高過ぎるようだ。
調べてみると、多摩川にも鮭を蘇らせようと、
1970年代後半から稚魚の放流が行われたようだ。
私が知っているのはこの頃のことだろう。
こういった活動も、今は休止しているようだが、
ポツポツと活動している人たちもいるにはいるようだ。
しかし、水温が適していないのならば、放流は無駄であるし、
鮭にとってありがたいことではない。
生きにくい環境に放り出されても迷惑だろう。
鮭の遡上の最南端は、そのようなわけで今は利根川らしい。
中流の利根大堰の魚道は、横に観察室を設けて、
鮭がコンクリートの壁を飛び越えて行く様子が見られる。
昨年11月に見に行って録画した映像を、
昨日アップした動画に使った。
http://youtu.be/a-ifq8m5d9A
私は鮭の飛ぶ姿を初めて見たが、胸を打たれた。
時季であれば、行って数分も待てば見られる。
海から始まり、流れを遡る長旅で、
鮭は蓄えた脂肪を失う。
それをひとは「秋鮭は脂がなくてうまい。」と言う。
産卵が済むと鮭たちは死ぬ。
そうやって産んだ卵も美味だ。
塩ジャケもイクラも飯に合う。
まこと、酷いものほど旨くて、困る。
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