[あらすじ] 飼い犬ジーロくん8月24日に息を引き取る。
享年15歳と1ヶ月。
床の掃除をしていない。
犬の抜け毛がいとおしいからだ。
いやしかし
なんだか、
毛が増えている気がする。
それに、1週間も経てば、他のほこりや自分の抜け毛も溜まる。
そろそろ掃除するか、どうか。
※
皮下点滴を毎朝手伝ってくれていた友人Mが、
遊びに来てくれた。
長く飼っていた三毛猫が死んだ後、1年間、
猫トイレを部屋の中に置いたままだったという。
すっかり埃をかぶっても、そのままにしていたそうだ。
※
点滴でたまにかさぶたができたり、
毛に何かの汚れが付いたりすると、
毛の束ができる。
かさぶたがとっくに皮膚から剥がれていても、
固まった束の毛の全てが抜けないと、
そのかさぶたは取れない。
束のうちのどれかの毛は、生えているからだ。
それに、全て抜けたとしても、
新しい毛とも束になっているので、
なかなかかさぶたは取れない。
※
犬の毛は、季節の変わり目に抜け替わる。
ちょうど今、毛が抜け始めていた。
表面の粗い毛はともかく、
内側の軟らかい毛が抜ける時は、
束になって抜ける。
白く束で浮いてきているのを、摘まんで引っ張ると、
ほこっ
と取れる。
これが、気持ちよくてたまらない。
日本犬のほうが、この「ほこっ」が多い。
ジーロはポインターっぽい犬だったので、
「ほこっ」の面白みは少なかった。
※
かさぶたや汚れで束になった抜け毛を、
「ジーロくんの種」と呼んでいた。
黒い何か塊から、細く毛の束が出ている形が、
風に乗って拡がろうという植物の種と似ているのだ。
※
犬の滑り止めとして、あちこちに吸着マットを敷いてある。
滑りにくい床の所にも、オシッコをしちゃった場合に吸い取るために
タイルカーペットを敷いてある。
そういったマットの表面に、
犬の毛が絡んでいる。
そのマットの上を、私が歩くことで、毛がマットから取れて、
床の上に抜け毛が増えているように見えるのではないだろうか。
試しに一旦、床に掃除機をかけてみよう。
マットの上は掃除機をかけないでおいてみよう。
※
犬の亡骸を庭に埋めた、翌日の夕方。
土饅頭を見ると、ぱっくりと亀裂が入っていた。
幅3㎝、長さ30㎝くらいにわたる裂けめが
土の表面に口を開いている。
そ、
蘇生?
ぞ、
ゾンビ?
は、
生えた?
ジーロくんの種が、芽生えたか??
※
友人Mに報告した。
すると、4年前にジーロのきょうだいを埋めた後も、
同じような報告を私がした、と言う。
「噴火した」
と言っていたそうだ。
ジーロのきょうだいは、激しい性格だったので、
「生える」というよりは「噴火」がお似合いな表現だ。
※
ガスが出たのだろう。
だから、「生える」というよりは「噴火」が近いわけだ。
ガスはどこから出るのだろう。
もう腹が裂けたりしたのだろうか。
いやまだ肛門からだろうか。
暑いし、腐敗も速いのだろう。
※
飼い犬ジーロくんの愛用していたマットは、
一度、日に干したら、
死の直前の尿や、死後の出血などの臭いは消えた。
ただ、犬の体臭だけが残っている。
このにおいを、「ジーロのにおい」ではなく
「ありゃ犬臭ぇ」と感じるようになったら
洗濯しごろ、お別れ完了ということか。
享年15歳と1ヶ月。
床の掃除をしていない。
犬の抜け毛がいとおしいからだ。
いやしかし
なんだか、
毛が増えている気がする。
それに、1週間も経てば、他のほこりや自分の抜け毛も溜まる。
そろそろ掃除するか、どうか。
※
皮下点滴を毎朝手伝ってくれていた友人Mが、
遊びに来てくれた。
長く飼っていた三毛猫が死んだ後、1年間、
猫トイレを部屋の中に置いたままだったという。
すっかり埃をかぶっても、そのままにしていたそうだ。
※
点滴でたまにかさぶたができたり、
毛に何かの汚れが付いたりすると、
毛の束ができる。
かさぶたがとっくに皮膚から剥がれていても、
固まった束の毛の全てが抜けないと、
そのかさぶたは取れない。
束のうちのどれかの毛は、生えているからだ。
それに、全て抜けたとしても、
新しい毛とも束になっているので、
なかなかかさぶたは取れない。
※
犬の毛は、季節の変わり目に抜け替わる。
ちょうど今、毛が抜け始めていた。
表面の粗い毛はともかく、
内側の軟らかい毛が抜ける時は、
束になって抜ける。
白く束で浮いてきているのを、摘まんで引っ張ると、
ほこっ
と取れる。
これが、気持ちよくてたまらない。
日本犬のほうが、この「ほこっ」が多い。
ジーロはポインターっぽい犬だったので、
「ほこっ」の面白みは少なかった。
※
かさぶたや汚れで束になった抜け毛を、
「ジーロくんの種」と呼んでいた。
黒い何か塊から、細く毛の束が出ている形が、
風に乗って拡がろうという植物の種と似ているのだ。
※
犬の滑り止めとして、あちこちに吸着マットを敷いてある。
滑りにくい床の所にも、オシッコをしちゃった場合に吸い取るために
タイルカーペットを敷いてある。
そういったマットの表面に、
犬の毛が絡んでいる。
そのマットの上を、私が歩くことで、毛がマットから取れて、
床の上に抜け毛が増えているように見えるのではないだろうか。
試しに一旦、床に掃除機をかけてみよう。
マットの上は掃除機をかけないでおいてみよう。
※
犬の亡骸を庭に埋めた、翌日の夕方。
土饅頭を見ると、ぱっくりと亀裂が入っていた。
幅3㎝、長さ30㎝くらいにわたる裂けめが
土の表面に口を開いている。
そ、
蘇生?
ぞ、
ゾンビ?
は、
生えた?
ジーロくんの種が、芽生えたか??
※
友人Mに報告した。
すると、4年前にジーロのきょうだいを埋めた後も、
同じような報告を私がした、と言う。
「噴火した」
と言っていたそうだ。
ジーロのきょうだいは、激しい性格だったので、
「生える」というよりは「噴火」がお似合いな表現だ。
※
ガスが出たのだろう。
だから、「生える」というよりは「噴火」が近いわけだ。
ガスはどこから出るのだろう。
もう腹が裂けたりしたのだろうか。
いやまだ肛門からだろうか。
暑いし、腐敗も速いのだろう。
※
飼い犬ジーロくんの愛用していたマットは、
一度、日に干したら、
死の直前の尿や、死後の出血などの臭いは消えた。
ただ、犬の体臭だけが残っている。
このにおいを、「ジーロのにおい」ではなく
「ありゃ犬臭ぇ」と感じるようになったら
洗濯しごろ、お別れ完了ということか。
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