[あらすじ] 風邪で寝込んでいたら、三つ子の魂を持つ町蔵が
また不意に訪ねて来た。
痛みの残る頭で、ブログを書いて、また寝た。
そして夕方に目が覚めた。
曇って薄明るい空で、時間の感覚を取り戻すのにしばらくかかった。
いつも、寝覚めはすっきりしている。
しばらく過ごすとまたしんどくなって、眠りを求めるが、
苦しいとなかなか眠れない。
輾転反側していると、背中に何かチクリとかすかに痛みを感じた。 . . . 本文を読む
「きったねえ部屋だな」
いきなり室内で声がするからはね起きた。
ダルくてしかたないはずなのに、咄嗟に体は動くものだ。
「なんだ昼間っから寝て」
町蔵か びっくりした。
風邪引いてんだよ。
ああ心臓がバクバクする。
「はい、おみやげ」
ありがとう、また酒か。あいや、ありがとう。
「ちゃんと食ってるか?なんか作ろうか。」
うわああ!助かる!うれしい!けど、
母はあんたのこと、夫がよそで作った . . . 本文を読む
だんごのみよしというチェーン店がある。
小さな店舗で安いだんごを売る。
多摩地区で展開しているようだ。
最寄駅の近くにもあったし、自転車で10分くらいの所にもあった。
出張の道のりの途中にもあったが、
いづれもツブレた。
駅前など、条件の良い店だけ生き残っているような気がする。
きっと末端の経営は厳しいのだろう。
他におにぎりや稲荷寿司や太巻きなどもやっている。
なぜ和菓子屋ってこういうもん . . . 本文を読む
す~さんは毎日お昼は蕎麦だけしか食べない。
蕎麦仙人のようなお方じゃ。
などと信じている読者を裏切ることになるのだが、
今日は正直に話しておこうと思う。
※
年に一度のことであって、この時季だけだ。
柏餅に狂う。
※
二十代の頃、友達が柏餅ダイエットというのをやらかした。
毎日毎食、柏餅ばかり食うというのだ。
痩せるより先に、ひどい蕁麻疹になったという。
餅と柏葉の成分が相まって、アレ . . . 本文を読む
[あらすじ] 草書の代表作のひとつ、孫過庭の「書譜」を臨書している。
図書館で二玄社刊のテキストを借りてきて、それを手本にしている。
孫過庭の真跡とされているものだが、途中に欠けている部分がある。
そこは、別の模本である薛氏本(せつしぼん)を見て補うように、
テキストの最後にその部分だけ別に収録されている。
便利だ。
※
書において、お手本中のお手本とされる人がいる。
晋の時代の、王羲之(お . . . 本文を読む
学生時代の友人、Gちゃんと連絡が絶えて、15年以上経っていた。
私はせっせと勉強してせっかく合格した大学に、
1年と数ヶ月したらすっかり行かなくなってしまった。
今で言う「ひきこもり」のようになっていた。
そういう中でも、Gちゃんはたまに電話をかけてきて、
こちらの状況を心配してなのかあまり気に掛けないからなのか
たまに訪ねて来ては「ここは居心地いいねえ」なんて言って
2、3日泊まり込んでいくのだ . . . 本文を読む
[あらすじ] 私には、誕生日の違う三つ子の姉と弟がいる。
引性と言おうか、偶然なのか虫の知らせなのか、
ブログに三つ子の事を書いたら、その日の昼前にヒョイと町蔵が現れた。
「ジョージアに行ってきた。やっぱ英語は通じないな。」
ジェイムズ・ブラウンが育った町でも見て来たか。
JBのドキュメンタリーを見ても、訛りがキツくって何を言ってるのか聞き取れないもんな。
と思ったら、
「貴腐ワインじゃなくて . . . 本文を読む
いつ言おうか迷っていたのだが、実は、
私は三つ子だ。
誕生日が違うので、三つ子と言えるかどうかわからないが、
同い年なので三つ子と言って良いのかもしれない。
一番先に生まれたのが姉の愛子さんで、私は会ったことが無い。
弟の町蔵ははるばるメキシコへ会いに行ったそうだ。
写真を見ると、まるで中米人といった様子の人で、
でっぷりと太り、燃えるような瞳を持っていた。
子沢山なようで、四十代半ばですでに . . . 本文を読む
酉年生まれです。 と、言うことにしている。 ヨノナカには他の表現がある。 年男、年女。 スパッと短く良い言葉だが、自分が使うとどうしても居心地が悪い。 女じゃねえし。男なんかじゃないわい。 じゃあなんて言うの。 トシ○○に拘るのをやめて、「酉年生まれです。」と言うことにしている。 まだるっこしいが。 「トリです。」でもいいか。 正月からジェンダーなんてこと考えるのは、私だって面倒くさい。 面 . . . 本文を読む
水曜夜 焼鳥、酒
木曜朝 ゆで卵
昼 買った弁当(コロッケ等)
夜 焼塩サバ、酒
金曜朝 卵かけご飯、しらす干し
昼 シチュー
夜 牡蠣フライ、ワイン
土曜朝 卵かけご飯、すまし汁(小松菜、かまぼこ)
昼 おにぎり(塩じゃけ、たらこ)
夜 昨日のシチュー、パスタ、ワイン
日曜 下痢 その後腹痛 吐き気 それから嘔吐 腹痛と吐き気強まる
発熱 体幹の痛み 頭痛 . . . 本文を読む
昨日は毎月一日の法螺の日でした。
友達から借りた車のラジオがNHKで、つけたら中国語放送の時間で
何かひとことというか「ウェインショーター」と言った途端に
中華味な音楽が流れたのは本当です。
どっこもウェイン・ショーターじゃないじゃないか!と思いながらも、
じゃあ直前のひとことの意味はなんだったのだろう、という疑問が残った。
中国語独習は、舌歯音と反舌音と舌面音の3種類のチャを聞き分けられなく . . . 本文を読む
[あらすじ] 10年あまり乗った愛車エスクード、先週ついに引退。
乗りなれた車を手放すのはさみしいものだ。
今年の夏、2頭飼っている犬のうち1頭が世を去った。
エスクードに乗り始めたのは、犬を飼い始めた時期と重なる。
車と犬と共にあった11年を思う。
「金曜日に祖師谷のお友達の家にみんなで集まるから、連れて行って」と、
老母は廃車のことをすぐに忘れて言ってくる。
近隣の友人Mに頼んで、車を借り . . . 本文を読む
先日、老母の介護認定調査があった。
法改正があって、認定は1年に1度から2年に1度に変わった。
年寄りにとって1年は短いようだが、
要介護の者にとって2年は長い。
2年も間があいたら、介護度が上がるくらいに生活状況が変わるのではないか。
つまり、日常がたいへんなんじゃないか、と思っていた。
そう思っていたわりには、2年経つのは早かった。
とは言え、経ってみたら早かった、ということに過ぎないと思 . . . 本文を読む
昨日のは法螺です。
※
あるとき、センセイが言った。
「動物にだって菩薩の心が宿ることはあるじゃないですか。」
いわんや人間においてをや。
理性から慈悲の心に至ることができる力を人は持っている。
どんなに悪人に見える人でも。
という話の中でだったか。
「猫と犬が仲良くしている、なんていうのがありますよね。」
あーーー。
犬にしてみたら、猫といても本性を剥き出しにするのではなく
敵意も害意 . . . 本文を読む
[あらすじ] 界隈に棲む白黒の猫が仔猫を4匹産んだ。
母猫と仔猫4匹がひとかたまりになって寝ていると、
何が何やら分からない一面の白と黒だった。
気付けば、いつの間にやら仔猫は2匹に減っていた。
厳しいことだ。
弱っていれば蛇や烏にも狙われるだろうし、車にぶつかることもあれば
病気にかかることもあるだろう。
さらに、この頃母猫の姿を見ない。
親離れ子離れしたのかな?
仔猫たちにこのテリトリー . . . 本文を読む