[あらまし] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々。
午後3時近くなって、風が強まった。
窓ガラスが揺れる。
庭木がざわめく。
里帰りした家が間違って出していった空き缶が、転げていく。
その家は私の家から北西の方向に在るので、空き缶はウチの前を音を立てて駆け抜ける。
そんな音の向こうから、機械の音がする。
聞き覚えの有るこの音は、
ウチの洗濯機に違いない。
ああしかし我が耳を信じた . . . 本文を読む
[あらすじ] 老母がショートステイの間に、亡父の書斎を片付ける。
滑り止めワックスを掛けて、老犬ジーロが落ち着いて過ごせる場所を作るのだ。
85歳の爺さんが40年ほど過ごした部屋だ。
生きてきた時を示す物が山ほど詰まっている。
写真、手紙、ノート、原稿用紙の束、日記帳。
死んだ息子の記録、その子を産んだ前妻の物。
以前の仕事のノート、卒業証書いろいろ。
こういった、亡夫の品々を、母は捨てたが . . . 本文を読む
家に帰って、玄関を開けた途端、かすかなにおいに気付いた。
かすかなにおいというのは、入った瞬間が大事だ。
嗅覚はすぐに慣れてしまう。
あれ?と思ってあらためて嗅いでも、もうにおわない。
まあ、それくらいの弱いにおいならいいじゃないか、とも言える。
しかし、相手がカビの場合、
弱いうち少ないうちに制しておきたい。
※
玄関を入ったところの廊下で、少々雨漏りがする。
まっすぐ降るのなら大丈夫な . . . 本文を読む
[あらすじ] 同居母86歳要介護2パーキンソン病認知症状少々、ショートステイ中。
いない間に家の補修を進める。
いる時に私が家事をすると、「自分も何か役に立ちたい」と家の中を動き回り、
"掃除"や"片付け"をしてしまい、その後片付けがまたたいへんなことになるのだ。
母が室内で転倒するようになり、薪ストーブは危険だからということで、
数年前にやめた。
去年からは、ストーブを置いていた場所に介護 . . . 本文を読む
[あらすじ] 歩いただけポイントが貯まるスマホアプリを使って
年に一度はポイントで飲みに行こう。
そのためには一日に三万六千歩を歩かねばならない。
それはたいへんだから、二足歩行ロボットにスマホを乗せて歩かせた。
アナログレコードのターンテーブルをロボットのルームランナーにする作戦は成功した。
しかし、扇風機は一年中使うわけではない。
クーラーをつけている日だけしか回さない。
やはり、スマホアプ . . . 本文を読む
[あらすじ] テオ・ヤンセンの作品を小っさくしたような、
風力で動く二足歩行ロボットのキットを組み立てた。
[あらすじ] 5月末にスマホに替えて、歩くとポイントが貯まるアプリを入れた。
店員は飲み代をポイントでゲットしていると言ったが、
どう計算しても、年に一回飲みに行くために一日三万六千歩が必要だ。
なんとか、ポイントを取れないだろうか。
一日に三万六千歩を歩くのはキツい。
インチキして歩数を . . . 本文を読む
数年前、山口県だかどこだかの高校生が、セミの研究をして、
その新発見が話題になった。
彼は夏休み中ずっと、セミを捕まえてはマーキングして、放した。
その数は千匹に上ったという。
この高校生に2度捕まるアホなセミも何匹もいた。
35日後に捕まったセミもいた。
俗説で、「セミの寿命は一週間」と言うが、
丹念な調査によって、これがテキトーな言い方だという裏付けが取れたのだ。
詳しくはニュースなどを検 . . . 本文を読む
[あらすじ] 毎月一日は法螺を書いているよ。
スマホを落としても壊れないように、パラシュート付のケースを買った。
という法螺を書いたよ。
「スマホ 落下 感知」とかなんとかで検索したんだったか。
いくつかのアイディア商品が検索結果に出てきた。
最初、それこそ法螺だと思った。
虚構新聞だとかアンサイクロペディアだとか、
ひとさまを大規模に引っ掛けようという企みの(賞讃)
サイトはいくつか在る。
. . . 本文を読む
昨日は一日で、毎月馬鹿の日。
内容は法螺でした。
初めて読んで信じた方はごめんちゃい。
ひと月あまり前にスマホに変えた。
翌日、初めて会った人のスマホケースが気に入った。
ゴム製で四隅がバンパーになっているそのケースを買った。
週に一回のペースで落としている。
※
犬の散歩で行くところに、公園の駐車場が有る。
片隅になぜか、バスケットボールのゴールが有る。
毎朝、何人もの人が練習に来る。
み . . . 本文を読む
[あらすじ] 『トランスジェンダリズム宣言』の編著者、よねざわいずみさんと飲んだよ。
と言っても実はすでに1ヶ月あまり前のことなのだ。
ちょうどその前日、私はガラケーから遂にスマホに切り替えた。
スマホって言ったらあれでしょ、すーぐ画面が割れるやつでしょ。
私は携帯を落とさない自信が有る。
店員が言う。「iphoneは割れやすいです。」
そんなこと言って、他のだって割れるときゃ割れるでしょ。 . . . 本文を読む
昨日の話は法螺で、私は器物損壊罪に問われるようなことはしていない。
[あらすじ] 同居の母86歳が使っているシルバーカーを「ベンツ」と呼んでいる。
友人の父86歳が運転免許証を返上しないので家族は困っている。
彼の車(ほんもののベンツ)からエンブレムを狩り獲って、
母のシルバーカーに取り付けた。
実際は、
最近届いた郵便物の中の、返信用葉書をチョキチョキ切って、
帯状にして、細く山折りにし、
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[あらすじ] 同居母86歳パーキンソン病要介護2認知症状少々。
お出かけの際は、シルバーカーを押して行く。
デイサービスの中では使わず、
入り口に'駐車'しておくのだそうだ。
移動する時に取りに行ってもらう。
デイサービスではこのシルバーカーを「ベンツ」と呼んでいるという。
先日、「ベンツ」が思い出せず、
母は「アメリカの高級車の名前」と言った。
カタカナならみんなアメリカか?
「ベンツ」が . . . 本文を読む
今日は、庭の北東の角に生えている、クヌギを伐った。
30何年か前だったかに、母がどんぐりを拾って来て、
たわむれに播いたら生えてきて、ぐんぐん育ち、
ある年にバッサリと伐られたが生き延び、
近年、急速に成長し、接触する屋根を脅かしている。
伐らないと、お隣さんにも「よく屋根が壊れないねえ。」と言われてしまう。
※
5年前の4月半ば、東京レインボープライドの日に合わせ、
ブログでカムアウトした。 . . . 本文を読む
毎月馬鹿。
毎月一日には法螺を吹く。
四月だけでは足りないからだ。
昨日書いた事は、幸い全部嘘。
本当の事が有ると言えば有るのは、
ケアマネさんが電話のはじめにいつも
「お世話になっております。今お電話よろしいですか?」と
挨拶することくらいだろうか。
お世話になっておりますのはこちらなのでございますから、
この挨拶を聞く度に私は恐縮する。
恐縮しているわりには、次にこう思う。
今よろしいから . . . 本文を読む
「ご報告があります。」
携帯電話を取ると、「お世話になっております。今お電話よろしいですか?」という
いつもの挨拶に続いて、こう言われた。
ケアマネージャーさんの声の調子で、ろくな報告ではなさそうなことがわかる。
「本日12時の定期巡回の際、ヘルパーがお玄関を入った拍子に、
ジーロくんが駆け出してしまい…云々」
うへええ
飼い犬ジーロ13歳半去勢オス。
たいへんおとなしい性格で、臆病でもある . . . 本文を読む