中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

全人代は政府主催の国民総決起集会

2009-03-06 07:49:25 | 政治

  昨日、中国の第11期全国人民代表大会(全人代)第二回会議が開幕しました。写真は開幕式の様子を伝える中央電視台です。13日まで、新聞、テレビはその内容を大々的に報道します。

  全人代のことを日本では「国会に相当」と紹介するのが慣用になっています。しかし、この紹介は日本人に誤解を与えると思います。こちらでの報道から判断すると、実態は政府主催の国民総決起集会といったほうがいいでしょう。

  全人代は憲法を含め国の法律を制定したり修正できる機関ですから、形式的には国会=国権の最高権力機関といえます。しかし、3000人近い代表は普通選挙で選ばれるのではなく、実質的には共産党の意向で選ばれるのですから、日本や欧米の議会で行われているような意見を異にする政治家の討論の場とは全く違います。

  この国の実権は共産党中央政治局常務委員会(今は9人)が握っていて、そのメンバーから選ばれた首相、副首相が率いる政府が法律や、予算を作り、全人代に諮るという形をとります。しかし、代表が上に書いたような人たちですから、提案が否決されるようなことは有りません。代表は政府に対する要望を表明するのが精一杯のところでしょう。

  新聞、テレビはこの政府提案の中身を詳しく報道します。今年はGDP8%成長が最大の課題ですが、そのための予算がどうなっているか、十分実現可能という識者の解説などをつけて報道するといった具合です。

  また、話題の代表に焦点をあてて、意見を言わせたり、人物紹介をしたりします。今年は大地震があった四川の代表がよく登場して、要望を表明していました。これは住民の不満のガス抜きになるかもしれません。また、人物紹介では小、中学校の先生のように、一般庶民に近い地位にいる代表がよく登場します。政府が期待する国民像を体現している人たちでしょう。昨日は、代表の何人かが開幕式で歌う国歌の練習をしているところが長々とテレビで報道され、「これも愛国運動を盛り上げる手法なのか」と、少しあきれました。

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