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37セカンズ 【監督 HIKARI】

2020-02-13 12:45:00 | 映評 2013~

パスポートどうしたのかな
申請した?2週間くらいかかるけど。
その間何をしていたのか?
沖縄くらいにしておけばそういうしょうもないことは考えなくて済んだのだけど、佳山明(かやまめい)の実際の境遇にあわせた設定のようで、リアリティより役者の気持ちを優先させたのだろう。

NHKが制作に関わっていてもしかしてバリバラのチームも関わってるのかな
バリバラがそうであるようにこの映画は決して障がい者感動ポルノ的なものではない

開かれた新たな世界で自らの意思で自分の可能性を広げそして自立していく女性の物語で、パスポートの件でケチはつけたけど近年のどんな日本映画より素晴らしいホンだと思う

とは言え佳山明さんの不安葛藤孤独痛み悲しみ、喜びも勇気も成長もひしひしと伝わり、それこそがこの映画の重要なことで、本もそのためのものだから脚本はあくまで脇役なのだな
佳山さんのささやくような声も、気怠げな顔も、自然とこぼれる笑みも、作品上必要な性的描写も、なにもかもが愛おしく早くも今年の主演女優賞決定かと思わせる。
彼女の今この瞬間を限りなく美しく切り取る演出もカメラも奇跡のようだ。

そして低予算インディーズ系映画の女神の渡辺真起子さんの抜群の存在感
なぜか知り合いのインディーズ監督の作品出演が多い芋生悠さんも素敵でした(廣君、八幡さん、松崎さん…)

印象的な東京の夜の映像
暗闇の中でキラキラ光る街の灯
佳山明さん演じるユマの心象風景のようだった

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37セカンズ
監督・脚本 HIKARI
撮影 江崎朋生、Stephen Blahut
出演 佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、芋生悠

2020年2月 シネスイッチ銀座にて鑑賞




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