自主映画制作工房Stud!o Yunfat 改め ALIQOUI film 映評のページ

映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

ジョーカー [監督:トッド・フィリップス]

2019-11-02 08:05:03 | 映評 2013~
「ジョーカー」はかなりヤバい映画で必見!
自分の中では今年のベストワンを、アベンジャーズエンドゲームと争っておりますって、コミック好きか!?
しかし、いろんな意味で絶望の映画でもあった…映画に対する絶望まで含めて
つらい
でも、映画ファンならこれを観るのは使命だと思います
アベンジャーズと違ってシリーズのことなんも知らなくても大丈夫です!
----
ジョーカーの真似をしてテロ行為に走る人たちは、ジョーカーを自分たちの思想というか自分たちに変わって不満や鬱憤を晴らしてくれる、ある意味ヒーローだ。
しかしジョーカー自身には大した思想もなく、野望もない
無秩序・カオスの中心にいる空っぽな男の求心力に正論は無力
カルトを支持しちゃう人、あるいはトランプ支持者なんかをジョーカーに熱狂する人たちに重ねて見てしまう。安倍支持者も…とかいうとれいわや共産党もだろと言われそう。議論を呼ぶ社会性のある映画である。…が、しかし、社会性における映画の限界、あるいは絶望を描いた映画かも
映画の中でチャップリンの映画を観ていたのは明らかなセレブたち。インテリ層という感じ。人々はタダで観れるTVショーで他人を笑う
ジョーカーを真似する人たちはおそらく映画を観ない
映画でどんなに社会性を訴えても社会は映画を観ない人に壊されていく
重要な役を演じたデ・ニーロは、かつて反体制映画のアンチヒーローでありアイコンだった。でもそれすらもインテリとか意識高い系の映画表現という閉じた世界の話だったのかも
チャップリンを愛する人もタクシードライバーにしびれた人も、現実の社会崩壊を止めることはできない
----
それにしても、ホアキン・フェニックスの演技はパーフェクトでした
あれこそ映画の演技だ。全身で演じている。
そんなホアキンを濃密な映像で切り取ることで、彼の演技をジョーカーの精神へと昇華させた撮影も編集も素晴らしい
映画の絶望と最初に書きながら、やっぱり映画はすごいと思わせる、映画を撮りたいと思わせる。強い

-----
「ジョーカー」
監督 トッド・フィリップス
脚本 トッド・フィリップス、スコット・シルバー
撮影 ローレンス・シャー
音楽 ヒドゥル・グドナドッティル
出演 ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ
2019年10月 池袋グランドシネマサンシャインにて鑑賞
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 巻貝たちの歓喜 予告編と10月... | トップ | 主戦場 [監督:ミキ・デザキ] »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映評 2013~」カテゴリの最新記事