スラングは長く残るものもありますが、すぐに廃れていくものも多いので、使用頻度の高いものは指導するべきだとは思いますが、敢えてスラングだけをたくさん取り扱うような必要はないと思います。
しかし生徒が興味を持ったなら、動機付けにもなるのである程度積極的に扱ってもよいとは思います。特に教材として、海外のアニメやドラマの一部をみせると、スラングをある程度知っておかないと太刀打ちできないことは事実です。実際に出てきたものの意味は確認しておきたいものです。
さて、最近は日本でも若者を中心に「ヤバい」がよい意味で使われますが、英語でもそうした動きがあることは偶然なのかわかりませんが、特筆すべきことかもしれません。例えば次のような例があります。
(1)Your necklace is sick.(お前のネックレスかっけーな。)
(2)This car is really bad.(この車ホントかっけーな。)
(3)He is a real badass!(あいつはマジかっけー奴だな。)
(4)Your shoes are wicked!(お前の靴かっけーなぁ。)
ここに挙げたsick, bad, badass, wickedはすべて悪い意味を指す言葉でしたが、スラングではどれも「最高だ」「かっこいい」「すごい」といった意味で同じように使われます。例ではbadassだけ名詞で使われていますが、形容詞としても使われます。またbadはこの場合、通例「バァァド」と少し長めに発音します。
これで生徒が興味をもったならそれはそれですばらしいことです。もっと知りたい、から自ら勉強していくのです。こういったことは意外と生徒は食いついてきますしね。ぜひ教師の引き出しには入れておきたいものです。
そういえばこの前は海外のドラマでこんな表現を見つけました。
(5)I have butterflies.(緊張してるわ。)
get butterflies「緊張する」でも使います。正確には「I have butterflies in my stomach.」といいますが、会話では(5)のように短くすることが多いようです。おもしろい表現ですね。