Love Life Rock

行こう 昨日までのキミを 苦しめたもの全て
この世の果てまで 投げ捨てに行こう
(この世の果てまで)

娯楽

2007年10月16日 | Review
 ファンのくせに、ほとぼりが冷めた頃に書く(笑)。東京事変のアルバム『娯楽(バラエティ)』を購入。初回限定盤は「ギザギザ仕様 feat.スリープケース」だそうですが・・・たった今CDショップに行っても、普通に売ってるんじゃないかと思われ(笑)。従来のソロ作品を熱望するファンには申し訳ないけれど、本作からは林檎さんの“東京事変”というバンドでの立ち位置や、居心地の良さが節々から感じ取れる、そんな印象を収録曲から受けた次第。それは、M1「ランプ」での「何時まで走ろう?速度は今丁度好いよ」という一節でも分かるのではないかなー。
 収録曲の中で、やはり一番のオススメはM8「某都民」かな。過去の『教育』と『大人』を歌詞に盛り込みつつ、ラストは「歌舞伎」までフィーチャーする贅沢さ。これは必聴の1曲でしょう。他にも、亀田師匠が唯一作曲したM4「私生活」は、あの「落日」を髣髴とさせる真っ直ぐで切ない曲。さらには、愛猫ゲーテのことであろうか、ポップでキャッチーで捻りまくりなサウンド(笑)のM6「黒猫道」など、多彩なミュージック・センスの数々が詰め込まれた作品です。人気の曲はM3「金魚の箱」なのかな?前作『大人』に最も近いサウンドだもんなぁ。
 それにしても他サイトを見る限り、本作を正しく理解してない評価が散見されるのは残念の極み。タイトルの娯楽=entertainmentではなくvarietyである、と親切に表示してあるにもかかわらず、である。なぜ林檎さんが作詞オンリーで、作曲を他のメンバーが担当しているのかを読み取れない人は、おそらく本作を心の底から楽しめないと思うよ、うん。