ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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二木啓孝氏が語る、靖国参拝は国際問題ではなく国内問題だ!

2013年08月30日 | Weblog

 2013年8月16日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」で
 
 ジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝氏が語る、靖国参拝は国際問題ではなく国内問題だ!」
 
を聞き書きしました。

 

 8月15日、終戦の日に安倍晋三首相は、靖国参拝を断念し、私費で玉串料を納めることで、参拝の代わりにした。これまで、外国の批判には屈しない、という趣旨の発言をしていた安倍首相にとって、参拝断念は、圧力に屈したようにもみえる。その一方で、中国、韓国へのそれなりの配慮を示したことで、今後の日中、日韓関係は正常化に向かう、という見方も強い。

 私は、この問題は、靖国神社の位置づけが大きく変わった「A級戦犯の合祀」が原点であると思う。

 A級戦犯14人が合祀されたのは1978年。それまで中国も韓国も、ことさらに靖国問題を取り上げて批判はしなかった。それはなぜか。靖国神社は、国のために犠牲になった人々を合祀しているところだ。他方、A級戦犯は、国のために犠牲になった、というより、国と国民を犠牲にした存在である。中国、韓国からすれば、戦争の反省に立って日本の戦後がスタートをしているという認識だったが、アジアを戦禍に巻き込んだ戦争の遂行者を靖国神社に合祀することで、先の大戦が間違っていない、という日本のメッセージを伝えることになる。なお、A級戦犯の合祀以降、昭和天皇も平成天皇も靖国に参拝していない。

 以降、靖国参拝は、A級戦犯が正しいか、正しくなかったか、という論点に移る。だが、A級戦犯合祀の問題は、国内でキッチリ議論する問題であり、中国、韓国に対しては、「しばらく国内で議論をするから、それまで静かにしておいてくれ」というのが筋である。A級戦犯合祀の問題を国内で議論しないまま、靖国参拝を続ける限り、中韓はその問題を持ち出してくるであろう。

 ことの本質は、中国、韓国から批判をされるから、靖国神社に行かない、ではなくて、日本が先の大戦を、そしてA級戦犯を、どう位置付けるかにかかっている。靖国問題は、すぐれて国内問題なのである。


 


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