ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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京都市“猫エサやり禁止条例”ができるで バックボーン 六

2015年07月19日 | Weblog

 それにしても、殺処分手続き時に使用しているエサやり状況の記録「周辺環境状況調査欄」は他の自治体では使っているのだろうか。

 全国の政令指定都市と東京都に、京都市で使っているような類の文書があるのかどうか、現在、筆者は調査しているが、少なくとも、札幌市、千葉市、新潟市、名古屋市、堺市、熊本市では、そうした文書はつくっていない。ほかの自治体は調査中のため、追って記すが、京都市のような書類をつくっいてるて自治体は、少なくとも現時点では、皆無である。

 「周辺環境状況調査欄」なる書類も、京都市のエサやりを敵視する姿勢の表れなのではないか。

 そこで、元東京都新宿区の保健所衛生課職員の高木優治氏に見解を聞いたところ、役人の立場でみると、この書類は、所有者のいるかもしれない猫を引き取ることのないよう、確認するためのものではないか、エサやりをしているエリアの子猫は、飼い主がいる可能性がある、飼い主のいる猫を引き取ることは、動愛法で禁じられているので、違法措置のないよう、あの書類はあるのではないか、という趣旨の見解だった。

 また、東京都に取材したところ、「所有者不明猫の引取りに関する文書の中に、エサやりの状況を記載した文書はございません」という。ただし、「東京都では(中略)所有者の判明しない猫の引取りを求められた場合、その拾得者から拾得に至った経緯を聞き取り、エサやりなどが行われ猫が管理された状態であると判明した場合、引取りはしていません」という。

 つまり、東京都では「聞き取り」でエサやりをやっていることがわかれれば、引取りを拒否している。この聞き取りの部分を文書化したものが京都市のようにも一見みえる。

 だが、京都市の場合、エサやりが判明しても、バンバン引取って殺処分している。

 例えば、平成27年2月25日午後10時、とある市民が、「雑種」で「茶黒」の「新生子猫(目が開く前)」「5頭」を「庭でひろう」。この人物は引き取りが今回で「2回目」。目撃情報は、「親猫2~3頭」を「ほぼ毎日」。エサやりは「上げている人がいる」にチェックで人数や時間帯は空欄にしたままだった。5匹の子猫は全頭殺処分された。

 平成26年10月28日午後8時、とある市民が「雑種」の「新生子猫」を「1頭」、「自宅庭の茂みに捨てられていた」のを拾い、引き渡した。引き取りは初めて。「目撃情報」は「親猫5~6頭くらい」で、周辺でのネコへのエサやりについては、「特定の人があげている」、時間帯は「不明」、エサは「片付けられずに残滓が残っている」とし、「特定の近所の方がエサやりをしている。ネコやカラスが集まってきて困っている」と記載している。この子猫は殺処分された。

 (続く)


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