ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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二木啓孝氏が語る、『汚染水問題』場当たり主義ここに極まれり!

2013年08月27日 | Weblog


 2013年8月9日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」で
 
 ジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝氏が語る、『汚染水問題』場当たり主義ここに極まれり!」
 
を聞き書きしました。
 


 放射能に汚染された地下水が、海にダダ漏れしているという福島第一原発の汚染水問題。これほど場当たり主義も見たことがない。

 そもそも汚染水が海に流れ出している疑惑は、原発事故当初からいわれていた。その東電が海への流出を認めたのは、参議院選挙が終わった翌日の7月22日。そこから汚染水処理の場当たり主義が次々と明かになっている。

 福島第一原発に流れ込む地下水は、一日1000トン。このうち原発建屋に流れ込むのは400トン。さらに建屋から排水管を通る汚染水漏れで、放射性物質の汚染水が300トン流出している。これが東電の説明である。となると、残りの300トンはどこへ行ったのか?

 東電は、とりあえず排水管に詰め物をしているが、排水管の汚染水漏れが直るわけではない。さらに、海に流れ込む地下水を止めるために、海上に遮水壁をつくって囲うというが、これが完成するのは早くて来年夏。それまではダダ漏れは止まらない。

 さらに、海に流れ込む地下水を止めるために、敷地の海に近い地中に、水あめ状の固形物を水中に流し込んでいるが、これは地上から1.8m以下しかできないため、その上を海水が流れ込んでいる。

 さすがに政府も腰を上げて、福島原発の1~4号機までの地面に地下水が流れ込まないように凍土化をする。この凍土化は、地下水の流入を防ぐために、土を凍らせる技術だが、これには莫大な費用がかかり、時間もかかる。

 しかも、この建屋に流れ込んだ汚染水を現在汲み出している量は、一日100トン。汚染水のタンクは総量38万トンあるが、現在、33万トンまで溜まっている。東電は2016年までに80万トンの汚染水タンクをつくるというが、では、この80万トンの汚染水はその後どうなるのか?

 原発事故が起きてから2年5か月。もちろん炉心部分はいまだにどうなっているかわからないし、そもそも地下水の話は爆発当初からわかっていたはずだ。

 原発事故以来、東電に注ぎ込まれた国の予算は6兆円。これに凍土化建設費も加わる。これらはすべて我々の税金だ。加えて東電は、原発が動いていないから、といって電力料金の値上げを決めている。

 なんのことはない。場当たり主義の原発事故の処理にかかわる収支予算。地下水がタダ漏れになるごとに、我々のお金も使われている。


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