ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
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京都市“野良猫餌やり禁止条例”反対集会 ①

2015年02月22日 | Weblog

 諸事情により、とある媒体で、犬猫に関する筆者の企画取材執筆する記事の掲載は当面見合わせることになったため、今後は主にこちらで企画取材執筆していき、そうやって取材したことをまとめて、本にしていくことに決めた。

 

 まず、今年2月7日に京都市で開催した、通称「野良猫餌やり禁止条例」を巡る緊急集会について、数回に分けて掲載する。1回目の記事は以下の通り。

 

  

 今年1月5日、8日付で、京都市で猫餌やり禁止論が広がっていることを報じた。

 

http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/cbbe10c2a63078800570597ef6147bbe

 

http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/63a1e745afbd70dcb33a4a6ee2601df9

 

http://blog.goo.ne.jp/ssk23_2005/e/a57caa7ad20f134b1ccb3966d34b753e

 

 その後、猫にとっては、いっそう深刻な事態に直面している。

 

 まず、京都市は、昨年12月15日から今年1月14日にかけて、にわかに「『京都市動物による迷惑の防止に関する条例(仮称)』の制定に係る意見募集について」と題するパブリックコメントの募集をはじめた。

 これに合わせ、同市が公開した、「条例の骨子」の説明文書には、「本市には、野良猫のふん尿に係る苦情が数多く寄せられておりますが、この問題の解決策は、何よりも野良猫をなくすことです」として、こう記している。 

 「野良猫に餌やりをしようとする方は、猫を自ら飼養いただくか、又は、『まちねこ活動支援事業』に沿って、適切な管理の下で実施いただきますようお願いします」 

 このうち、餌をやるなら自ら飼養してください、というのは、そもそも猫を飼えない人たちが、野良猫が飢えないように餌を与えているわけなので、市の言っていることは暴論と言わざるを得ない。 

 また、「まちねこ活動支援事業」というのは、京都市が行っている、地域住民による猫の餌やりや避妊・去勢手術をして野良猫を減らしていく事業。 

 だが、同事業に参加するには「3つの要件」がある。それは、「世帯の異なる地域の人間が3人以上」集まり、「町内会等の同意」を得て、「猫用のトイレや餌やりの場所は、私有地内」に設定するというもの。 

 そもそも野良猫に餌をやっている人は、1人で活動しているケースが多いので、3人以上という基準はハードルが高い。しかも、町内会には猫が嫌いな人もいるので、町内会の同意を得てから活動するというのは、非常に難しい。さらに、「私有地」をもつ人も少ない。 

 要するに、この3要件は“狭き門”で、事実上、猫に餌をやるな、と命じているようなものである。 

 さらに、「条例を実効性あるものとするための措置」として、「改善がみられないケースや悪質なケースに対しては条例の実効性を担保するため、次のような措置を設けます」として、「勧告・命令 身近な動物に対し無責任な給餌をしたり、残飯ごみを放置することにより、周辺の生活環境が損なわれると認められるとき。」「過料 上記の勧告・命令に違反したとき」と明記している。 

 これは、事実上、無理な条件を提示し、それに背いて猫に餌をやれば条例違反、だから罰金を取る、というふうに読める。 

 この京都市の“猫餌やり禁止条例”に対し、野良猫の保護に奔走する人達から批判が噴出した。 

 そして、2月7日、急遽、「京都市・野良猫餌やり禁止条例と野良猫保護――今みんなで考える問題・猫餌やり禁止 新しい形の殺処分――」(主催:THEペット法塾)と題する緊急集会が京都市内の池坊短大で開催された。

 猫を愛する人々の怒りの声を聞くため、現地へ向かったところ、会場は約200人が参加していた。(続く)

 

 上の写真は、京都市の条例説明文書の抜粋。(赤枠は筆者が加筆)

 全文は下記からダウンロードできる。

http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000173/173377/261215jyourei_leaflet.pdf

 

 


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