ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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二木啓孝氏が語る、世界の秩序は崩れた………!!!!!!

2014年04月18日 | Weblog

 平成二十六年三月二十八日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」で
 
 ジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝氏が語る、世界の秩序は崩れた」
 
を聞き書きしました………!!!!!!

 

 ロシアのクリミア半島の侵攻・併合は、これまで築いてきた世界の秩序を崩壊させるきっかけになった。ソ連が崩壊して以降、ポスト冷戦構造といわれた25年間は、イデオロギー対立の終焉とともに、G8(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、日本、カナダ、ロシア)を軸に世界秩序が保たれてきた。今回、ロシアを外してG7となったことは、実は、大きな変化である。

 G7のなかもよくみれば、思惑はバラバラ。かろうじて反ロシアでまとまっているだけ、といえる。

 ポスト冷戦の最大の要因は、「世界の警察官」としてアメリカが軍事力を背景に引っ張ってきたが、そのアメリカが財政難から軍縮に入ったため、一挙にパワーバランスが崩れた。

 欧米のメディアでは、「アメリカの憂鬱 JIBs」といわれる。Jはジャパン。Iはイスラエル。Bはブリテン(イギリス)。

 なぜアメリカが憂鬱かといえば、この三国は、近隣の諸国とトラブルを起こしているからだ。日本は中国、韓国と。イスラエルは中東諸国と。イギリスはEU各国とそれぞれ険悪な状況である。

 これがロシア制裁のなかでの温度差を生んでいるわけだ。

 ロシアのプーチンは、G8よりG20(G8と中国、韓国、インド、インドネシア、オーストラリア、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、EU諸国の合計20か国)だ、と発展途上国との連携を深めようとしているが、これも欧米では、“フラジャイル・ファイブ”と呼ばれている。“弱っちい5か国”という意味だ。これはブラジル、インド、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコの5か国が、金融と経済で国内が混乱していることを意味する。

 これまでG8とG20が補完関係で、ポスト冷戦の世界秩序を保ってきたものの、両方が溶解しつつある。つまり、ポスト冷戦から25年経ち、新しい世界秩序を模索し始めたということだ。

 日本の安倍首相は地球儀外交と名乗って、これまで世界35か国を歴訪してきたが、基本構図は、対中国包囲網外交といってもいい。中国に北から圧力をかけていくためにプーチンとの関係を重要視してきたが、この再編もまた迫られている。

 どうやら、再び世界秩序は混沌とし始めたとみていい。

 さて、このコラムも今回が最後である。読んで頂いた人には感謝をしたい。


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