夢の続き・・・

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こよなく愛し、ささやくブログ

太平洋の奇跡

2011年02月20日 20時32分58秒 | 映画
小生 歴史は好きだけど、第二次大戦もんの映画は見る事はみるが、
どうも悲しい気分になるので・・・って感じだ。

直接の時間的接点はないものの、身内、近所含め日本の至るところで
犠牲者がいて、歴史の教科書には語られない悲惨な被害者としての話や、
あるいは70年経った日本人が見ても恥と感じるような残虐な加害者の話など
いずれにせよ悲惨な話を聞いていた事がそうさせるのかもしれない。

ただ、アメリカ軍が畏怖した人物とはいかなる人物なのか見てみたくて、
「太平洋の奇跡」を本日観た。
キャストは竹野内豊さん、唐沢寿明さん、井上真央さんほか外人俳優多数。

舞台はサイパン。
日本の敗色濃厚の中、米軍45000人の兵力に対し、
日本軍は玉砕。そのような中、16ヶ月もの間、数十人の生き残りの兵士で
200人の民間日本人を守り続けた指揮官大場大尉の話だ。

(実物の大場栄大尉)


ジャングルの地形を利用した見事なゲリラ戦で、米軍を翻弄。
指揮を執る大場大尉は「フォックス」と畏怖された。
(ジャングルの中で民間人と暮らす)


しかし、肝心の日本は降伏し終戦となる。補給の途絶えたサイパンには
その情報は届くはずもなく、米軍が呼びかけるも信じることができない。

8月15日が過ぎてもジャングルの中で戦い続けるが、後に元上官たちの命により
米軍に投降する。
(米軍へ投降)


(日本を知らない日本人の子供)



感想だが、「フォックス」と畏怖されるほどのゲリラ戦の場面が少ないのは残念だ。
しかしその一方で、誇張されることなく、英雄として大げさに描かれないところ
が良い。最後の場面の中でセリフとして語られているが、多くの仲間や敵の命を
奪ったため褒められることはしていないといった大場大尉の謙虚な人柄が
上手く描かれている。

最初タイトルの「奇跡」の意味が理解できなかった。
今の価値観では当然かもしれないが、当時投降して捕虜となることを
嫌い、自決するといった価値観が重きをなした時代の中で、
200人もの民間人を守り、部下の命を大切にして、降伏ではなく、上官命令ということで、誇りを傷つけることなく投降し、命を守ったこと自体が奇跡だったのかもしれない。

現実のサイパンはおそらく映像では描かれないくらい悲惨であったろうと
推察する。

この映画は人間性に主眼をおいているため、戦争の悲惨を描くような
ドキュメンタリーとしては薄いかもしれないが、こういう日本人がいたことを
知れたのは良かったと思う。

折りしも本日NHKでは再放送らしいが「さよならアルマ」という
ドラマをやっていた。

小生も知らなかったが犬を戦場に連れて行き、犬に爆弾を背負わせ突撃
させるといった残虐で愚かな作戦があったことを知った。

愛犬家の小生としては、なしには見られない。

当時の価値観といえば聞こえはいいが、帝国軍人の無能な将校クラスが
都合のいいように解釈し、国民に強いた神風特攻隊と並ぶこの愚かな作戦
に怒りを覚える。

帝国軍人の無能な指揮官の話を多く聞く中で、今回大場大尉のような人物が
いたことに、少々安堵感のようなものを今感じている。

今、日本のリーダーは見苦しい限りだが、大場大尉の命をかけた責任感
あるリーダーシップが見ていて心地よく、現代日本に必要なリーダーシップ
かと思う。

さて、評価であるが☆4.0

(評価)
☆☆☆☆

※★=0.5☆

(基準)
☆☆☆☆☆ かなり面白い もう一度映画館に見に行きたい。 DVDは購入する
☆☆☆☆   なかなか面白い。
☆☆☆    まあまあ。しかし何かが足りない。
☆☆      がっかり。
☆       話にならん 金返せ!!