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トレッキング最初の宿

2014-04-22 22:35:35 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 シャクナゲの大木を過ぎて20分ほどで、標高2020メートルのウレリに到着しました。

 

 

 振り返ると、眼下にティルケドゥンガ村が見えました。

 

 数時間前に、あそこで昼食を食べたのです。

 

 山腹をはしる道路の周囲は緑が消え、褐色の耕作地が広がっていました。

 

 

 
 そして、谷を隔てた対岸の斜面に信じられない光景が広がっていました。

 

 この斜面の傾斜度はどれ程あるのでしょうか?

 

 段々畑の中に、二十数軒以上ありそうな集落が見えていました。

 

 

 ウレリに到着すると、何も考えず最初のGH(ゲストハウス)の中庭のテーブルに腰を下ろしました。

 

 到着時刻は16時を僅かに過ぎていたでしょうか。

 

 予約などしていませんから、鍵の束を持ったお兄ちゃんに、「一人だけど、今夜泊まれますか?」と聞くと、すぐにOKの返事が得られました。

 

 

 ダイニングルームに、途中で仲良くなったネパール人ガイドやポーター達の顔が見えます。

 

 「ナマステ」と挨拶すると、笑顔の「ナマステ」が返ってきました。

 

 

 

 プラスチックの椅子に座り、ブラックティーを注文しました。

 

 砂糖をスプーンに二杯も入れて、糖分を補給します。

 

 

 ロバが水の入ったボトルを背負って石の階段を行き来していました。

 

 ここは、飲み水を運び込まないと賄えないようです。

 

 

 

 これが私の部屋です。

 

 ベッドが二つある、中庭に面した朝日の当る部屋でした。

 

 

 シャワーを浴びた後で、テラスへ登ってみました。

 

 

 ウレリには数件のGHがあることにこの時初めて気付きました。

 

 比較してから選べばよかったかと思いましたが、道中で顔馴染みとなった人達が一緒なので、このGHで正解だったはずです。

 

 

 ダイニングルームに入ると、ストーブに火が点いていました。

 

 隣の席にはオランダからの3人組が座っていました。

 

 地図を広げて情報交換などをした後、初日の疲れもあるのか、みんな口数は多くありません。


 

 

  

 17時になった頃、GHが客に夕食のオーダーを取り始めました。

 

 私は考えるのが面倒なので、昼に続いてダルバートを注文しました。

 

 

 食事を終えても、まだ寝るには早すぎます。

 

 ストーブの横でネパール人のガイドやポーター達がトランプを始めました。

 

 私は暇を持て余し、結局はビールを注文していました。

 出てきたビールの銘柄はエベレストでした。

 

 

  

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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ヒマラヤシャクナゲの大木

2014-04-22 15:18:28 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 長い石段を登っていると、道の横で葉を茂らせる枝に目が止まりました。

 

 

 枝先に小さなサクランボを稔らせています。


 おぉ! そうですか。 数週間前に、この辺りでお花見ができたようです!

 

 

 しかし、私はこのサクランボを見て、少々驚きました。

 

 と云うのも、ヒマラヤの桜は冬に花を咲かせると思い込んでいたからです。

 

 

 東京の小石川植物園にヒマラヤザクラがありますが、その木は12月に花を咲かせます。

 

 熱海にもヒマラヤザクラがありますが、その木は昭和43年にネパールのビレンドラ元国王から贈られた種子を育てたもので、この木も毎年12月に花を咲かせます。

 

 

 なので私は、ネパールの桜は12月に咲くものと思い込んでいました。

 

 

 とは言っても、ネパールは雨期と乾季しかない筈なので、話はそんなに単純ではないでしょうが、

 

 

 私は、この木を見て初めて、ネパールにも数種類の桜がある可能性を理解しました。

 

  

 それにしても、我ながら、見る目ができてきたらしいと思うと、嬉しくなります。

 

 2011年にアメリカを横断したとき、木をもっと知りたいと願って植物園通いを始めましたが、その成果が現われてきたかもしれません。

 

 木を見て、木が分かると、こんなにも旅が楽しめるんですね!

 

 

 そう、いいんです、唯我独尊、自我自賛で。

 自分を褒めて、もっと元気になりましょう。  

 

 

 そんな時に空からポツリと水滴が落ちてきました。


 あれ? と思って見上げると、午前中あんなに晴れていたのに、いつの間にか空は雲に覆われ、シトシトと雨が降り始めました。

 

 

 桜の木の横に、旅行者に飲み物などを供する東屋があったので、そこで雨宿りさせてもらうことにしました。

 

 

 

 30分ほども雨は続いたでしょうか。

 

 

 1~2歳の女の子が窓に手をかざし、屋根からの雨で遊び始めました。

 

 

 一緒に雨宿りをしていたトレッカー達は皆、この微笑ましい光景に笑顔を見せていました。

 

 

 雨が止むのを待って、梨の花が咲く石段へ歩を進めました。

 

 

 

 そんな石段の横で農家の小父さんが葉を切り集めています。

 

 「それを何に使うんですか」と聞いてみると、

 

 「バッファローズ ライス」(牛のご飯)の答えが返ってきました。

 

 

 

 今回のトレッキングで、この木の葉を採取する村人の姿をよく目にしました。

  

 調べてみると、インドから東南アジアにかけて分布する、クワ科のFicus racemosa (ウドンゲノキ)ではないかと思いますが、確信はありません。

  2014年9月22日注 :後日 Ficus auriculata と判断しました。 

 

 そんな登山路に突然、真紅の花を咲かせたヒマラヤシャクナゲの大木が現れました。

 

 これこれ、これですよ、私が今回のトレッキングで見たかった花は。

 

 噂には聞いていましたが、本当にでかい!

 

  

 

 今回のネパール旅行で、是非にでも会いたかった花がヒマラヤシャクナゲです。

 

 カトマンドゥの「風の旅行社」へ伺った時、ゴレパニ周辺にヒマラヤシャクナゲの群落があると教えてもらったことが、最終的に、私にこのルートを選択させたのです。

 

 それにしても、見事な大木です。

 

  

 

  

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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轍のない道

2014-04-22 12:00:46 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ティルケドゥンガで昼食を済ませ、再び歩き始めました。

 

 今日の目的地はウレリ 2120mです。

 

 この場所から543mの標高差は、高尾山より低いと思いながら登ってゆきました。

 

 道に鶏が遊び、梨の花に似た白い花が午後の陽射しに輝きました。

 

  

 

 

 左手から伸びた尾根を正面にして、谷が左右に分け入ります。

 

 右の谷がダラウンティ・コーラ本流で、左の谷がゴレパニを源流とするブルンジ・コーラでしょう。

 

 村の中に一本道が続きますが、ガイドなしのトレッキングですから、常に地図を確認し続けます。

 

 

 GH(ゲストハウス)が並ぶ村に道が続きます。

 

 

 カエンカズラ(Pyrostegia venusta)に飾られたGHをみかけました。

 

 

 ティルケドゥンガの直前までは林道歩きでしたが、この辺りから山歩きの雰囲気となってきました。

 

 村を外れ、道はゆるく谷に下ってゆきます。

 

 

 ティルケドゥンガまで、村を迂回する道に車の轍を見たのですが、この辺りまで来ると、周囲を見渡しても林道らしきものが見当たりません。

 

 

 暫く進むと、ダラウンティ・コーラを跨ぐ吊り橋に出ました。

 

 橋の上から上流を望むと、原生林が両岸を覆っていました。

 

 

 

 吊り橋を渡った先に、長く続く石段が待っていました。

 

 

 ロバの首に揺れる鈴の音を聞きながら石段を登り続けます。

 

 吊り橋から先、ロバ以外に荷を運ぶものはいないようです。

 

 

 

 1時間程も登って振り向くと、ティルケドゥンガ村が見下ろせました。

 

 林道が村を迂回しながら山腹に続き、今居る尾根に林道は届いていません。

 

 林道の周囲に階段畑が広がり、村人の営みの様子を語っていました。

 

 

 

 

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