久しぶりにライブハウスへ。
その日はブルームーンで月食だった。
大きな月が紫色に光ろうとしていた。
時間があれば、何時間もギターを弾いていた私は、弾き語りができることを楽しみにしていた。
初めて足を踏み入れたあの時の感じを思い出したかった。
時間がものすごく流れたような気もするし、
あの時のまま何も変わらずに、私たちを迎え入れてくれている気もする。
私は少しだけ変わった。ステージに立つことが恐くなくなった。
結果は全然弾けなかった。
途中、歌詞を忘れ譜面が見えなくなっていった。
私をライブハウスへ導いてくれた人が、私に言った言葉を思い出していた。
「ミュージシャンの棘は抜かないでね」
この言葉の意味を、一年後に知ることになろうとは思いもしなかった。
とあるミュージシャンとこの一年関わってきたが、
時々見える彼の全盛期の姿やエネルギーを、垣間見ることができた。
ところが今年に入り、彼からは生気が抜け、まるで羽を折られ、立ち向かうことをしなくなった戦士のようだった。
生命の灯火を、自ら消したいとでも言っているかのように見えていた。
殴られて、むしりとられても、やり返さないでいる。
そうなるんだったら、それを受け入れようとでもいうのだろうか・・・。
どれだけ冷静に保とうとしても、覇気がない姿は、私の心を悲しみで包んでしまった。
「棘はある方がいい」
どんなに無謀でも、カッコ悪く見えても、自分の信じた道を、信じた言葉を発信し続けてほしい。
喧嘩になったっていい。
これが自分だ。
これが生きる道だ。
そう言ってほしい。
もう私の中から出てくる思いはいつのまにか祈りに近くなっていった。
私は彼の中に自分を重ねてみていることも知っている。
唯一救いなのは、側にいて今の彼を全盛期と同じように、見続けている存在がいることだった。
人は人の影響力を受ける。
「ミュージシャンの棘は抜かないでね」と言ったあの一言・・・。
私は彼らをそのまま直接的に関わり、それを大事に思うことができているのだろうか・・・。
正しくあろうとする心理学やスピリチュアリティは、私には必要ない!
私は突拍子もないことを言い出し、誰もがうんと言わない道を貫く人が好きだ。
頑固で、どこまでも突き抜けていこうとする荒くれ者が好きなのだ。
誰もが歩かない道を歩くのなら、きっと誰にもそれは理解できないだろう。
悲しみがつきまとい、険しい崖っぷちに立ち、見えない暗闇を突き進むことになるだろう。
そしていつか、時々光に辿り着き、深い海の中で目を覚ますクジラのように
大きな山になるのだ。
彼は諦めた訳じゃない!
彼はもがいていることを、見せない生き方を見せているだけなのだ。
私はそう思いたい。
私のように・・・
その日はブルームーンで月食だった。
大きな月が紫色に光ろうとしていた。
時間があれば、何時間もギターを弾いていた私は、弾き語りができることを楽しみにしていた。
初めて足を踏み入れたあの時の感じを思い出したかった。
時間がものすごく流れたような気もするし、
あの時のまま何も変わらずに、私たちを迎え入れてくれている気もする。
私は少しだけ変わった。ステージに立つことが恐くなくなった。
結果は全然弾けなかった。
途中、歌詞を忘れ譜面が見えなくなっていった。
私をライブハウスへ導いてくれた人が、私に言った言葉を思い出していた。
「ミュージシャンの棘は抜かないでね」
この言葉の意味を、一年後に知ることになろうとは思いもしなかった。
とあるミュージシャンとこの一年関わってきたが、
時々見える彼の全盛期の姿やエネルギーを、垣間見ることができた。
ところが今年に入り、彼からは生気が抜け、まるで羽を折られ、立ち向かうことをしなくなった戦士のようだった。
生命の灯火を、自ら消したいとでも言っているかのように見えていた。
殴られて、むしりとられても、やり返さないでいる。
そうなるんだったら、それを受け入れようとでもいうのだろうか・・・。
どれだけ冷静に保とうとしても、覇気がない姿は、私の心を悲しみで包んでしまった。
「棘はある方がいい」
どんなに無謀でも、カッコ悪く見えても、自分の信じた道を、信じた言葉を発信し続けてほしい。
喧嘩になったっていい。
これが自分だ。
これが生きる道だ。
そう言ってほしい。
もう私の中から出てくる思いはいつのまにか祈りに近くなっていった。
私は彼の中に自分を重ねてみていることも知っている。
唯一救いなのは、側にいて今の彼を全盛期と同じように、見続けている存在がいることだった。
人は人の影響力を受ける。
「ミュージシャンの棘は抜かないでね」と言ったあの一言・・・。
私は彼らをそのまま直接的に関わり、それを大事に思うことができているのだろうか・・・。
正しくあろうとする心理学やスピリチュアリティは、私には必要ない!
私は突拍子もないことを言い出し、誰もがうんと言わない道を貫く人が好きだ。
頑固で、どこまでも突き抜けていこうとする荒くれ者が好きなのだ。
誰もが歩かない道を歩くのなら、きっと誰にもそれは理解できないだろう。
悲しみがつきまとい、険しい崖っぷちに立ち、見えない暗闇を突き進むことになるだろう。
そしていつか、時々光に辿り着き、深い海の中で目を覚ますクジラのように
大きな山になるのだ。
彼は諦めた訳じゃない!
彼はもがいていることを、見せない生き方を見せているだけなのだ。
私はそう思いたい。
私のように・・・