『男はつらいよ 寅次郎紅の花』、渥美清さんの遺作になった。 2011年05月19日 09時36分54秒 | 映画っていいですね!! この作品での寅次郎はほとんど動かず座っているシーンが多い。 実はこの頃、寅次郎役の渥美清さんは肝臓の癌が肺にまで転移しており、 主治医から前作と同様「もう出演は不可能」と診断されていたが無理を押して出演していた (主治医によると、今作に出演できたのは「奇跡に近い」とのことである)。 このような経緯もあり劇中でのテレビで寅次郎が活躍している姿は すべて合成で制作されておりこのシーンは後述のTVやDVDでも確認できる。 1996年8月4日に渥美さんが死去し続編の制作が不可能となったため、 「男はつらいよ」は本作が事実上の最終作にあたる。 ラストの寅次郎の「ご苦労様でした」は図らずも 俳優:渥美清さん及び車寅次郎役としての最後の台詞となった。 リリー演じる浅丘ルリ子は具合の悪そうな渥美の姿を見て、 「もしかしたらこれは最後の作品になるかもしれない」と思ったという。 そのため山田監督に「最後の作品になるかもしれないから 寅さんとリリーを結婚させてほしい」と頼んだと言うが、 山田洋次は節目の50作までは製作したかったらしく、願いは叶えられず 浅丘の思った通り渥美さんが半年後に死去したため今作が最後の作品になっている。 劇中のテレビで「阪神・淡路大震災」が起こったと紹介されているが 本作が制作された年(1995年)の1月17日に実際に「阪神・淡路大震災」が起こっている。 そのため町の様子はほぼその当時のものである。 この神戸ロケは現地からの要請によるものだったが、 地震の記憶も未だ生々しい被災地で喜劇映画を撮るというミスマッチに 脚本を逡巡していた山田監督に一通のファンレターが届く。 神戸市長田区でパンの製造・販売をする障害者の作業所を運営する 石倉泰三・悦子夫妻が山田監督へ送った手紙から、 山田監督は「寅さんなら、たまたま立ち寄った神戸で ボランティアをしていても不思議ではない」と思い脚本を書き上げた。 石倉夫妻の名は、そのままパン屋の店主の役名として生かされている。 NHKが寅さんの素顔を撮影させてほしいと頼まれたとき、 当初松竹は断るつもりだったが渥美さんの承諾が得られた。 その映像はNHKで放送されたTV「クローズアップ現代・寅さんの60日」、 「渥美清の伝言」、「渥美清の肖像~知られざる肖像~」やビデオとして発売された 「おーい、寅さん 最後の撮影現場日記」のシーンに使用された。 « 久々に「ユッケ」が食べたく... | トップ | パッチ、サマータイム開始! »
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