施主道というものがあると言う。
建物を建てたいと思う人に、
パッシブ・ソーラー・ハウスを紹介して、
実現することが難しい時代です。
なぜなら、人間の欲が優先するからです。
パッシブ・ソーラー・ハウスにおいて冬至は貴重な日です。
冬至とは、北半球では太陽の南中高度が最も低く、
一年の間で昼が最も短く夜が最も長くなる日です。
太陽について、
世界中の誰もが無意識のうちに見て、
そしてその恩恵を受けながらも、
あまりも当たり前に思っている人間、私も含めて。
井山先生は、自分の設計を太陽建築として、
それぞれの建物にSolarchisと名付け、
1から番号をつけていきました。
建築で世の中に貢献することとは、
太陽建築の思想を広め、
一棟でも多くの
パッシブ・ソーラー・ハウスが出来るようにすることです。
そのためには、
この思想に共感する施主を見つけ育てることです。
井山先生から、このような啓蒙活動も、
建築家として重要なことだと教えられました。
今の私がすべきことは、
このような思想を引き継いで活動していくことだと、
冬至の日の今日、気持ちを新たにしました。
私は、井山先生から、
お金を支払ってくれる施主のご要望に応えることが
設計業務ではないと教えられました。
経済至上主義の世の中にとっぽり浸かっていたいた自分には、
最初、その意味がわかりませんでした。
井山先生からひどく叱られたことを思い出しました。
施主の要望を受け入れることが設計の仕事なのではないか、
と私が言ったことが原因でした。
「そんなことだから、世界中に原発がこんなにできてしまっているんだ!!!」
「人間の欲望をでっちあげる、それが資本主義、商品化社会だ!」
「建物の形を決めるのは人間じゃない、太陽だ!」
でっかい声で怒鳴られ、
うひゃー、こりゃついていけない、と思いつつも、
この変人ぶりに魅力を感じて、
日々井山先生の教えを受けたものでした。