太陽の家 太陽建築研究所 <solarchis>

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井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウムの感想特集! その3

2023-11-11 20:27:01 | スタッフ Blog
シンポジウムが終了した直後から、たくさんの人から感想が入り、こちらがちょっと驚いています。嬉しいですね。
その感想を紹介して「感想特集」を終わりたいと思います。

Hさん:シンポジウムの盛会おめでとうございました。同時にここまでの並々ならぬご努力、そして多くの方々の編み継がれている「母なる地球 父なる太陽」にこころからの敬意と、新たな賑わいの酒田の町に行かされるのを楽しみにしています。ありがとうございました。

Oさん:シンポジウム大成功でしたね。終了後、声をかけようとしたのですが、忙しそうだったので、そのうちお話を聞かせてもらえればと思います。Congraturations! シンポジウムを生かしていけるような活動、いいですね。

Bさん:先日は大変ご苦労さまでした。本当に意義のあるシンポジウムでした。本当にお疲れ様でした。太陽建築ももっと広まればいいですね。小島さんおよび講演者の皆様に感謝です。ありがとうございました。

Kさん:とっても良いシンポジウムでした。人が亡くなっても、思いや仕事が継承されていくこともあるんだね。

Aさん:その節はお世話様でした。正直なところ、予想以上の参加者数で、感慨深いものがありました。書籍出版からシンポジウムの開催と、大変だったこととお察しします。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

Yさん:あんなに参加者が多いと思っていなかったし、内容もあれほどのものとは思っていなかった。特に構造については専門的に踏み込んだ説明もあり、素晴らしい講演を聞くことができて本当によかった。

Hさん:とても盛りだくさんで濃いシンポジウムでした。一緒に行った友達とも、すごくよかったね、と盛り上がりました。ありがとうございました。

Eさん:昨日はとてもお世話になりました。井山先生の行動力や考えた言葉に心が揺さぶられます。素敵な書籍をありがとうございました。

Nさん:太陽建築を探る、解剖するなど内容が深くよかったです。

Tさん:盛況だったようで何よりです。ご苦労さまでした。井山さんの功績やパッシブソーラー建築への理解が広まることを願っています。

Sさん:有意義に聴講させていただきありがとうございました。

Tさん:とても興味深い内容でした。太陽光のエネルギーを有効活用できる建築デザインの基本が、洞穴や竪穴式住居に暮らす時代から活用されていたことに驚きました。すごく勉強になり、地元を深く知ることにもつながりました。ありがとうございました。

Iさん:シンポジウムお疲れ様でした。パネラーの方も井山先生を想う心がいっぱいで、小島さんの気持ちが伝わる会だったと思います。来年はいつも通り、桜の頃のカフェに行けるようにと考えています。すてきな講演会をありがとうございました。

Yさん:すごく有意義な時間でした。ありがとうございました。英理子さんと出会っていなかったら「太陽建築」の言葉には心が留まらなかったと思います。ご縁に感謝です。これからも、よろしくお願いします。

Tさん:シンポジウムご苦労さまでした。内容もよかったですね。今後の展開が楽しみです。

Eさん:3時間は長いと思っていましたが、素晴らしすぎて、あっという間でした。渡辺菊眞さんと川島範久さんの説明もとてもわかりやすかった。太陽建築の本はクラウドファンディングで手にいれて、今回は川島さんのシミュレーションの本を買いました。これから建物を建てる時やリフォームするときがあるかもしれないので、その時のために自分で勉強しておこうと思います。パッシブソーラー建築のことをわかっていない人には頼まない。

Iさん:お疲れ様でした。企画運営大変だったと思いますが、想いが詰まった催しでした。ありがとうございました。

Mさん:俺は今、祖父母が残してくれた家で暮らしています。この家は今後手直しが必要なのですが、仲間と楽しくセルフイノベーションしたいと思っています。その際、参考にしているのが酒田市にある「太陽建築の家」です。先日、その太陽建築のシンポジウムに参加し、取り入れたいことが盛りだくさんでした。「僕たちは家づくりに関して、お金を払うこと以外何も出来ないと思い込まされているけれど、生活者の手に家づくりを取り戻すことはできる」という登壇者の言葉に大きく勇気づけられました。







井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウムの感想特集! その2

2023-11-08 16:44:01 | スタッフ Blog
シンポジウムで講演いただいた高橋俊也構造建築研究所の髙橋俊也さんから感想が届きました



『シンポジウムはとても盛況だったように感じました。また念願だった研究所を訪れることができました。研究所は太陽建築の本にもあったように、太陽建築の原理が純粋に反映されたとてつもなくすごい建築だとあらためて思いました。そして、存分に有効活用されるべきだと痛快をしました。宿泊した次の日の朝には次のステップに向けたお話もして、みなさんで知恵を出し合いながら、実現してほしいと心から願っております。私ももしお力になれることがあれば、ぜひおっしゃっていただけたらと思います。』

高橋さんは、渡辺菊眞さんのパートナーで、構造計算をしています。前からお名前は聞いていましたが、私はお会いするのが初めてでした。高橋さんは、太陽建築研究所を見学するのが初めてであり、それも含めての感想です。
「とてつもないすごい建築」という感想を聞き、こちらが驚いています。
太陽建築研究所での2次会では、夜中の2時まで話がもりあがり、高橋さんのユニークなお人柄が感じられました。何がユニークかと? 墓博士でもありますから、とっても面白く、崇高な話をされる方であるところです。

井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウムの感想特集! その1

2023-11-07 20:49:16 | スタッフ Blog


シンポジウムを終えたその日から、多くの感想が寄せられておりますので、それを紹介いたします。
やってよかった、そして、これを未来につなげたい。
まさしく「太陽建築がみちびく未来」
(キャッチフレーズはKさん)

その1では「空き家のお医者さん」Blog
https://ielabo-compass.com/
ご本人から承諾を得て紹介します。
さくまさちこさん、ありがとうございます。

1.井山武司と太陽建築
まずは、今回主催された太陽建築研究会について、少し書いておきたい。
井山氏は、山形県酒田市の生まれで、昭和51年の酒田大火後の復興に貢献された建築家です。
故井山武司さんとは、パッシブソーラー建築の先駆者であり、彼は自身が手掛けた建築を「Solarchis(ソラキス)」と名付け、生涯かけて51のソラキスを送り出している。

その建築思想は単なる省エネルギーではない。
古の建築様式を紐解き、時代を超えて、根源的なその思想を取り入れ、また、理論武装したうえで発展させている。
この思想は未来の建築様式に是非生かして根付いていってほしい。その遺志を継いだ方たちが組織しているのが太陽建築研究会です。

以前からシンポジウムを開催したいと聞いていて、開催を楽しみにしていたので、実現されてなぜか私も感無量です😍

2.5名の講師のお話
講師の5名の先生方はパッシブソーラー建築に別々のアプローチで関わっている方たちで、各分野から見た太陽建築や井山氏の思想について、そして、持続可能な社会の構築を真に目指すために、パッシブソーラーの意味を問い、未来に繋げることの重要性についてお話してくださいました。

各講師のみなさんのお話はとてもおもしろく、わかりやすかったですし、その重要性も十分理解できました。
これをできればみなさんにお伝えしたいわけなんですが、果たしてうまく書けるかどうか・・・
私の語彙力の無さがこんなにもどかしいことはありませんね😅

3.究極の家づくり
究極の家とはどんな家か、考えたことがありますか?
わたしが普段、家づくりに携わっていて感じることは、利便性がなによりも優先されるということです。

土地選びも、周辺環境や学区や職場との利便性が何よりも優先されます。
建物も、シンプルに方角や道路付けは考慮しますが、なによりも利便性が優先されてプランニングされます。

これは当たり前だと私も思っていますが、それだけでは究極の家は作れません。
今回、このシンポジウムに参加して、それに気づかされました。
「より多くのエネルギーを使うことが裕福の象徴になっている」
この言葉にはハッとさせられました。
現在の家づくりにおいては、より新しい設備、より便利な、より高価な設備を使うことがステイタスになっています。

技術の進化で、電化製品の質がどんどん良くなり、私たちは日々、たくさんの電化製品を利用して生活しています。
低炭素やZEHなどの取り組みで、エネルギー消費の少ない住宅を建てることを推奨しておきながら、それを実現するために多くのエネルギーを使わざるを得ない、本末転倒の状況に私たちは矛盾を感じなければいけないと思います。

太陽や大地のエネルギーを活用して生活していた時代の生活様式や、建築様式には、よりエネルギー効率のいい思想や技術が盛りだくさんに詰まっています。これらを取り入れたパッシブソーラー住宅は本当の意味でSDGsな家づくりだと思います。

究極の家づくりとは、「機械的手法に頼る前に、建築的手法を取り入れて室内環境を一定に保てる家づくり」です。

3.地球全体のSDGs
電力不足を補うための太陽光発電設備や、風力発電設備などは、その土地の生態系を狂わせ、周辺の土地に悪影響を与えています。

土地や環境を破壊して電力を発電することよりも、パッシブ(建築的手法)を取り入れた家づくりを推奨する方が、地球全体のSDGsにつながることは言うまでもありません。

熱効率の良い家(快適な室温を保てる家)を、高気密高断熱住宅や、なにかしらの建材や工業製品で作るのではなく、出来る限り建築的手法(パッシブ)でちかづけ、それでも届かない範囲を機械的手法(アクティブ)によって調整するべきです。

そしてそのカギとなるのが「太陽」。
太陽の温かさと、地球と太陽の動きによってもたらされる「風」がもたらす涼しさを有効に取り入れることで、空調設備で使用するエネルギーを減らし、さらに快適性も得ることが出来る。

このしくみが「パッシブソーラー」であり、地球そのものに対するSDGsだと思います。

4.これからの家づくり
この、パッシブソーラーを取り入れた家づくりは少しづつではありますが、広まっていくと思います。
コロナの影響で、在宅で仕事が出来ることに気づいた人たちは、こぞって田舎暮らしや2拠点生活を始めています。
必ずしも中央都市に住む必要がなくなり、中央都市に住むことがステイタスでは無くなってきています。
今後はもっと土地が広い地域で自然を取り入れた暮らしをしたいと思う人が増えていくとおもいます。

そうなれば、パッシブソーラーが取り入れやすい家づくりがしやすくなりますし、この情報社会ですから、消費者のみなさんの中にもパッシブソーラーで家づくりがしたい人も増えていくでしょう。

そんな未来にするためにも、この太陽建築を未来につなぐ思想をもつ、太陽建築研究所が、いま必要とされていると思います。
今回のシンポジウムのような機会も、もっと増えてくれると嬉しいです。

5.まとめ
良いものは無くならない。
そういう時代が来るといいですね。

利権関係が絡むので、太陽建築が爆発的に普及するのは難しいかもしれません。
しかし、着々とファンを増やして、知識人はみんな取り入れてますくらいには、いずれなると思っています。

まず、そもそも、この仕組みを知っている人が圧倒的に少なすぎると思います。
建築家でも知らない人が多いのが現実です。
というか、「興味がない」のほうが合っているかもしれません。

すばらしい考えだけど、自分には関係ない。
自分の会社には関係ない。
そう思っている人も業界には多いかもしれません。

SDGsの視点からも住環境を考える必要がある。
といったような教育を建築学科で教えてくれたらいいのに。
建築士試験に取り入れたらいいのに。
そう思います。

と、そんなことを何の力もない私が思ったところで・・・
何ができるわけでもないんですが、少なくとも、私は、パッシブを取り入れた家づくりをしていきたいと、強く思いました。

いや、私の語彙力のなさよ・・・
もっと伝えたいことは山ほどあるんですが、私にはこれが限界のようです💦

是非、下記の書籍を手に取って、読んでいただきたい❣
■井山武司著
「太陽建築」~母なる地球、父なる太陽~

■川島範久著
「環境シミュレーション建築デザイン実践ガイドブック」~自然とつながる建築をめざして~

井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウムと懇親会の様子です

2023-11-07 20:37:17 | スタッフ Blog

東北公益文科大学

[13:30] 開会 司会:山﨑典子
[13:35] 祝辞「書籍『太陽建築』発刊に寄せて」:鎌仲ひとみ氏(映画監督/ぶんぶんフィルムズ代表)
[13:50] 講演「太陽建築と井山武司」:渡辺菊眞氏(建築家/高知工科大学准教授)
[14:30] 対談「Passive Architectureのこれから」:川島範久氏(建築家/明治大学准教授) × 渡辺菊眞氏
[15:30] 休憩(10分)
[15:40] 講演 太陽建築の起点①「大工町計画と、これから」:温井 亨氏(東北公益文科大学教授)
[16:00] 講演 太陽建築の起点②「大工町計画の構造と、その可能性」:高橋俊也氏(高橋俊也建築構造研究所)
[16:20] 謝辞「太陽建築研究会からあいさつ」:小島英理子(太陽建築研究会代表)
[16:25] 閉会


鎌仲ひとみ


川島範久 渡辺菊眞




西方里見先生 真ん中正面に! 講演者の建築家さん、緊張しますね!


懇親会は酒田市の伊豆菊で


盛り上がりました


宿泊は太陽建築研究所

井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウムが無事終了いたしました。

2023-11-05 22:08:44 | スタッフ Blog


井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウム・太陽建築がみちびく未来が無事に終了いたしました。
90名を超える参加者がありました。
参加された皆様、開催に協力してくださった皆様、多くの方々に感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。

大先輩の西方先生もいらして、川島さんは緊張ぎみ?










シンポジウム終了後、懇親会を終え、太陽建築研究所へ





荘内日報:人類の地球環境破壊に挑んだ建築家

2023-11-02 19:37:58 | スタッフ Blog
11月3日付けの荘内日報に掲載いただきました。
井山武司著「太陽建築」出版記念シンポジウムでも講演いただく温井亨氏が書いてくださいました。



11月4日(日)、東北公益文科大学において、酒田の建築家、故井山武司氏の業績をまとめた書籍『太陽建築』の出版を記念してシンポジウムを行います。ここにその論点をまとめましたので、関心を持たれた方は是非ご参加ください。
井山さんは丹下健三に師事し、兄弟子の磯崎新のように世界的な建築家になる可能性もあったかも知れない。しかし、そうならなかったのは、本人がそれを捨てたからとも言える。造形や空間で勝負することを止め、別のテーマを選んだからである。それがパッシブソーラーであった。建築の重要な役割は、外部の気候、環境から人間を守ることにある。雨風を防ぎ、暑さ寒さを和らげること。現在、後者の制御が肥大化し、大規模な建築では建築費の過半を占めているが、それはほとんどアクティブな環境制御の方法によっている。エアコンはその代表的なものである。そしてこれが莫大なエネルギーを消費している。地球温暖化が進み、近年は異常気象が頻発するようになっている。CO2の削減が叫ばれ、再生可能エネルギーへの移行が進められているが、これだけでは十分でない。エネルギーの供給元を換えたところで消費量を抑えなければ熱は放出され続ける。これは特に都市のヒートアイランド現象として被害をもたらしている。現在政府は断熱と気密性を上げることで冬のエネルギー消費を抑えようとしているが、その結果、窓の小さな住宅が増え、夏もエアコンに頼らないと住めないようになっている。吉田兼好が薦めた家とは正反対の家となりつつある。熱中症で亡くなった方の家をニュースで見ると、窓が小さく、これではエアコンを止めると生存が危うくなるのは自明である。断熱材とソーラーパネル、風力発電に頼るのは片手落ちと言わざるを得ない。
パッシブソーラーはそれとは別のもう1つの室内環境制御方法である。機械設備に頼らずに建築的工夫で暑さ寒さを制御する。夏の日差しは庇で遮り、冬は日の光を奥まで入れて太陽の熱を最大限に活用する。ソーラーパネルによる発電も使うが、それは補助的なものである。太陽のエネルギーを電気に変換すると8割は失われてしまう。したがって直接使う方が良いのである。そこで重要なのは配置だと井山さんは言う。南向きであること、これが基本だと言うのである。このようなパッシブソーラー建築は雪国では不利である。しかし井山さんは研究を重ね、庄内でもエネルギー収支ゼロの住宅を実現した。
さて、シンポジウムのもう1つのテーマは、酒田大火復興都市計画のもと井山さんが設計した中通り商店街の店舗住宅建築である。井山さんは建築の向きが重要であると言った。ということは、都市では街区の作り方で既にパッシブソーラーの都市建築ができるかどうか決まることになる。その点酒田は東西の本町通りを元に町割されたので、通りと裏の駐車場に入口を持つ井山さん設計の店舗では南北に風が抜け、夏でも涼しい。ある店は、今年の夏は数回しかエアコンをつけなかったと言うし、お隣はそもそもエアコンを持っていない。パッシブソーラーを志す原点となったというのも頷ける。
さて、この建築には以上に加え評価されるべき点が2つある。その1つは鉄筋コンクリート建築の長寿命化を考える上での重要性である。日本の鉄筋コンクリート建築は長く持たないのではないかという疑問が投げかけられている。施工性優先で水が多いためだが、その解決策にプレストレスがあり、それを一般的な柱梁構造に応用する方法として圧着関節工法がある。井山さんの建築はこれを採用した最初期の建築と思われるのである。もう1つは、都市建築のモデルとしての意義である。かつて日本の都市は町家という優れた都市建築によってできていたが、今は混乱の中にある。マンションはまばらに建っている限り住環境を得られるが、全てがマンションになると成り立たない。パリのような中層の都市建築で有機的に構成された都市が望まれるが、井山さんの建築はその第一歩となると考えるのである。近年、国はコンパクトで歩いて暮らせる街を目指すという方針転換を打ち出し、酒田も鶴岡も計画策定を終えたが、計画区域を定めただけで具体的なイメージがない。これは全国どこもそうなのだが、そのとき、歩いて暮らせる街を目指した復興都市計画と井山さんの建築は出発点となり得るのである。今必ずしもうまく行ってないのは50年早かったからであり、この遺産を受け継ぎながら未来を考えるべきなのだ。
シンポジウム「太陽建築がみちびく未来」11月4日公益大大教室13:30-16:30
資料代500円、当日参加歓迎。問合せ:090-4887-4475
東北公益文科大学教授 / 温井 亨