白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

人間はミスを犯すものだ

2020年11月17日 06時35分08秒 | 日記
そばを打った。
いよいよ新そばに切り替わると製粉会社からメッセージ。
自宅に在った去年のそば粉を使い切ろうとオリジナルブレンドを作った。
既に発売になっていた北海道産の新そば300グラム、玄挽150グラム、韃靼そば50グラムの計500グラム。そこにツナギの小麦粉100グラム。いわゆる二八そばだ。
加水は様子を見ながら、数回に分けて。
徐々に粉がまとまり、小豆大からピンポン玉大になり、色も湿りを帯びて黒っぽくなった。さらに数的水を加えまとめに入る。鏡餅風になった。いい感じ。
捏ねに入る。
ん!なかなか照りが出ない。すぐに思ったのは、玄挽というそば粉は粗挽きで水をたくさん吸うということ。それもすぐにではなく時間差がある。徐々に水を吸って、加水が足りなくなってしまったのではないか。そこで、禁じ手ではあるが、手に水を付けて練り込む作業を繰り返した。その結果、いい具合の加水になったように見えた。やれやれとホッとしたのもつかの間、鏡餅を手で押しつぶす手延しの作業で、ひび割れが入る。
「オレの技術はこんなものか、まだまだ初心者の域を出ないなあ」
すっかり意気消沈。こんな状態ではそばになるのだろうか。改めて打ち直そうか。ブレンドすると加水率が判らず寒に頼るしかない。ブレンドしないで打ち直そうか。
そこまで考えて、ん!待てよ、もしかして...
ツナギに使った小麦粉の入れ物を見て、「あ~、やっちゃった!」
なんと、それはよく似た打粉の入れ物だった。
500グラムのそば粉に加えたのは花粉と呼ばれる蕎麦粒の中心部分の打粉だったのだ。この打粉は御前粉とも呼ばれ、湯捏ねでなければ繋がらないといわれる粉。それを2割も加えてしまったのだから、繋がらなくて当たり前。
改めて打ち直す決心をしたが、せっかくのそば粉も無駄にしたくない。ダメ元で打ち続ける。猫手は駄目、コロコロ加圧。延し棒は垂直加圧。壊れ物を扱うようにそっと慎重に切りまでもっていく。
その後、北海道の新そばと韃靼そばのブレンドで二八そば5人前のそばを打った。
非常に楽に打てた。自身も取り戻した。
事故で十割蕎麦になったそばと、二八そばを夕食に供した。娘は十割そばがうまいと言った。かみさんは二八そばがいいと言う。息子はどっちもいいかなという。
家族には事故で十割蕎麦になったことは内緒にしておいた。何とかそばになってよかったと内心胸をなで下ろしていた。
打粉とつなぎ粉の入れ物にはしっかりラベルを張ったことは言うまでもない。
『人間はミスを犯すものだ』
そのミスをいかに防ぐか、リカバリーするか、そこに人間の力量が問われる。何とかキレイにまとめようとしているが、本当に初歩的なミスを犯して恥ずかしい限りであります。反省(のポーズ)。







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