白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

相模から江戸へ  甲州街道の旅

2022年06月09日 21時30分50秒 | 日記
一昨年の一月、甲州から相模(現代では山梨から神奈川ですね)の相模湖駅まで歩いた。
その後、江戸との境目、小仏峠越えは、大雨の影響で通行止めとなっており、街道歩きは中断していた。そこにコロナ騒ぎが重なり、二年以上足止めを喰らってしまった。
次第に馬齢を重ねるうちに、歩き切れないまま終わってしまうのも悔しい。
意を決して小仏峠越えを決行した。
深夜割引の効く午前四時前に高速に乗った。
相模湖駅前八時頃到着。

古い街道筋と国道二十号線をしばらく歩いた後、その名も美女谷方面の山に入っていく。高速道路の拡張工事が行われていた。
車道を離れ、いよいよ本格的な山登りの道。細い道だが、かつての旅人はここを歩いていたのだと思うと感慨深い。
重層的な時間を旅しているような気がする。

峠の頂上に出た。
ここは交差点になっていて、高尾山、景信山、相模湖方面、高尾駅方面に行くことが出来る。
ここは大勢の人たちが行きかっていた。
相模湖方面の道には全く人影がなかったのに比べると、表と裏の違いがある。
トレラン姿の人や、かなり年配の人、女性の単独行者など多彩。

峠を下り、裏高尾の街に出た。
ここに、するさしの豆腐屋さんがあって、かなり有名らしい。
立ち寄っておからドーナッツ購入。
甘すぎず、おいしい。

小仏の関所跡など見つつ高尾駅に到着。およそ十六キロ。五時間。
電車で高尾から相模湖まで一駅。

信州の下諏訪から歩き始めた甲州街道の旅も、いよいよ江戸に入った。
日本橋まで残り五十四キロ程。
コロナ下の都会を歩くのはちょっと躊躇するが、もう少し収まったら出かけるとしよう。

帰途は塩山温泉の旅館に一泊。
これまでは日帰りだったが、寄る年波には勝てず、無理をしないことにした。
ベッドでなく、畳の上で眠れるのは最高だ。
朝夕の食事も、手作りで美味しかった。
さらに、ナンタラの県民割だとかで二人で四千円の割引。
そこに、山梨県で使える四千円のクーポン券ももらった。これは、取扱店舗が限られているので、使わずに持ち帰った。

翌日は下道で、清里、野辺山の高原ルートをドライブしてのんびり帰宅した。
良い旅だった。