想像ドライブ

地図が好きだ。当然クルマにナビなど付けない。金が無いってこともあるが、必要性を感じないから。いや、ドライブがつまらなくなりそうな気がするからかな。

私のドライブは出かける前にあらかじめどのルートで行こうか、と地図を眺めることから始まる。その時点ですでに私のドライブは始まっている。頭の中では、すでに太陽が燦燦と輝く海辺のワインディングを駆け巡っている。夏でも涼しげな風が吹く、高原へ続くドライブウェイを走っていく。知った道もあれば、当然走ったことの無い道もある。そうして想像の中のドライブは続く。

時間が経ち、実際のドライブが始まる。想像したのとは違う風景が目の前を流れていく。BGMの心地よいサウンドが風景に溶けていく。永遠にアクセルを踏み続けるなんてことを考えてみる。あり得ないけど。そして、カーブの出口で加速度を背中に感じる。想像とは異なっているが、美しい風景が現れては消える。そうして、あっという間に目的地に着く。永久に着かなくてもいいのに・・・。

ドライブは人生だ。そうすると想像の中でのドライブは、生きていく上でのシミュレーション？