時に誰かを傷つけたとしても   218

2023-09-16 18:46:25 | 小説

「星君が、空君に遠慮して自分の気持ちを、抑えるのって、どうなのかな?」

久実さんが、星の話を聞いて、疑問を投げかけた。

ネクタイを外して、額の汗を拭いながら、「空じゃなければ、遠慮なんかしませんよ」と、投げやりに、星が答えた。

星におしぼりを渡しながら、マスターが、「誰かを傷つけることになるかもしれないけど、自分の気持ちに素直になっても良いんじゃないの」と、久実さんに、同調した。

何時ものお気に入りの席に座っている冬子さんが、編み物の手を休めて、「自分の気持ちを、大事になさらないと、後できっと後悔なさるわよ」と、静かに言葉を添えた。

星は、☕を飲みながら、じーっと考えているようだった。

 

 

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