何故か自衛隊が解散された近未来の日本の政令指定都市に13歳で少女を切り刻み殺害し想像上の魔王に捧げた猟奇殺人犯の少年康平は、数十年たって最新の心理療法を受け迷える者を救うというある神父の養子になり名前を変えて社会へと戻って来てコンビニで慎ましく働きながらひっそりと暮らしていた。
だが町で発生した誘拐事件に巻き込まれて無軌道な犯罪に巻き込まれていく過程で、抑えられていた少年の「悪い種子」が再び頭をもたげ善と悪、二つの狭間で揺さぶられる魂の慟哭が描かれる1部の月編。
テロリストの爆破事件、銃撃、そこへ民間の多国籍の傭兵部隊・国際的警備組織軍人「ピース・メーカー・サービス」(国連や国からの受託で国際紛争の沈静化、停戦監視を請け負う民間組織)がやってきて容赦なく市民を殺していく。
さらにまた 猟奇殺人 遺体のコレクターなるものが登場し期待される更正プログラムからどんどん逸脱していく自分に苦悩する主人公の康平が描かれる破天荒な筋書きの・・・2部の陽炎編。
後半の破天荒なバーチャルゲームのような怒濤の展開は物語の破綻をとるのか、著者の計算された思惑のあるあらすじからのエピローグなのか?
軍隊のパートタイム化、グローバリーゼーションと非対称戦争など軍事の市場化、兵力が労働力として認められる中での正義とは何かを問うのならば納得もいくのだが中途半端な出来で不満が残った。
2011年2月 早川書房刊
だが町で発生した誘拐事件に巻き込まれて無軌道な犯罪に巻き込まれていく過程で、抑えられていた少年の「悪い種子」が再び頭をもたげ善と悪、二つの狭間で揺さぶられる魂の慟哭が描かれる1部の月編。
テロリストの爆破事件、銃撃、そこへ民間の多国籍の傭兵部隊・国際的警備組織軍人「ピース・メーカー・サービス」(国連や国からの受託で国際紛争の沈静化、停戦監視を請け負う民間組織)がやってきて容赦なく市民を殺していく。
さらにまた 猟奇殺人 遺体のコレクターなるものが登場し期待される更正プログラムからどんどん逸脱していく自分に苦悩する主人公の康平が描かれる破天荒な筋書きの・・・2部の陽炎編。
後半の破天荒なバーチャルゲームのような怒濤の展開は物語の破綻をとるのか、著者の計算された思惑のあるあらすじからのエピローグなのか?
軍隊のパートタイム化、グローバリーゼーションと非対称戦争など軍事の市場化、兵力が労働力として認められる中での正義とは何かを問うのならば納得もいくのだが中途半端な出来で不満が残った。
2011年2月 早川書房刊