読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

湊かなえ 著「夜行観覧車」

2010-08-02 | ま行
「告白」本屋大賞受賞→映画化(大ヒット)と
一躍有名になった普通の主婦作家湊かなえ氏の推理小説。
高級住宅地に住むエリート一家高橋家で起きたセンセーショナルな事件。
被害者は医者の父親で撲殺された。逮捕されたのは母親、しかも高校生の息子が行方不明。
隣に住むおばさんは隣の家の遠藤家でも毎晩母親と娘彩花の大喧嘩が聞こえていたのでてっきり事件は遠藤家かと思ったが・・・。
事件が起きた夜友人宅に外泊していた高橋家の長女比奈子と、向かいに住む家族らの視点から、事件の動機と真相が徐々に明らかになる。
被害者も加害者も同じ家族。外からは綺麗に見えても中は当事者でなければわからないもの。
家族の絆も事件や何かなければ確認することが出来ないものなのか?考えさせられた。
被害者宅に投げ込まれた石や塀に張られた中傷のビラ。
遺された子どもたちは、どのように. 生きていくのか。ぐいぐい引き込まれる展開は何時もながら流石。
後半、ずっと現実逃避していた遠藤家の父親がそれじゃいけないと決心し、その日たまたまリフォームをした家が高橋比奈子の友だちの家だった事から、
その子供たちと高橋家のビラを剥がしに行くシーンが唯一前向きで希望の光が見えます。
『家族に起きた事件は、他人が裁く必要はない。家族が事実を確認すればよい。』

2010年4月双葉社刊

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