見事な花を咲かせる桜の根元に、3000枚の金貨を埋めた。場所は和歌山県のどこか。「みつけたら、あんたにあげるよ」荒唐無稽とも思える話を入院中の病院で芹沢由郎という末期の肝臓がん患者から告げられた。
5年前に聞いたこの話しを思い出した斉木光生は、会社の同僚二人と芹沢の娘の叔母に当たる室井沙都で「宝探し」を始める。
金貨を埋めたと語った芹沢由郎は、闇の世界を自らの力ではい上がり、支配してきたファイナンス会社の経営者の一人。
やがて約20年前に作成された芹沢由郎についての調査会社の報告書を読んだ斉木らは、虐げられ疎外され続けた芹沢の不遇の人生の顛末を知り、そこに書かれたことを手がかりに和歌山を訪れる。
ミステリー話しかと思うと途中主人公の斉木が語るシルクロードの旅の思い出や故郷の母が経営するこだわりの蕎麦屋の話、喫茶店のマスターの恋の話、ゴルフについての薀蓄などがあったりと中々宝探し展開には進まずイライラする。
著者は宝探しをメインに実は、人生とは生きるとは何かを語り、金貨という具体的な宝を求めた男女の行動を通じて普段気付くことがなかった見えないものの恵みを認識する様子を語る。
謎解きの方は、昔の身辺調査書のヒントを辿るだけでその日にあっけなく見つかるし、陰謀をはらんだ闇金ファイナンスの顛末もうやむやだ。
いつもながら宮本さんの物語の登場人物の多くは善人ばかりで、描く女性は美人が多い。
比較的裕福な中流以上の主人公によるグルメ話しやゴルフ話しに縁のない私にはウンザリだった。
「人生って、大きな流れなんだな。平平凡凡とした日常の連続に見えるけど、じつはそうじゃない。その流れのなかで何かが刻々と変化している」(本文より)
2010年7月光文社刊
5年前に聞いたこの話しを思い出した斉木光生は、会社の同僚二人と芹沢の娘の叔母に当たる室井沙都で「宝探し」を始める。
金貨を埋めたと語った芹沢由郎は、闇の世界を自らの力ではい上がり、支配してきたファイナンス会社の経営者の一人。
やがて約20年前に作成された芹沢由郎についての調査会社の報告書を読んだ斉木らは、虐げられ疎外され続けた芹沢の不遇の人生の顛末を知り、そこに書かれたことを手がかりに和歌山を訪れる。
ミステリー話しかと思うと途中主人公の斉木が語るシルクロードの旅の思い出や故郷の母が経営するこだわりの蕎麦屋の話、喫茶店のマスターの恋の話、ゴルフについての薀蓄などがあったりと中々宝探し展開には進まずイライラする。
著者は宝探しをメインに実は、人生とは生きるとは何かを語り、金貨という具体的な宝を求めた男女の行動を通じて普段気付くことがなかった見えないものの恵みを認識する様子を語る。
謎解きの方は、昔の身辺調査書のヒントを辿るだけでその日にあっけなく見つかるし、陰謀をはらんだ闇金ファイナンスの顛末もうやむやだ。
いつもながら宮本さんの物語の登場人物の多くは善人ばかりで、描く女性は美人が多い。
比較的裕福な中流以上の主人公によるグルメ話しやゴルフ話しに縁のない私にはウンザリだった。
「人生って、大きな流れなんだな。平平凡凡とした日常の連続に見えるけど、じつはそうじゃない。その流れのなかで何かが刻々と変化している」(本文より)
2010年7月光文社刊
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