メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

Space Identity

2006-02-18 23:55:55 | lyrics
みんなは行ったわ
またあんたと二人っきりね
いろいろゴタゴタしてたけど
最初からあんたと二人だったものね

黒い顔の男は行ったわ
確かあんたの友だちだったけど
顔の腫れ物をいじくりながら
しばらくドアの前に立ってたわ

白い顔の女も行ったわ
あてもない約束をいくつも残して

青い顔の少年も行ったみたい
桃色の顔の少女がその後を追って

紫色の中年も
彼には何も聞かないほうがいいわよ
大したことは期待出来ないし
ホラもうドアの向こう

これからも
いろんな奴がドアから入って、ドアから出ていって
いろんな奴がドアから入って、ドアから出ていって

たまに趣味も尋ねてみるけど
見たり、見られたりで

結局は あんたとあたし
あんたっていうあたしと
あたしって顔したあんた




過去作

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紫の雨が降る町

2006-02-17 23:55:55 | lyrics
振り返り
振り返り
人目を盗んでのみ前進する


この紫の雨が降る町で
宙を掻くカラスが
こんな風に合図を送る



こちらCポイント通過


(雑音)


こちらFポイントを通過


(雑音・・・雑音)



緑の粘液を欄干に吐きながら
飛んでゆく黒いつばさ


馬の尾
駆けてゆく馬の背
いつまでも いつまでも続く
馬の背骨


すれ違う影
真っ黒い影


下をのぞくと川
紫色の川

紫の雨が積まれて
勝手にうねった川


振り返り
振り返り

人目を盗んでのみ前進する







過去作

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big blue

2006-02-16 23:55:55 | lyrics
黙って運命のあとについてらっしゃい
君は何も考えなくていい
ときどき
右か左を指してくれるだけで


誰の心の中にも
大きな暗闇のひとつは飼っている

そこに浮かぶ
まっ白い牡丹のような月

人差し指でそっと押したら
どんなステキな夢の世界を
開いて見せてくれるだろう

私はただそれが

純粋であることだけを願う
純粋であることだけを願う

近頃は小さな子どもの
小さな心の中にまで
すでに大きな邪悪が見えるから


眠りにつくまでの
この静かな魔法の時間が好き

月よ
我が古き友よ

どうか君の宿敵をもうすこし
暗闇の裏側におし留めておいてくれ

うかつにも意識を失った瞬間
数個の幻と引き換えに
たちまち朝の光のジェットコースターに
乗せられてしまうんだ


皆眠りにつく前の
短い懺悔が必要だ
永い癒しが必要なんだ

その日1日を思い出し
他の日と違って 意義あるものだったと
自分に言い聞かせるために


新しい朝を迎えたら
きっとステキな人々に出会えるだろうと
言い聞かせるために

皆ゆっくりと心と体を許せる
そんな暗闇がひとつやふたつ
必要なんだ



いつか君に届くまで
白い線路をつくらせよう

その上に 古くて上品な列車を走らせ
孤独と苦しみを抱える人々を
のこらず乗せていこう

暗闇夜行列車の行き先は「朝の光」
運転士は切符を確かめながら
こういって歩いていく


まっすぐ運命のあとをついていきなさい
他にはなにも考えなくていい

ときどき
右か左かを指してくれれば

君はいつまでも 私を騙しつづけておくれよ
いつまでも 君のままでいてほしいよ
ずっと騙しつづけておくれ




1997.3.18作

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happy monkeys

2006-02-15 23:55:55 | lyrics
私はここにいる
私はここにいない

君は君の人生の夢を見ていて
私は私のを見ている

我らは進化途中の 陽気な猿たち
幸福な猿に 栄光あれ!


小枝に寄りかかる 濡れた枯れ葉は
疲れをいやしている

今なら追いつくかもしれない
愛するあの人に
今すぐ走り出せば


我らに慈悲を!
がれきの上に住む私たちには
今ならあなたの痛みがわかる

海は自然がもたらす すべての恵みを抱いている
重力とともに落ちる リンゴのように
2人が離れてゆくのは止められない

私は未知の強大な力によって 引っ張られている
それは他のすべてとつながっている


先を急いでいく
1人追い越し 2人追い越し
急がなければならない訳などないのに

長生きしたくて 生きてるんじゃない
毎日楽しく過ごすこと
それが生きてるってこと
気楽にいこうよ
無駄に働く時計を止めて
この先にとてもステキなものが待っていると伝えて


シンプルなダンスビートは 凍った爪先をあたためて
ストレートなラブソングは 凍った心臓を溶ろかしてゆく
そして優しいブルースは 凍ったアスファルトを
春の花床に変えてゆく

いま、この瞬間も
愛し合う2人は 互いを激しく思っている


まだ間に合うかしら?
この列車に乗り遅れずに
1分1秒も管理下に置かれて
1泊2日で恋人を貸し出す レンタルショップがあっても驚かないよ


モッキンバードのさえずりも
目覚ましの電子音にかき消される
便利だね
便利だね
だけどまだ全然足りない

アレも欲しいし
コレも欲しい
あふれたゴミ箱には一瞥
これらはすべて夢なのかしら


我らは進化途中の 哀しき猿たち
立ち上がって歩いては 腰痛を訴え
空を飛んでは オゾン層を愁う

私はここにいて
私はここにはいない

君は君の人生の夢を見ていて
私は私のを見ている

我らは陽気な猿たち
幸福な猿に栄光あれ!



1997.5.11記

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鍾乳洞

2006-02-14 23:55:55 | lyrics
青い空とグレイの空

白いシーツに黒い穴

私は鍾乳洞への旅に出た

そこではすばらしい夢のにおいがした

陽光と汗でできた

荘厳な静けさと圧力のバランスの中

もうひとつの私の肉体を発見した

両の手のひらでゆっくり懐かしく点検した後

自分と同じ印を見つけた

かつて私たちは一塊の肉と魂だった

生活の不便さと勝手なエゴによって分かれた

(単純な好奇心のせいだったろうか?

これが最期かもしれないとも思わずに



理性よ

もう一度目を覚ませ

「私はお前だけのものだ」と囁いておくれ

この旅から帰る頃には

また見失ってしまうかもしれないから

いや私はすでにもう失くしていると知っている

彼は下着をつかみ寄せ

「どこへ行くの?」と聞いたのに

私は新しい下着にかえてしまったから

真っ白なシーツで覆ってしまったから

青一色の空に変わってしまったから

理性を取り戻し目を覚ましてしまったから

(あるいは単純な好奇心のせいだったろうか?




ふたたび腹を満たすために

ハチミツ色に光るリンゴに手を伸ばした

ふたたび長く果てのない旅に出かけた

このつぎ偶然の機会に出会うのは

何年先か? 百年先か?

もう一度 印を合わせて

懐愁を求めて



かつて楽園に暮らした神々たちは

十数世紀を経て 世代も移り変わり

性と人種と宗教の公平を唱えた

最新装丁のバイブルを読んでいる

最近はゼウス当時の復古版が

レトロブームに沸いている



「古代の神々はなんと愚かで私欲に満ち

 偏狭だったものかしら」てね




1996.9.29作

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夏の終わり

2006-02-13 23:55:55 | lyrics
どこまでも どこまでも
望むだけ手に入る 高い空と
日光を浴びた 流れる入道雲のキュビズム

私は今日
人のすむコンクリートの街へ
帰ってきた

ここではみんなが いろいろなものから
逃げ回っている

今のわたしに必要なのは

すべてにノー・コメントといえる
大きなサングラスと

マスクに白手袋

深々とかぶる帽子に

靴まで隠れる オーバーコート

静かに休める場所

カラカラに乾いた 蝉の死骸

天に挑戦する 無数の花火

いかれたクーラー ゴミの山

ヒューズの飛んだ 陰湿なへや

10日前まではここが
自分だけの自由な幻想王国(ワンダーランド)だと思っていたのに
今じゃこの拠り所のない35℃の夜の街は
私を無下に突き放す


宇宙人の微笑みをむける見知らぬ女
次第に脳のビスもゆるみはじめ
コントロールを失ってゆく

あんたは別の次元から来たのか?
別の惑星から

破滅に向かっている地球を見物しに来たんだろ?
働き続けることこそ人間の生の全てなんだ
そしてやっととったたった3日間の休暇を仲間と愚痴る


きっと君はなにか我慢大会にでも
参加しているに違いない

どれだけこんなイカサマに耐えられるか
いつのまにやらゲームに参加させられていた

これはきっといつか笑い飛ばせる
ジョークに違いない


雨空に流れる オカリナのBGM

食後のコーヒーに映る 真紅のアーケイド

幾何学模様の タイル張りの広場

緑にコケむした 水の止まった噴水

群がる鳩の中に 飛び込んでゆく少女


私は一人で歩いていく
どこまでいってもコンクリートに覆われている
固くて熱い道を




1994年記
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祭り

2006-02-12 23:55:55 | lyrics
さみしいか

真昼の月よ

遠き天子よ

鏡に映った姿のように不確かな


銀の祝盃をあげよじゃないか

とおくとおくの見知らぬ町じゃ

ドンドコ カンカラ お囃子きこえ

迷った子どもが 母をもとめて泣いている


あそぼうよ

真昼の月よ

貴き天子よ

おどろうよ

とうさん鳴らすバチに合わせて

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季節

2006-02-11 23:55:55 | lyrics
夏休み、ぺらぺらのTシャツと
パンツのしたに水着をはいて
鼻のあたまに玉つぶの汗を
かいていた子だろう?

覚えているサ 大きくなったね
ゴキゲンイカガ?

まくらになるほどラブレターを
書いているところを
お母さんに見られて
押入れのなかで泣いていたね

あんなことどうってことなかったのさ
ソウダロウ?

いつもそううまくはいかないけど
やりたいと思うことを
やってみてごらん

そしたらそれは自然にやってくる

もっとずっと先を見つめてごらん
いつかすっかり大人になったと
思う日がくるだろう

それでもまたボクと話してくれるかい?

一年たったらまた来るね

ソレマデドウカ
ゴキゲンヨウ

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蝉 ~better world で

2006-02-10 23:55:55 | lyrics
あるひどく暑い夏の午後
太い幹にひっかかっている
空っぽの抜け殻

もしもかれが戻ってくれたら
置き去りにされた虫の抜け殻

(出ておいで!
(さあ、いい子だから!

せめて次はよりよい世界に生まれ変わろう
せめて次のチャンスに
better world で君と会おう

次はよりよい世界に生まれ変わろう
次は better world で
会うって約束してよ


1994/8/31記


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Rumbling man Blues 1

2006-02-09 23:55:55 | lyrics
きょう俺は旅にでる
きょう俺は旅にでる
くたびれた骨を町の端に沈めて
俺はここから出ていくんだ


ホラ夜が更けてきた
ホラ夜が更けてきた
みなが浮かれ騒ぎをはじめる頃に
俺の憂鬱がまた頭をもたげてくる


この叫びが奴に聞こえるわけがない
この叫びが奴に聞こえるわけがない
雨がこんなにしぶきをあげてつぶやいていたら


雨が頬に当たる風を冷たくしている
雨が頬に当たる風を冷たくしている
俺は街の灯りがひとつずつ
消えていくのを眺めてる


ひとはそれぞれの家路を急ぐ
ひとはそれぞれの家路を急ぐ
のらねこさえ立ち止まって俺を振り返る


憐れな放浪者だなんて、冗談じゃない
憐れな放浪者だなんて、冗談じゃない
俺はアンタのことを歌っているんだぜ

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