メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『100の知識 深海のなぞ』(文研出版)

2013-09-08 20:12:34 | 
『100の知識 深海のなぞ』(文研出版)
カミラ・ド・ラ・ベドワイエール/著 渡辺政隆/日本語版監修

地球上にある小宇宙のひとつが海だよね
話題のダイオウイカも登場。深海の生き物はけっこうグロテスクで同じ地球の仲間とは思えないほど

【内容抜粋メモ】
海は、地球の表面の3/2以上を覆っている。太平洋、大西洋、インド洋、北極海、南極海に分けられる。


海のへりには「大陸だな」という浅い海が広がる。


たて方向に5つの層に分けると「真光層」「薄光層」「無光層」「深海層」「超深海層」になる。

太陽の光はおおよそ6色に分けられる「赤」「橙」「黄」「緑」「青」「紫」。
光は、真光層にだけ届く。水深約200mで青色も消え、その下は暗闇。

表面には、月の引力が潮の満ち引きをつくる。

水は空気の約830倍の密度があり、とても重い。深いほど水圧は大きくなる。
冷たい海水は、暖かい海水より密度が高く重いので、極の近くで深いところに沈み込む。
海水は、世界中を移動している。「海のベルトコンベアー」という大循環をしている。

海水温度は、暑い日も寒い日もあまり変わらない。
塩水は、水道水より密度が高くて重い。
海水には塩類というミネラルが大量に溶けている。


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「真光層」:海面から水深200mまで
海藻などは光合成をして二酸化炭素と水から栄養をつくる。ヒトや海の生き物に必要な酸素もつくる。
真光層では、毎年60億トンの植物プランクトンが育っていて、空気中の酸素の半分以上をつくっている/驚

「薄光層」:水深200~1000mまで
「オウムガイ」の内側の部屋には、ガスと液体が詰まっていて、出し入れすることで浮き沈みを調節する。
「マッコウクジラ」は水深1000mまで潜り、90分間も息を止めることができる。
「デメニギス」の目は、頭の中にあるが、頭が透明なので獲物を見つけられる
「ダイオウイカ」は、マッコウクジラと戦うことが知られている

「無光層」:水深1000m以上
「マリンスノー」(海雪)=上の層にいる動物の糞、死んだ動物・植物のかけら。深海の生き物の重要な食べ物。
「オレンジラフィー」は100歳以上になるものもいる。
「オニキンメ」は、水深約5000mまで泳ぐことがある(顔怖すぎ・・・
「ニシオンデンザメ」は、水深2000mまでの北極海にいる。

「深海層」:水深4000~6000mまで
世界の海には約3万個の海山があるといわれ、多くは海底火山からできた。
海山の側面に海流がぶつかり上向きの流れが起き、深海の栄養を運ぶ。
深海層の海水には、食べ物がほとんど含まれていない。多くが死肉をあさる動物。

「ソコダラ」は、深海層で最もよく見かける魚。約300種いて、1種類だけでも200億匹の仲間がいると考えられる。
これは、世界の人口のほぼ3倍/驚

「カイロウドウケツ」の骨組みは、ガラスを製造するための材料となる「シリカ」という物質でできている。

「カイメン」は、動物の中で最も単純な生き物。他の動物のような体の部位・器官がない/驚

「超深海層」:水深6000mより深い場所は少ししかない

世界で最も深い海溝は、水深1万920mのマリアナ海溝。長さ2550km、幅約70km。

「シンカイクサウオ」は、水深7000m以上で発見された。
「トリエステ号」はイタリアでつくられた深海潜水艇。1953年に初めて潜水した。
マリアナ海溝の水深1万911mまで約5時間かけてもぐり、赤い小エビを発見した(可愛いね
「ヨミノアシロ」は、水深8370mで発見された。


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深海のどろ
海の生き物の死骸は海底に落ちて、厚さ450mにもなる層をつくることがある。
クジラの死骸が食べ尽くされるまでに100年もかかることがある。3万種以上の生き物が時期をずらして食べ続ける/驚
1.カニ、ヌタウナギ、ソコダラ、サメなどが死骸から肉をはぎとる。
2.ゴカイなどが群がって、残り物にありつく。
3.クジラの骨はバクテリアや貝などが食べる有機物を生み出す。

「イトヒキイワシ」は、何時間も動かずに、食べ物が流れてくるのを待つ(気が長いんだね

深海の熱水
「熱水噴出孔」=300度以上の熱水が噴き出す場所がある。
中央海嶺では、20mもの高さがある、最大級の熱水噴出孔が発見された。

「ブラックスモーカー」=熱水に溶けている鉱物が、チムニーという高い煙突のような岩の塊をつくり、そこから黒い煙が吹き出る。
「ホワイトスモーカー」=噴出孔から出る白い煙。ブラックスモーカーより温度が低く、様々な鉱物を含む。


「チューブワーム」は、熱水の鉱物を栄養にして生きている。全長2mにもなる

深海サンゴ
「サンゴポリプ」が大きな珊瑚礁をつくる。触手にはたくさんの毒針があり、自分より大きな獲物を動けなくする。
→大気中の二酸化炭素が増え、海は酸性が強くなっている。ポリプは石のような骨格を育てられなくなる。

「イシサンゴ」の仲間は、大西洋でよく見かけるサンゴで、礁をつくる。
岩の割れ目からガスを含む冷たい海水が湧き出て、バクテリアのエネルギーになる。

大移動
「海流」につかまった動物は、泳ぎが苦手なら流され漂う。
「垂直移動」=多くの動物が、毎日、海中を上下に移動している。
「ゴコウハダカ」は、昼は水深1800mにいて、夜になると食事をしに、水深100mまで浮き上がる(水圧に強いんだ/驚

呼吸と潜水
「外呼吸」=酸素を取り込む働き。
「内呼吸」=酸素を使ってエネルギーを取り出す働き。

ほとんどの魚には「うきぶくろ」があり、水圧の変化に対応できる。
「マッコウクジラ」が深くもぐる時、肺はしぼみ、浮き上がる時にはまた膨らむ。
頭の部分の「脳油器官」には大量の油が入っていて、脳油を固めて重くしたり、溶かして軽くすることで浮き沈みしやすくする/驚

「ゴンドウクジラ」高速で泳ぐため、「深海のチーター」と呼ばれている。秒速9mの速さで潜れる。

皮膚を通して、直接海水から酸素を吸収する生物もいる。水深約1000mまで少なくなり、もっと深くなるとまた増えてくる。

発光器
獲物や交尾の相手を引きつけたり、敵をまどわせるために光を出す器官。ふつう、青白い光。
「ムネエソ」は、発光することで自分の体が下から見えにくくなる。
「スズキハダカ」の仲間は、最も明るく発光する深海魚。
「コウモリダコ」は、どんな時でも体を光らせることができる。

深海での食事

「オキアミ」1匹の大きさはクリップ1個分くらいだが、
世界中にいるオキアミすべてを合計した重さは、地球上にいるヒトすべての体重の合計より重い/驚
「ミツクリザメ」の体は、ピンクがかった白色で柔らかくたるんでいる(気持ち悪い・・・
「オニキンメ」の武器は、鋭くて長い歯。
「オオグチボヤ」は、薄光層にいる。大きく開いた口に獲物が入ると閉じる(宇宙人?

「アンコウ」の仲間は、頭の上に背びれの先を長くのばした釣竿のようなものがついていて、
その先には光るバクテリアがいる。この光で獲物をおびき寄せる。

暗い海で交尾の相手を探すことは難しい。

「レーガンアンコウ」のメスには、2匹の小さなオスがくっついていて、一生離れない

敵から隠れる
深海では、黒と赤以外の色は、周囲に溶け込んで隠れるのにあまり役に立たない。
「ムネエソ」は、光を反射する銀色のウロコを使うと敵からほとんど見えなくなる。
光が届かない場所では、海中の振動や、他の生物から発生する電気を感じることができる。

深海探査の歴史

1775年 初期の1人乗り潜水艇タートル号の発明。(カメっていうより樽じゃんw


1837年 防水ジーベ潜水服の開発。キャンバス地+ゴムで、水深約60mまで潜水できた。

1872年 イギリスのチャレンジャー号が4年間の深海調査に出発
1882年 アメリカのアルバトロス号が海洋調査を開始
1925年 メテオール号が海底地図の作製を開始
1934年 ウィリアム・ビービ、オーティス・バートンが潜水球に乗り、初めて深海に潜る。
1960年 トリエステ号がマリアナ海溝まで潜る。
1964年 深海潜水艇アルビン号が初の潜水。
1984年 水深6000mまで潜れる3人乗りのノティール号が初の潜水。


1987年 潜水服ニュートスーツの開発。
1988年 遠隔操作型無人潜水艇ジェイソン号が初の潜水。
1990年 人工衛星が海底の測量に利用される。

最初は、水圧に急な変化で「潜水病」を引き起こす恐れがあった。
現在は、金属製で深く潜れる「ニュートスーツ」。
深海調査の最も安全な方法の1つは、遠隔操作で動かす潜水艇(ROV)を使うこと。


深海作業用ロボットがモントレー湾水族館研究所で開発され、地球温暖化が海に与える影響を調査している。
衛星画像で、深海の海流、海底の地形など、ソナー(水中音波探知機)で海底調査ができる。

海の変化
ロボットは、えさの入った檻を置き、観察・調査目的で動物を誘いこみ、何匹か持ち帰ることがある。
「魚の乱獲」=オキアミは無数の生物の重要なエネルギー源だが、南極海で乱獲が問題になっている。
「海のゴミ」、「タンカーの原油流出」、化石燃料を燃やすことで発生する「二酸化炭素による汚染」が海を汚染している。

海底の奥深くに「二酸化炭素の回収・貯蔵」する案も考え出されている。

地球上の全生物を巨大な箱に詰められるとしたら、海の生物はその箱の99.5%を占める!



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