メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『カンゾー先生』(1998)

2010-12-18 18:13:28 | 映画
『カンゾー先生』(1998)
監督:今村昌平 原作:坂口安吾
出演:柄本明、麻生久美子、ジャック・ガンブラン、松坂慶子、世良公則、唐十郎、伊武雅刀、田口トモロヲ、清水美砂 ほか

trailer

麻生久美子出演作品をチェック中。今作でヌードになり、演技が認められたことで一気に飛躍したようだ。
柄本明が日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、麻生久美子が最優秀助演女優賞を受賞している。

story
太平洋戦争末期の1945年 (昭和20年)、岡山の片田舎で開業医をする赤城は、
いつも患者を「肝臓炎」だと診断するために「カンゾー先生」と呼ばれている。
学会でこれまで1500例もの症例を集めたと発表したところ大絶賛を浴びる
夫を失ったソノ子は看護婦として手伝っていたが、赤城の留守中に脱走したオランダ兵捕虜を入院させていた。
傷を治し、顕微鏡について教えてもらったりしているうちに交流が深まる。

研究にはどうしても新鮮な肝臓が必要だと、肝臓炎で亡くなる寸前に患者から許可をもらい、
墓を掘り起こしてサンプルを作るが、日本兵にオランダ兵のことがバレて、
赤城、ソノ子、僧侶、外科医らは逮捕され拷問を受ける。
芸者置屋の女将トミ子が、彼女に惚れている軍人に言い寄ってくれたお陰で赤城らは釈放される。

研究に熱心になるあまり、近所の患者が亡くなってしまったことを悔い、
赤城は町医者としての使命を思い出す。。


ジャズが効果的にサントラに使われていた

モルヒネ中毒の外科医、酒好きの坊主、家族を養うため、兵士のために淫売をするソノ子、
戦時中の狂ったルールの中で必死に生きようとする人間たち。
こんな時代では正気を保っていることのほうが難しかったんだ。

麻生久美子は、デビュー当時の原田美枝子さんを思い出させた。
クジラに引っ張られてモンペが脱げちゃうシーンなんて幻想的でもあり、
ユーモラスでもあり、色っぽい。
女ひとりで夜中に漁に出て、大きな魚を何匹も捕まえてくるって逞しい!!!(尊敬
彼女には配給制とか、軍のルールなんて通用しないんだ。

でもなんで戦争中は肝臓炎が流行るのか???


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プッチーニ歌劇「マノン・レスコー」(全4幕)

2010-12-18 17:25:29 | 演劇・オペラ
プッチーニ歌劇「マノン・レスコー」(全4幕)
演奏:ミラノ・スカラ座管弦楽団
指揮:ロリン・マゼール
出演:
ニーナ・ラウティオ(マノン)
ジーノ・キリコ(兄レスコー)
ペーター・ドヴォルスキー(デ・グリュー)
【録音】1992年 ミラノ・Teatro Abanella


▼あらすじ
兄レスコーは、家族の都合で妹マノンを修道院に預けようとしている。学生デ・グリューは一目惚れ。
大蔵大臣ジェロントも連れ去ろうとしていると知り、若い2人はパリに逃げる。

しかし間もなく貧乏に耐えられず、マノンはデ・グリューを捨て、ジェロントのもとで暮らすが退屈でしかたない。

兄の計らいでデ・グリューはマノンに再会し、自分を捨てた恨みを持ちつつ「やっぱり愛している」と歌い、
逃げようとするが、ジェロントに知られ、マノンは捕まってしまう。

レスコーは門番を買収して妹を救おうとして失敗。アメリカ行きの船に売春婦らとともに乗せられたマノン。
デ・グリューは耐え切れず「どんな仕事でもするから船に乗せてくれ!」と船長に頼み、船長は感動して承諾する。

歌詞には出てこないけれども原作によると、アメリカでデ・グリューと暮らしながらも結婚していなかったため(なぜ?)
権力者が息子の嫁に欲しいといったことでモメて決闘になり、デ・グリューが相手を殺して、また逃亡するハメに。
砂漠なのか水もなく走り回って力尽き、マノンは死んでしまう。


昔のヨーロッパの風習を知らないため、なぜマノンが若いのに修道院に入れられなきゃならないのか?
なぜ老人がたやすく若い女性を連れ去ることができるのか?
なぜ昔の恋人と話しただけで牢屋に入れられなきゃならないのか?
なぜ追放先がアメリカなのか?なんだか全然合点がいかないのだけれども、

恋人を捨てて老人と暮らしながら退屈だと漏らしたり、
デ・グリューと逃げるにしても宝石をかき集めて逃げ遅れたり、
「自分は美しい~」みたいな歌を歌ったり、なんだかフシギな天然ヒロインなのか???

それでも、こんなに不運な人生ってヒドすぎる・・・と最期は可哀相になって同情してしまった。
『蝶々夫人』など作曲したプッチーニ。ゆったりとしたロマンティックな曲調で聴きやすい。
ヒロインの名前を冠したタイトルは響きがイイしねv
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