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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドクトル・ジバゴ

2006-10-01 17:48:41 | 映画
『ドクトル・ジバゴ』
監督:ジャコモ・カンピオッティ
キャスト:ハンス・マシソン、キーラ・ナイトレイ、サム・ニールほか

母も大好きなこの悲劇の名作。こないだ帰省した時も話したんだけど、
わたしが元ネタで覚えているのは、映画音楽の傑作♪ラーラのテーマ
(昔、家の電話の保留のためのオルゴールの曲じゃなかったっけ?)と、
ラストシーンの記憶のみ。

ジバゴ役のオマー・シャリフが最愛の女性ラーラを偶然、街で見かけるが
心臓発作を起こして追いつけないというあの名シーン。

『ドクトル・ジバゴ』1965・米=伊
監督:デビッド・リーン
原作:ボリス・パステルナーク
音楽:モーリス・ジャール
出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ、ジュラルディン・チャップリンほか

今回観たのは、2002年にイギリスで放送されたテレビドラマ。これもS氏が貸してくれたもの。
ヒロインには『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラ・ナイトレイ
美人だが、歪んだような表情が気になる。
冷酷で執拗なパトロン役には、好きな男優の一人であるサム・ニールがベテランの味を出している。

戦争と革命の激動の時代に翻弄された男女。幾度も出会っては別れる数奇の運命。
「今までの自分と、君との未来、2つの人生が歩めたなら!」
妻と子を愛していながら、ラーラに心奪われることをどうしようもないジバゴ。
長く壮大な物語りのため、途中端折ったようなつなぎ方が気になったが、
ラストシーンで見事に泣かされました。

ひさびさ元ネタも観たくなった。途中ちょこちょこと話が違ってた感じがするし。
どんなにリアルにリメイクしても、元のクラシックな美しさには叶わない。


いつのまにか激しい雨が降っているね。
家で映画鑑賞してる週末で、外が雨なのは悪くない気分。
あともう1本くらい観れるだろうか?w


ホテル・ルワンダ

2006-10-01 12:28:12 | 映画
『ホテル・ルワンダ』

以前、予告を観てから気になってた今作を、会社の映画好きなSさんから借りて観た。
先日、感動レポを書いた『クラッシュ』の男優・ドン・チードル主演。
アフリカで長いこと敵対してきたフツ族ツチ族がついに紛争に発展。
フツ族リーダーはラジオを通じて連日プロパガンダを流して敵対心を煽る。
「ツチ族はゴキブリ。みんな駆除しなければならない」

4ツ星ホテルの支配人・ポールはフツ族だが、妻、兄夫婦はツチ族。
なにかあった時のためにと軍人、政治家など要人、権力者に賄賂を渡して
コネクションを作っていたが、街での大量の無差別虐殺、レイプ、
放火などの混乱の中、ホテルは難民収容所と化してゆく。

とりあえず門兵のいるホテル内より、たった1km先の道にあふれた死体の山と
ナタで切り殺している映像を撮影した欧米の記者が言った言葉が重い。
「これを世界中のニュースで流しても、”あ~怖いね”といって夕食をつづけるだけさ。」

現地で実際、パワーを持つのは欧米の軍隊。でも、救助部隊すら丸投げして撤退。
「ルワンダを救ってもなにも得にならない。君たちは黒人で、ニガーですらない」
これも深い問題のひとつ。

USドル、酒、葉巻、車、女などが賄賂の主なアイテム。
人の命とも交換できるモノの力。ある意味、単純なシステムだけに、
これらが人に与える影響の大きさまでも考えさせられた。

まずは、自分の家族ありき。
常に不安定な政情の国に住む者は、わたしたちの考える「家族」という集まりより
ずっと強い絆で結ばれているのかもしれない。

そもそもどうして憎み合い、殺しあわなきゃならないのか。
モノを持つ人、持たない人、背の高い人、低い人、色の黒い人、白い人、
みんな違うから素晴らしい。
他人と比べることで生まれる「優越感」「卑下して屈折する心」
わたしたちは日常の1分、1秒、他人と自分を比べない日はないくらいだ。

そして、本作がもっとも訴えたかったこと。
自分の命と同様に、人の命を思い遣る心
自分も犠牲にすることなく、自分の利益を省みず、
扉を開いた状態で、分け与え、支えあうということ。
極限の状態にあっても、平穏な日常にあっても、自然に分け与えられるということは
難しいゆえに素晴らしい。


心の中のベストフィルム~『ホテル・ニュー・ハンプシャー』(1984)

2006-10-01 00:00:28 | 映画
『ホテル・ニュー・ハンプシャー』(1984/米)

原作:ジョン・アービング
監督: トニー・リチャードソン
出演: ジョディ・フォスター, ロブ・ロウ, ボー・ブリッジス, ナスターシャ・キンスキー ほか

ストーリー
父と母が出逢ったキッカケのホテルを真似た家族経営のホテル・ニュー・ハンプシャー。
発展家の長女フラニー、彼女を想って苦しむ長男ジョン、成長の止まってしまった次女リリー、
ゲイの次男フランク、イタズラっ子の末男エッグ。
集団レイプ、いじめ、テロ、家族の死など様々な問題が次々降りかかっても、
フシギとシリアスに考え込まずに、家族みんなでひたすら前へと進みつづける。

第3弾に取り上げたい今作もジョディの出演作。とにかく彼女の作品選びのセンスがイイ。
ちょっと太り気味だったけど、思春期から大人の女性になる過程のはすっぱで
ミステリアスな色気のある彼女の魅力が堪能できる。
若くて甘いロブ・ロウほか、情緒不安定さ故に熊の着ぐるみを脱げない女の子に
N.キンスキーとキャスティングも豪華。

今作が好きな最大の理由は、この名セリフ。

「KEEP PASSING THE OPEN WINDOWS」(開いた窓は通り過ぎろ。)

つまり、どんな困難、どんな辛いことに思えても、目の前の窓から飛び降りたりせずに
生き続けて前進することこそ大事なんだということ。
テーマは重いはずなのに、ドタバタコメディ調な撮り方も含め、
観終わったあとにすがすがしい余韻が残る。

「Life is a fairy-tale.」(人生はおとぎ話のようなものだ。)

ジョン・アービング作にはほかにも『ガープの世界』 、『サイモン・バーチ』、
『サイダーハウス・ルール』など、いずれも素晴らしい映画になっている。